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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜2nd season
第1章 『閉ざされた部屋は何を語るか』
〜知恵と頭脳は紙一重〜
最終話 抗えない罪と罰
『モルカさん…。貴方の愛は…間違ってると思います。愛する息子なら…罪を償って…また新たに道を切り開くのが…親として出来る唯一の罪滅ぼしだと私は思います。どんな悪人でさえ…殺したら悪いのは殺した方なんです。悪人は悪人で罪を受けるべきなんです。でも、貴方達は…その機会さえも殺してしまったんです。同情はします。毎日のように暴力を振るわれていたら心が壊れてしまうのは自然ですから。』
『麻里衣さん…。私のしたことは…間違っていましたか…?』
『……。』
『息子の犯した罪を一緒に背負うのも…愛のカタチだと思いませんか…?』
『……。』
私は落ちている仮面を拾い、再び右目にはめ込む。
カチャ…。
『貴方がそう思うのなら…もう、咎めません。でも……この罪から逃げることは許さない。』
『…そうですか――。分かりました…。 』
私は去っていく麻里衣さんに頭を下げる。
『ありがとうございました。そして……ごめんなさい。』
『…ハナマル。ユーハン。馬車を出して。
百合菜。帰りましょう。』
『はい、主様。』
『うん…。』
『カオリさん。憲兵様に連絡して2人を連行して下さい。それは私の役目ではない…。
使用人であるあなたのお仕事です。』
『……はい。』
こうして…私は東の大地を後にする。
馬車の中――。
『……。』
『お姉ちゃん、私…あの2人は被害者だと思う…。だって、毎日のように暴力を受けてたら…心だって病んじゃうよ…それで罪を犯すのは仕方ないんじゃないかな…。』
『……百合菜。殺人は殺人なの。
仕方ないじゃ済まされないのよ。』
『でも……。』
『…安心なさい。あの2人が被害者なのは私も分かってる。情状酌量の余地はあるわ。フィンレイ様には私から伝えておく。あくまで判断するのは私じゃないわ。』
『でも、私、やっぱり――。』
『百合菜。』
私は釘を刺すように強く名前を呼ぶ。
『っ、お姉ちゃんのことが間違ってるとは言わない。でも……。もう少しだけ、優しい言葉をかけてあげたら…良かったんじゃないかなって…。』
『……クスッ。優しいのね。百合菜。探偵にするには勿体ないわ。』
私は百合菜の髪を撫でる。
サラッ…。
『貴方のその優しさのまま…探偵になったらきっと後悔するわ。貴方は貴方のままでいて。私のように…なってはダメよ。』
『お姉ちゃん…?』
『1つ、教えておくわ。
優しさは時に…毒となる。甘い考えでは…いつか貴方自身を蝕むわ。』
『優しさが、毒…?』
『えぇ。時にははっきり言うことも…突き放すことも大事なの。まぁ、時と場合によるかしら。いざと言うときに覚えておいて。』
『うん…。』
『今日は疲れたわね…。百合菜、付き合わせちゃってごめんなさいね。ゆっくり休みましょうね。』
デビルズパレス エントランス
『おかえりなさいませ、主様。遅かったですね。大丈夫でしたか?』
『えぇ。少し、疲れただけ…。今日はもう寝るわ…フェネス、お風呂の用意してくれたのにごめんなさいね…。』
私はふらつきながら階段を上る。
『大丈夫ですか?』
フェネスは私を支えながら階段を上る。
『『……。』』
『ハナマルさんもユーハンさんもお疲れ様でした。』
『あんな感じなんだな…主様の近くで仕事を見るのは。』
『私もびっくりしました…いつもの主様とは違った表情で…ゾクリとしてしまいました。』
『あれが2人が普段見てる主様なんだな。』
『…うん、そうだよ♪冷酷かつ、時に優しく…華麗に謎を解決する。それが麻里衣様だ。かつての私を見ているようだよ。』
『かつてのルカスさんですか…ふふ。麻里衣様はそこまで酷くは無いですよ。』
『えぇ、ベリアン、私そんなに酷かったかい?』
『ふふっ♪』
『……。』
私はまだ…主様のことをちゃんと知らないみたいですね。もっと…知りたい。『悪魔執事の主様』である麻里衣様の顔と。『探偵』である麻里衣様の顔をもっと知りたい――。
次回
第2章 『賭けの場で起きた密会』
〜マフィアのボスを捕まえろ〜
第1話 口調の練習
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天樹
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