テラーノベル
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「……あ、暑い。不老不死でも、喉が渇くのは変わらないんだな……」
俺は額の汗を拭いながら、間欠泉の噴出口から飛び込んだ地底への道を下っていた。 隣では、霊夢が「なによこれ、湿気と熱気で巫女服が台無しだわ」と不機嫌そうに扇子を動かし、魔理沙は「地底には珍しいキノコがあるって聞いたが、これじゃ焼ける前に干からびちまうぜ」とぼやいている。
「おい、料理人。こんな地獄の底に、本当に美味いもんがあるのか?」
「ああ。地熱がこれだけあれば、じっくりコトコト煮込む料理には最高のはずだ。……それに、地底には『とっておきの食材』があるって噂だからな」
俺たちが辿り着いたのは、かつて地獄の火を管理していたという「灼熱地獄跡」。 そこには、赤黒く燃える大地と、不気味にそびえ立つ「地霊殿」があった。
「――あら。地上から不老不死の匂いをさせたお客様が来るなんて、珍しいこともあるものね」
現れたのは、サードアイを胸に掲げた少女、古明地さとり。 彼女の目は、俺たちの思考を読み取るように妖しく光った。
「……なるほど。あなたは料理人で、『白だし』という謎の液体を使い、ここの強力な熱源で何かを煮込もうと考えている……。そして、私の妹(こいし)や、ペットたちが暴れないか心配しているのね?」
「……心を読まれるのは、やっぱり慣れないな。けど、その通りだ。さとりさん、あんたの屋敷の地下にある『核熱』……あれを少し貸してくれないか?」
「お姉様! 誰か来たの!?」
奥から元気よく飛び出してきたのは、巨大な翼と大砲のような右腕を持つ少女、霊烏路空(お空)だった。
「わあ! この人、なんだか太陽みたいな匂いがする! お腹空いたなぁ!」
「お空、落ち着きなさい。この方は、あなたの火を使って『究極の煮込み料理』を作るそうよ」
さとりが静かに告げると、お空の瞳がカッと燃え上がった。
「核融合の火で料理!? 面白そう! あーうー、私の火加減は世界一なんだから! 何を作るの? 爆発するくらい美味しいやつ!?」