頭が真っ白だ。
すぐに考えを放棄してしまうのは、私の悪い癖だな。
それより、だ。
なぜ彼は、こんなにも距離が遠いのだろうか。
物理的な距離の話じゃない。
心の距離…まるで初対面のような態度。
『っ…ねぇ、星川。今日って何年の何日?』
hskw「んーっと…××××年の8月12日!」
××××年、8月12日…?
私が叶に殺される夢(仮)を見た日から、丁度1年前に戻っている。
あれは、夢じゃない。
これは、物語などでよくあるタイムリープ的なものだろう。
もし私が本当にタイムリープをしているのなら、きっとそれは”叶に殺されない未来を創れ”ということなのではないだろうか。
だったら、殺されないように行動を変えればいいだけ!
『(初めからコイツと関わらなければいいだけなのでは…?)』
そう思い、私はギュッと拳を握りしめた。
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kne「2人って仲良いよね。」
早速、ホームルームが終わると話しかけてくる叶。
内心、ゲッと思いながらも表情を隠す。
hskw「まぁ、幼馴染ですから!」
ドヤ顔で自慢する星川を見て綺麗な顔で微笑む叶。
本当に彼が私を殺すのか?と、思ってしまいそうな程。
『自慢するほどのことじゃないでしょ。』
呆れた顔で言うと、叶は「ううん」と首を横に振る。
kne「僕だったら言っちゃうな。」
kne「こんな可愛い○○ちゃんの幼馴染だって自慢しないなんて、宝の持ち腐れじゃない?」
前の私だったら、こんな胡散臭い口説き文句に心打たれていただろう。
まぁ、実際そうなのだが。
でも、今は違う。
『よく言うよ。どうせ誰にでも言ってるんでしょ?』
わざと面倒くさいセリフを吐き、嫌われる作戦だ。
星川から教えてもらったのだ。
「男は面倒くさい女が嫌い」と!
『(なんだ、めっちゃ簡単じゃんか!)』
これで殺されずに済む。
私はなんて天才なんだ!と、心の中で自負していると、
サラリと私の髪を持ち上げ、口を近づける。
kne「○○ちゃんだけって言ったら?」
上目遣いで私を見る彼に、鳥肌が立った。
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コメント
4件
好き!! 夢主ちゃんには申し訳ないけど最高過ぎる!! 続きが気になる!! 体調に気おつけての!!
ㅤ書き方とか とても 好みです ‼️ ㅤ最高です …… ‼️