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夜逃屋の夜逃

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夜逃屋の夜逃

2 - 第2話 人生2周目

♥

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2022年10月01日

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『ニュースをお伝えします、先日何者かによる通報により、NKBアイドルグループ事務所の会長、副会長、社長、副社長など、計16枚が逮捕されました、調査によると、彼らは従業員に最低賃金の半分以下の給料しか払っておらず、また、退職しても、契約外の違約金を払わされるという企業体質も、今後も調査が』


ブチッッ



テレビの電源を切る、4日前の依頼を完了した時のニュースだ、自分たちがやったってことが警察にバレていないようで本当に安心している。


さて、そんなことは置いといて、今日は3時から依頼人がやってくる予定だ、依頼人が来るまでまだ5時間もある、さて、何をして時間を潰そうか

そういえば今日は体育の日、いや、最近ではスポーツの日というのだろうか、久しぶりに運動でもしようか、



そうして僕はスマホを手に取り、電話をする


『フォックス、ちょっと良いか?』


『どうした?依頼はまだだろ?なんかようか?』


『ちょっと暇なんだ、それに今日はスポーツの日だし、久々に運動するのも悪くないと思ってな』


『運動くらい、ランニングとか一人でできるだろ』


『頼むよ、流石にもうすぐ30にもなるおっさんが一人で遊んでると不審者に見えなくもないだろ、昼飯奢るから、頼むよ。』


『はいはい、わかったわかった、じゃあ南で大丈夫か?』


『ああ、大丈夫だ、11時にそこで集合な』





ー 横浜市南スポーツセンター ー


『いやー、ここに2人で来るのも何年振りだ?』


『多分知り合った時、何回か来て以来じゃないか?』


『フォックスがバッセンでプロ並みの球打ちまくってて、そん時はビビったよな』


『一応これでも、裏じゃ知らない人はいないくらい(自称)有能な現役情報屋だぜ、結構エグい修羅場も潜って来てるんだ、チャカの速さに比べたら、140なんて止まって見えるぜ』


『身も蓋もない….』


『でも実際そうだろ、お前だって、結構打ててたじゃんか』


『ははは、もう何年も前だから覚えてねぇよ』


ー 昼ごはん後 ー


『ふー、食った食った、やっぱお前、結構うまい店いっぱい知ってるな!ご馳走さん!』


『はぁ、ほどほどにしてくれって言ったよな、フォックス、おかげで、今月結構カツカツになったぞ』


『まぁ良いじゃんか、奢るって言ったのお前だろ』


『だからって少しは遠慮ってモンがあんだろ、』


『わりぃわりぃって』


『絶対反省してない』


他愛もない話を続ける、帰り道、野球クラブの練習場、そこに目をやった。


『おー、こんな祝日で、みんなゴロゴロしたいって時に、監督も選手もお疲れ様だな』


『…….』


僕は、フォックスのいう言葉が頭に入ってこなかった、一人個別練習で、すごく辛そうに野球をやる選手がいたからだ


『彼は……』


『、、、どうした?日和見?手帳なんか開いて』


『いや、なんでもない、帰ろう、もうすぐ2時だ、暇つぶしに付き合ってくれてありがとう、それじゃあ、また』


『お、、おう、、、』


そう言って、僕らは別れた、僕は歩きで事務所に戻った、そして依頼人を待った、



ー 3時 ー


コンコン



ドアを誰かがノックする


『どうぞ、中へ』

『はい、』


ひ弱そうな男の子の声が聞こえる、声や呼吸がかなり若い、おそらく中高生程度、そんな人がここに来てしまうとは、、、僕は哀れんだ


『初めまして、、』


彼は緊張しているのか、かなりしどろもどろしていた。

『まずは緊張をほぐして下さい、飲み物は如何ですか?緑茶と紅茶、コーヒーくらいならありますよ』


『あ、なら、緑茶を、、、』


かなり遠慮している、だめだこりゃ、緊張をほぐすことなんてできやしない。


『陽菜』


『はいよ!』


『初仕事だ、緑茶を淹れてくれ、お客様に出す、僕にはコーヒーをお願い、』


『では、まずお名前を伺ってもよろしいでしょうか』


『すみません、少し緊張してました、

僕の名前は凪 空飛(なぎ くうひ)と言います、』


『それで、どうして夜逃をしようと思ったのですか?』


僕は問いかけた


『実は、僕、、、、絵描きになりたいんです』


『ほう、では、何か、それになれない理由があるんですか?』


『実は俺の両親、、、、』





『元スポーツ選手なんだ、、、』


成程、そういうことか、


『凪 飛立って選手知ってますか?』


『知ってますよ、元横浜で、2000本安打を達成した、超レジェンド選手ですよね、』


『はい、、、』



『確か、女子野球選手の水上選手と結婚して、子供は野球選手にしたいと話していたところをニュースで見たことがあります、もしかするとですけど、あなたは、、、、、』


『はい、、、、


僕はその、凪 千住の息子です、でも、僕は野球を辞めて絵描きになりたいんです』


『なぜですか?』


『え?だから、、、野球をやりたくないって…..』


『さっき、君の練習を見ていました、2人の血を継いでいるんですね、とても良い身のこなしでした、あれなら、プロのショートとして、守備だけなら全然活躍できると思います、それに、調査によるとまだ高校1年生、プロの道に進んだ方が、将来も安定だと思いますが』


『えっ、、、』


『少し困惑の感情が今の言葉から感じ取れます、本当に絵描きをする覚悟があるんですか?心のどこかで、親の言うとうり、野球を続けた方がいいんじゃないかって思ったりしていませんか?』


『なんで、、、、そんなことを言うんですか?、僕は野球がやりたくない、絵を描きたいんです!親のエゴで野球選手になんてなりたくない、それなのに、あんたも先生と同じことを言うのか….』


、、、、、、


『では凪さん、一つ教えてあげましょう。』



『…..何をですか?』


苛立がこれから伝わってくる


『こんな失礼なことを言っているとですね、依頼人から僕のことを見捨てる人が多いんですよ、でもね、、、


僕が依頼人のことを見捨てたことは、、、

一度もないんですよ


あなたは本当に夜逃をする覚悟があるのですか?本当にそれで後悔しないのか、君はまだ15だ、正直、もっと考えてもいいような気がする、』


『そうですか、、、、、、そうですよね、』


落胆したような声で、そう言う


『でも、


君が親の支配から逃れたい、絵描の道に進みたいなら、僕たちは依頼を受ける、そうやって、人を助け、救うのが僕の仕事なんだ』


『!!!!』



俺に誰かが問いかけて来た、お前はこのままでいいのか、、、、


(このまま、親の願い通りに野球を続けた方が、将来いいんじゃないの?君にはその才能がある)


(違う、僕は絵描きになりたいんだ、野球なんてやりたくない、、、)


(へぇーー、そんな才能もないのに、確実に稼げるとほぼ保証されてる道を閉ざして、茨の道に進むんだ)


(それは、、、、)


(君には絵描きになんて成れっこない、数ヶ月程度で家出をしたことを謝ることになるさ、)


(なんせ、君には信念がない、今まで親の言いなりで、ずっと野球を続けて来て、そこから変わろうとしなかった、それなら、これから先もずっとそうさ)


(違う)


(は?)


(僕は絵描きになるんだ、親のエゴなんかに従ってたまるか、僕の人生は、僕が決めるんだ。

僕は絵描きになる!、野球選手なんかにならない、)


(はぁーーー、、、、どうなっても俺はしらねぇぞ、でも、お前も内心は、野球を続けた方がいいのではと思っているはずだ、)


(え?)


(なぜなら、、、)





(俺はお前で、お前は俺で、凪空飛は俺で、凪 空飛はお前なんだ!!!!)



『で、、どうです?』


『え、、、』


『絵描きになりたいんですか?それとも、野球選手を、、、続けますか?、、、』


………


やつはもう問いかけてくれない、やつが言っていた、俺はお前でお前は俺、、、もしかして俺は、、、、




どこかで野球選手を続けた方がいいと思っているんじゃないか?




『すいません、、もうちょっと考えさせてください、、』


『、、、、、そうですか、、では、答えが決まったら、メールをお願いします、


ここはお客さんも少ないので、いつ来てもらっても構いませんよ』


『はい……』


そう言って、依頼人は去っていった、まだ緑茶には手をつけていないまま。



『水仙さん、依頼人の方、帰っちゃいましたけど、大丈夫ですか?』


『大丈夫という保証はできないな、もしかしたら、テレビで数年後、彼の名前を聞くことになるかもしれない、でも、、、』


『多分、聞かれたんだな、、、、』


『何をですか?』


『いや、この話をするのはやめよう、それより、今日はもう依頼はない、今日はゆっくりするなり、なんでもしてくれ』


『?????』




ー 凪宅 ー


『ただいま、、、』


『ああ、おかえり、ちょっとこっちへ来なさい、』


『どうしたの?父さん』


『どうしたもこうしたもない、お前が外に行っている間、お前の部屋を片付けていたんだ、そしたら、また絵があるじゃないか‼️


ふざけおって、いいか、野球選手になるために、絵の練習が必要だと思うか。思うなら言ってみろ‼️、普通はキャッチボールやランニングだろ、もう2度と筆を持つんじゃないと教えた、夜中に練習するなら、授業も寝ながら受けていいとあれほど教えた、なのに、夜通し描いてたのがこの絵だとは、、、お前には失望したよ、、、


外に出ろ、守備練習をする』


『はい、、、、、』


僕はグローブを取ろうとするすると、お父さんはその手を静止させた、


『何しようとしてるんだ?』


『え?….』


『筆を持つこの手が悪いんだ、2度と筆なんて持とうと思わないように、教育してやる、、、』


僕は思った、、、、僕のお父さんは、、、狂ってる、、、、、








『もう、、、、辞めてください、、、、』


『何言ってるんだ、1万ノックやると言っただろう、まだ1000に到達したばかりだ、

立て、そしてボールを受けろ、その道にしか、俺はお前を教育したことがない』


練習は2日間にわたって行われた、1万本終わり、僕はようやく自分の部屋に戻ることを許された、そして部屋に戻ると、、、


『!!!!!』


そこには、ベット以外、何もなく取り除かれた部屋がポツンと存在していた、

『空、ありがとう』


『はいはい、どういたしまして』


『お前にはこれからこの部屋で過ごしてもらう、部屋に何かを持ち込むことを堅く禁じる、部屋の鍵は俺が持っている、部屋に何か持ち込もうものなら、俺が気づくことができるからなぁ。』




(……狂ってる、、、、)






ー 部屋の中 ー


(、、、、おい、、、)


(なんだ、語りかけてくれるのか、、あいつは狂ってる、、僕のことを自分の人生2周目みたいに扱って、、、)


(そう、、、、か、、、、


おい、よく聞け、、)


(、、、なんだよ)


(俺はもう、お前に語りかけることはもうない、これからどうしたいのか、お前が考えろ、)


(、、、、おう)



ー 3日後 ー

コンコン


ドアを叩く音が聞こえる


『どうぞ、入って来てください』


ドアを開ける、中に入って来たのは、凪君だった


『この前の答えを、答えに来ました、単刀直入に言います、、、

僕の父さんは狂ってます、、、、





僕を、、、あの狂った家族から、、、

救ってください、、、お願いします、、、』


『それは、本心ですか?』


『はい、、、、もう、、、語りかけてこないので、、、、、』


『、、、、そうですか、わかりました、では、ご依頼をお受け致しましょう』


『!!!!ありがとうございます!!!!』


『わかりました、では、凪さんには何か、夜逃先に持っていきたい大事なものは、何かありますか?』


『あ、、、一つだけ、、、』


『実は、美術の先生がくれた、筆があるんだ、それだけは捨てられたくなかったから、本当に奥の奥に隠して、6年間やり通した、だから、それさえあれば、もう大丈夫です』


『グローブとかは、大丈夫ですか?』


『あれば、両親に縛られていた負の遺産です、親から逃げ、新たな人生を始めるんです、親に逆らえない、弱い自分からの卒業の意味も兼ねて、グローブは置いていきます』


『そっか、、わかった、決行はいつがいいですか??』


『今日の夜、お願いしてもいいですか?』


『ああ、わかりました、では、単純な夜逃げになりますけど、それでも大丈夫ですか?』


『はい、それで大丈夫です』




ー 21:51 ー


ガチャ


家凪くんがくれた家の鍵で、部屋に侵入する。


そして部屋の中に入る、父親らしき男が出てくる


『ああ、空飛、おかえ』


サッ!!


胸あたりを切り付ける、そしたら、男はたおれこんだ


『はぁ、20年間ファンだった選手を、この手で傷つける日が来ようとは、フォックス、そっちはどうだ?』


『おう、母親の方も、麻酔で眠らせた』


『あの?両親に何をしたんですか?』


『大丈夫ですよ、ただの超強力麻酔ナイフですそこまで殺傷力も無いし、皮膚からの浸透率が高いから、ちょこんと当てれば野球選手とかの大男でも麻酔にかかります。それより、君の部屋に急ぎますよ』


『え、でも鍵を、、、』


『木のドアだったら蹴破れば大丈夫です金属ドアだったら、奥の手を考えています。とにかく、部屋に案内してください。』


『部屋のドアは金属製です、鉄のドアです』


『はぁ、それなら少し面倒ですね、フォックス、お父さんとお母さんを外へ、』


『ああ、わかった』


『何をするんですか?』


『あぁ、酸素ガスバーナーで、ドアを溶かして、無理矢理にでもくり抜くんです』


『ええええええええ!?!?!?』


『そんなに驚くこともないでしょう、鍵を探すよりも効率的です、夜逃げっていうのは時間がタイトなんです、長引けば、警察が家を取り囲むことだってあり得ます、契約には、両親の殺害は含まれてませんので、一度両親を外に出させていただきました。』


『まぁ、わかりましたよ』


『では、ガスバーナー、稼働させます』


ゴオオオオオオオオオオオオーーーーーーー


みるみるうちに、ドアがくり抜かれていく、


『日和見さんは、こういう方法で侵入したことって、何度あるんですか?』


『あぁ、何度かありますね、師匠がこの方法を使って侵入してるとこを初めて見た時はビビりましたけどね』


『さぁ、部屋に入れますよ、その大事な筆の場所が僕はわからないので、一緒に入って、僕に場所を教えてください』


『わかりました』


その後、大事な筆を回収して、なんとか家事を起こさずして、凪くんを逃すことに成功した


『本当に、ありがとうございます!』


『あぁ、全然大丈夫ですよ、多分、これだけ離れたらみつけることもできないでしょう』


『なぜ、そう言い切れるんですか?』


『人は、逃げる時、大体西に逃げたがるんです、だから、僕は大体逃げるルートは東に用意してるんです、それに、、、、、、


ここなら絵描も捗るでしょう、こんなに澄んだ空気に景色、ここでなら、君の夢を、叶えることができるでしょう』




『はい、、、、、、そうですね、、、、、

ここなら僕の夢を叶えられそうです』






『ニュースをお伝えします、先日、元プロ野球選手、凪 飛立氏(46)の息子、凪 空飛くんが、何者かに拉致され、未だに行方不明だそうです、


凪選手といえば、去年、生涯横浜スターズを23年貫き通し、引退しました、通算2058本安打、201本塁打を打った横浜のレジェンドとして活躍した選手です、


凪 飛立氏は、家で誰かに襲われてから記憶がない、彼を一流の選手に育てるつもりだった、彼ならプロでも一流の成績を残せた、そんな才能あふれる選手が何者かに奪われた、頼むから、戻ってきてほしい、身代金でもなんでも払うから、返して欲しい、と、供述しています。


また、凪選手とともに、横浜スターズの全盛期を支えた、二浦大輔監督は、空飛とはたまにあっていた、彼にはとても才能があった、流石凪の息子だと思いました、でも、拉致されたのはとても悲しいですね、、、横浜にとても欲しい人材でした

とも話されております。さて、次のニュースです』






2022/10/1 18:16 執筆完了 6795文字 READ




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