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SBCEの人気総合格闘技のスター選手のブラック・サイモンは、さきほどから微動だにせず事務所の前の、柱にもたれかかり目の前の通りをじっと見つめていた
彼はアフリカ系アメリカ人と日本人のハーフで、褐色の肌に大きな体・・端整な顔立ち・・・そして日本人の母親の気質を受け継いで、大男の割には事細やかな気遣いが出来る性格で
ジムのみんなからはとても親しまれていた
そして１年ほど前に、精巣ガンの手術を受け、壮絶なリハビリの結果、みごとに数か月前の遠征試合の勝利でカムバックを果たした
SBCEの中でも人気を馳せる格闘家だ・・・・
そして今彼は先ほどから事務所から数メートル先の商店街の入り口で、１０人ほどの女性グループが道行く人にピンクのビラを撒いているのを、数分間じっと見つめていた
その中でもブラックは一人の小柄な女性をじっと見つめていた
観察しているうちに、どうやら彼女がこの団体のリーダー的存在だとわかった
大きな茶色い瞳をさらに大きな黒縁ち眼鏡で隠しているが、とても綺麗な瞳をしていることがブラックにはわかっていた
彼女は栗色の肩までの緩やかなパーマを揺らし、汗をかきながらも一生懸命道行く人にビラを撒いていた
彼女は薄い桃色のポロシャツと白の細身のジーンズにスニーカーといういで立ちだったが、豊満な胸とヒップの割には細いウエスト・・・・
間違いない、彼女は地味な服装をしているがトランジスターグラマーだ
あどけない童顔に豊満な肉体・・・彼女はブラックの好みそのものだった、ぜひともお近づきになりたかった
見た所この団体の女性陣は、地味でほとんどがすっぴんのようだ、真剣そのものの表情で声を張り上げて道行く人にビラを配っている
ブラックは手に持っているピンクのビラを広げてながめた
数メートルほど行ったゴミ箱に突っ込まれていた彼女達が配っているビラを拾ってきたのだ
ブラックはそのビラに書かれている内容を見て顔をしかめた
「暴力的なスポーツに対する運動グループ格闘技は暴力です！私たちの力でこの街から暴力をなくしましょう！」
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