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Ryok side
深夜1時。
今日は新曲のアレンジを考え
キーボードの練習を数時間。
そろそろ寝よう。
そう思っていた時、
元貴から電話が掛かってきた。
「ん〜?どうしたの元貴?」
スマホを手に取り応答する。
しかし、元貴からは一言もない。
「 … あれ、切れてる、?」
応答したと思った通話は
既に切れていた。
何かあったのだろうか。
今日は休憩中に楽屋に戻ってきた
元貴の様子が少しだけおかしかった。
“ 打ち合わせで疲れただけ “
とは言っていたが
そんなのはどうせ嘘だ。
「んー、、まぁ、明日聞けばいっか」
〜
Ryok side
ピーンポーン
「んんん … だれぇ、?」
午前3時半。
ドアを開けた瞬間、僕は驚いた。
顔は涙でぐちゃぐちゃで、呼吸も不安定。
体はガタガタと震え、目の焦点は合わない
ボロボロな元貴がそこに居た。
そして、震えながら
僕の胸に飛び込んできた。
僕は元貴の身に起こったことを
一瞬で察した。
… まずい。
「元貴!!元貴、聞こえる?」
「りょ、ちゃ…ッ、こまんど、ッかひゅ、はッ」
「…ッ、わかった、 でも、
僕じゃケアにならないからね?」
僕はSwitchだ。
だから、 すぐに若井に連絡を入れた。
もし寝ていても起きてくれるように
電話も掛けた。
若井が来るまで
僕は応急的にケアを行う。
少しでも落ち着かせようとした。
『元貴、Look(こっちを見て)』
「ッぁ…ん、、」
「うん、いい子。」
『Good boy』
「ん、、ッ…は、ッ …かひゅ、ッ、」
しかし、どんなにケアを続けても
元貴の状態は悪化する一方だった。
ずっと目の焦点は合わない。
目を合わせてもどこかぼーっとしている。
そして、体が死人のように冷たい。
ガタガタと震えたままだった。
__ その時。
ガチャ
若井が家に入ってきた。
若井はDomだ。
僕は二人の第二の性別を知ってる。
でも、若井は元貴の第二の性別を
知らなかったらしい。
若井はこの状況を見て少し固まっていた。
でも、すぐに 元貴のそばに座り
低い声で呼吸を合わせた。
「元貴、大丈夫。
苦しいね、俺に合わせて呼吸しよ」
元貴は混乱したままだったが
拒絶はしなかった。
今できる精一杯の力で
呼吸を整えようとする。
「はッ…ひゅ、ッ、いやッ、いやぁ…ッ」
目には涙をいっぱい溜めて
体はガタガタと震えたまま。
しかし、混乱と疲労で
状況に追いつけなかったのか
元貴はそのまま意識を失った。
やがて救急車が到着し、元貴は運ばれた。
〜
mtk side
白い天井。
重たい身体。
光が眩しい。
…あぁ、またか、
記憶が無いわけではない。
でも、脳が自動的に先程までの記憶を
思い出させないようにしている気がした。
意識を失う直前、
僕はぼんやりと若井の姿を見た。
――怖いはずなのに、
――今は、逃げなくていい気がした。
目を覚ました時、
そこには涼ちゃんと若井がいた。
「元貴!! おはよう、無事でよかった」
涼ちゃんは涙ぐみながらそう言った
そして、若井は初めて
僕にこう言った。
「俺は、支配するために
傍にいるんじゃないんだよ」
その言葉を聞いたあと、僕の目からは
静かに涙が落ちていた。