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ことら私のリア友がかきました!
なんか他のサイトでよくかいてるらしいんですけど、、伸びないらしくて、
せっかくだから私の所でかきたいと()
相変わらず自由だなあの人(((
それではどうぞ!!!
タイトル:シンデレラボーイ
夜の街にネオンが滲んでいた。午前0時を過ぎたというのに、まだ帰る気になれず、ぼんやりと路地裏に腰を下ろしていた。
手の中には、りうらが置いていったライター。淡いブルーのボディに、小さな傷が無数に刻まれている。あいつがいつもポケットに突っ込んでたやつだ。
「……マジで、バカだよな、俺。」
ため息混じりにそうつぶやいて、ライターをポケットにしまった。
りうらと出会ったのは2年前。派手で不良っぽい見た目に反して、意外と寂しがり屋で、人懐っこい笑顔を見せる男だった。
「俺、ないくんのこと嫌いじゃないよ。」
あの言葉に、どれだけの意味を勝手に込めてしまっただろうか。
夜な夜なふらふら現れては、ないこの部屋に転がり込んで、何も言わずに隣で寝る。時には傷つけるような言葉を吐き、朝になればふらりと消える。
それでも、ないこは拒めなかった。カラダが勝手に反応してしまう。心は置いてきぼりなのに。
「シンデレラボーイって、お前のことかもな。」
ある日、ないこが言ったとき、りうらは笑っていた。
「なにそれ、w俺が王子様ってこと?w」
「0時を過ぎると、ろくでもなくなるんだよ。お前って。」
そのときの沈黙を、ないこはいまだに覚えている。
りうらはタバコに火をつけ、煙を吐きながら、何も言わなかった。
その横顔が、妙に大人びて見えた。
ある晩、りうらは帰ってこなかった。
それが終わりだった。
ないこはしばらく、濡れたままのバスタオルや、散らかった部屋をそのままにしていた。りうらの香りを残したくて。くだらない意地だった。
連絡は、たまにしか返ってこない。今、どこにいて、誰といるのかもわからない。
でも、そのたびにないこは、わざと強く出る。
「お前って、ホント嘘ばっかだな。」
そう言うことで、自分の中の“好き”をなかったことにしようとしているだけだ。
ある日、ないこは思い出のカフェで、偶然りうらと再会する。
「久しぶり、ないくん。」
そう言ったりうらの瞳は、昔と変わらなかった。優しくて、でもどこかずるかった。
また、心が揺れてしまう自分が、嫌でたまらない。
「もう、泣かせんなよ。0時過ぎたって。」
ないこは冗談めかして言ったが、内心は震えていた。
それでも、りうらはまた笑ってる。
その煙の向こうで、ないこは思った。
——好きって言わないで。愛してないくせに。
でも、本当は。
——あの目で、俺だけを見ていてほしかっただけなんだ。
結末
夜の街に、またネオンが滲む。
ライターを手に取り、ポケットからタバコを出す。
そして――
火をつけずに、それを折った。
もう、騙されてあげるのは終わりだから。