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緑谷出久 一生の全てを懸けて世界を守った英雄、その輝く魂は永遠にー
そしてベッドの上で出久は息を引き取った。
ーーー筈だった。
目を開けると僕の視界に映ったのは母さんの顔だった。まだ顔がすっきりして若かった頃の母さんだ。涙ぐんで歓喜の顔をしている母さんを見て混乱した。
「あぅあん?」
母さんと言おうとしたのに耳から入ってきた言葉は「あぅあん」だ。何だその声はまるで赤ん坊…と思った瞬間僕は全てを理解した。窓辺に映る一つの情景で今何が起きているのか全てはっきりした。 この世界は巻き戻ったのだ。
そうでなければこの状況に説明がつかない。
僕は2度目の生誕を迎えた。
そんな衝撃的な事態から5年の月日が流れ僕は5歳になった。
そして今世でも個性は発現せずわかってはいたものの突きつけられる現実には少し悲しくなった。
だけど僕には前世の記憶がある、それを活かせばヒーローになれるのではないかと淡い期待を持って僕は徹底的に自分のからだを鍛え上げた。それから3年、僕は気に入っていた修行場の山でランニングをしていた。
「そもそも僕がオールマイトと会えたのは奇跡中の奇跡だったし、これから会うなんてもう有り得ないことなんだ」
僕は頭を横に振って雑念を消す。
それから数時間経ってランニングを終えた。汗だくの体をタオルで拭いていると何か違和感を感じた。
「何だろ、焦げ臭い匂いが…」
匂いがする方に行くと木が燃えていた。蒼炎で。
「うわああああああああああああ、あついぃいいい!!!」
「!!!」
僕は走って火元に走った。
すると周辺は火で覆い尽くされている地獄絵図の中に一人小さな子供が絶叫し苦しんでいた。
僕は反射的に飛び出し叫んでいる子供を抱きしめた。
皮膚が燃えることも気にしないで子供抱きしめる。優しく子供の背中を撫でる。
「大丈夫だよ、大丈夫、ほら、深呼吸」
痛さなんて気にしない、今はこの子供を助けることが最優先だ。
「怖い、痛い痛いぃ」
「大丈夫、僕がいるから一人じゃないから落ち着いて力にストッパーをかけるんだ」
すると子供から吹き出していた炎が少しずつ温度が下がっていきその炎はなくなった。
「大丈夫?一回山から降りようか」
周辺は火の海だ、悪化する前に連絡して避難しないと、ジクジクと焼ける皮膚の痛みを無視し体に鞭を打って、子供を背負って全速力で山を降り山付近の家の方々に避難要請を送った。
電話を借りて
「XX市のVVの近くの山で山火事が起きています!付近の住民は避難させました!至急消防車,
ヒーローをお願いします!大火傷の可能性がある子供が一人至急要請お願いします、僕たちは〇〇付近で待っています」
幸いここは消防署と近くてすぐに来た。僕はその間に水筒から水を取り出して水を子供にかけた。
豆知識! 大きめの火傷を負ったらその火傷付近の布を絶対に動かさないこと!動かすともし皮膚が布に張り付いていたら布を動かした途端に剥がれてしまう可能性があるからだ!めちゃ痛いぞ!
「ッ!」
「痛い?待っててね、後ちょっとで救急車来るから後少しの辛抱だから」
応急処置を終えて痛みに堪える子供を落ち着かせる、すると救急車の音が聞こえた
「ぁ。よかった」
タンカーで運ばれていく子供を見て足が地についた。
「君!他人の心配をしてるつもりか!酷い火傷だ!!」
「ぇ¿」
狭窄していく視界に戸惑いながらも待ってもくれない体は昏倒した。