コメント
2件
最高に良かったです。次の話すごく楽しみに待ってます。(*^^*)
うん、この調子かも……あと2、3話ぐらい きついっていう人は他の作品に帰ることオススメします……
晴明side
「疲れたー……」
ここ百鬼学園では、先程まで卒業式であった
「お疲れさん」
と、凜太郎くんが労いの言葉をかけてくれた
「うん、凜太郎くんもお疲れ様」
「後で飲みに行かへん?」
「いいね!」
と、他愛のない話をしていた
一度帰った後に合流しよう、そう約束して教師寮へ戻った
その後、指定された場所へ向かっていた
多分、他の先生もいるのだろう
さっき電話している時に、わちゃわちゃした声が聞こえたし
まず飲みに行くのも久しぶりだな
そんなことを考えていると
目の前に、保育園ぐらいの女の子がボールで遊んでいた
ここら辺は車の通りが少ないからいいが、時間も時間なため声をかけようと思った
「あの……」
その時、奥から勢いよく車が走ってきた
どうやら、女の子に気づいていないようだった
「危ない!」
僕はすぐさま駆け寄った
だが、その女の子は不気味な笑顔をこちらに向けた
少し恐怖を感じたが、そんなこと気にしていなかった
だけど、僕が駆け寄った時には
その少女はいなかった
そして、気づいた時には
車に轢かれていた
車の遠ざかる音だけが聞こえた
しかも打ちどころが悪く、全く動けなかった
あれ、これ
死んじゃうかもな
凜太郎side
「遅いなぁ……」
と、小声で呟いた
誰を待っているかと言うと
同僚であり、僕の友達の晴明くん
今日は卒業式がおわったから、お疲れ様会と称して飲む約束をした
他の先生たちもいる
だけど、晴明くんだけが一向に来なかった
「ちょっと外出てくるわー」
「りょ」
飯綱くんに言って、僕は晴明くんを探しに行った
「ホンマにどこ行ったんや…… 」
そこら中探し回ったが、彼の姿は見えなかった
セーラーにつられて遠い所まで行ってしまったのか
そんなことを考えていると
遠くから、パトカーと救急車の音が聞こえた
ここら辺で事故でも起きたのかと
少し気になり、試しに行ってみた
着いた時には黄色いテープがはられていたが
奥には、被害者のと思われる血痕が生々しく残っていた
多分、誰かが引かれたのだろう
「あ……」
と声がしたので、その方へむくと
パトカーから降りて来たであろう山崎さんがたっていた
「夜遅くまでご苦労さん」
「あぁ……」
僕は労いの言葉をかけたが、なんだか元気がなかった
「どうしたん、話でも聞こか?」
「……君、何も知らないのかい?」
何の話だろう
「……落ち着いて聞いてね」
と、その場に緊張感が走った
あまりこういう空気は好きじゃないが、山崎さんも真剣だったから何も言わなかった
だけど、次の言葉でその意味がわかった
「今回の事故の被害者……」
安倍先生なんだ
「ッえ……?」
どういうことや
晴明くんが、引かれたってことか……?
「正直、僕もびっくりしたよ」
それはそうだろう
普段から元気でタフだった晴明くんが、その場で血を流して倒れていたのだから
「そんな……」
僕にとてつもない喪失感が襲いかかってきた
「……なぁ、晴明くんは?」
やっと出た言葉が、それしかなかった
そうや、晴明くんは?
晴明くんは無事なんか?
そんな考えが頭の中でぐるぐる回った
「まだ容態はわかっていなくて……」
ピロン
と、山崎さんのスマホがなった
何か情報でも入ったのだろうか
僕が少し待っていると、山崎さんは頭を抱えていた
その時、全てわかった気がした
嫌だ、聞きたくない
だけど、体はその場から動かなかった
「……神酒先生」
山崎さんがおもむろに口を開けた
「安倍先生は、もう……」
僕の予感が的中してしまった
その時、僕の中で何かが切れてしまい
膝から崩れ落ち、泣いた
泣いて、泣いて、泣きまくった
泣いたって、帰ってこないことはわかっているのに