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こんれも!れもぬこです。
アンケートの結果が出たので発表です!
結果は~「話さない」です!
答えてくれた皆さん、ありがとうございました(´▽`)
それでは本編どぞ!
おんりー視点
「ぴーんぽーん」
インターホンを鳴らすとドアが開いておらふくんがひょこっと顔を覗かす。
「おんりー!入って入って!」
僕に気づいたおらふくんが目を輝かして引っ張ってくる。
「お邪魔しまーす」
「お邪魔されまーす」
そうやってふざけ合って二人で家に入るとすぐに椅子に座らされる。
「なんか飲み物いれてくるわ!」
そう言ってキッチンに走っていく背中を見ながら一人で考える。
昨日、ベッドの上でずっと考えていた『ループのことをいうか』という問題だ。
正直に話そうとも考えた。これを一人で抱えていくのは辛いし、一緒に立ち向かっていきたいと思った。
・・・でも、それ以上に君を不安にさせたくなかった。
どうせ話した記憶もなくなるのなら、この時間だけでも幸せに過ごして欲しい。
君を悲しませないためなら僕は一人でいくらでも耐えてみせる。
だから、君の、おらふくんの前では自分を偽ろう。
いつも通りの自分を演じて見せよう。
「んりー…おんりー!」
はっと気づくとおらふくんが心配そうに顔を覗き込んでいた。
「大丈夫?具合悪いん?」
ああ、また心配されてしまった、
「ん、平気。ちょっと考え事してただけ」
「ならええんやけど…」
青いその目はまだ不安に揺れているけど、詳しく聞くのは諦めたようだ。
「ほら、飲み物持って来たで。僕の部屋で話そ」
二人で二階に昇って机に着くとたわいの無い話を始める。
僕はそんなくだらない時間が大好きだ。だからこそ、君には死んで欲しくない。
「そういやアルバムとかってある?」
「!あるで!ちょっと取りに行ってくるわ!」
そう言って駆けていく姿を見る僕は、油断していたのかもしれない。
「わっ、、、ッ」
その声を聞いた時、血の気がひいた。
嫌な予感がして走って向かうと
階段の下におらふくんが倒れていた。
もう何回も嗅いだ鉄のような匂いがする。
君も、床も、何もかも染めていく赤い、紅い華。僕の心は真っ黒に染められていく。
「もう嫌だよ…」
弱音を吐いても答える声はない。この家に僕は独りぼっちだった。
泣いても、叫んでも、怒っても運命は変わらない。
夏の陽炎が僕らの未来を奪い取っていく。
倒れるおらふくんに近づきそっと横に横たわる。
赤い血が自分まで赤く染めていく。
ねえ、ここにいたら何度も死んでいく君の気持ちが分かるかな。
きっと君は全部忘れちゃうけどね。
暗転する視界を自覚しながらそっと君を抱きしめた。