この作品はいかがでしたか?
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※不穏・首絞め有※
「ただいま……」
いつものようにドアの鍵を閉め、手を洗う。
カーディガンをハンガーに掛けて空いている角にに引っ掛けた。
「おかえり。」
(…なんか気色悪いな…ずっとニコニコして…)
明らかに、いつもの笑みではない。微笑むような笑顔じゃなくて、なんかこう……視線が絡んで、声の1音、1音が重い気がする。上手く耳を通らない。
「ねぇ」
ベッドに座った瞬間、両手がメイの手で塞がる。
いつもは暖かく感じるはずのメイの手が、心無しか拘束のように感じた。
「僕ね。ずっと考えてたの。」
「何を」
「君のこと。……おかしくなっちゃったかな、僕。」
「多分な」
唇が重なる。キスをされたのだ。メイの求愛行動とも言える(深さで大体のメンタルがわかる。深めはかなり重い)。
……舌が入ってきた。どうやらなにかあったらしい。所謂……病み期?って言うやつ、だ。段々と苦しくなってくる。
口から唾液と息が漏れた。熱い。相手の体温が、舌から伝わる。
なんだか凄く、興奮してしまった。するべきときでは無いが。
「……っは、ふぅ゛…」
「…すき、大好き。ほんとに全部、愛してる。顔赤くしちゃうのも、優しいとこも。…軽率に誰かを、惚れさせるとこも。」
声が低くなった。どこか圧を感じる……
(…怖い…)
「……何してんだ?」
身体が横倒しになる。
手を離され、俺の身体を撫でられた。
ただ単に映画とかである表現方法なのだろうが、焦らしているようにも見える。
「君が浮気したらどうなるかな」
「え?」
「君が、他の女の子作ったら、僕どうなるかなって。君は恋愛対象がいわゆる普通の人だから、ありえるかも。」
「……する訳ない」
「…そうだよね。…でも、僕妄想の激しい人だからさ。どうなるかなって。もし浮気したら……ほんとに、どうなるんだろ。君を首輪と手錠で繋いで、監禁するかもしれないな。眼中に僕しか映らないような、誰にも汚されない、君にする為に。あるいは……」
身体を撫でていた手が、首元へ動かされる。
くすぐったい、と思った矢先、息ができないほどの苦しさに襲われた。
首を絞められている。苦しい。
「…ッかは、ひゅッ、くる、しッ”……!」
「怒りと悲しさでおかしくなっちゃうかもね。こんな風に、殺してまで永遠に僕の恋人にする。僕のこの手で殺して。そうじゃなきゃ意味が無いから。」
「はなせ…ッ!…いき、できな、っ”……!」
手が離された。
息だ。息が吸える。やっと。
首を絞められた時の怖いほど強かったメイの力が、未だ首に残っている。
「は、ッはー、げほッげほ、っひゅ…」
「…なんて、極端な話だったね。そうだよ、クロが浮気なんてするはずない。こんなに優しくて、嘘がつけない、こんなかわいいクロだもん。」
「げほ、はぁ、は……」
「でも、一応言っておくね。浮気なんてしたら─」
─君のこと、殺すから。
いつもよりいくつか低い声。
楽しげなテレビの音以外何も聞こえない、静かな部屋に響き渡る。
「あはは、そんなに怯えないでよ。ごめんね。怖くない、こわくないからね……」
メイは俺を抱き寄せて、そっと頭を撫でた。安心はできないが、いつものメイだ。
「だぁいすきだよ、かいとくん……♡♡」
あとがき
不穏好きの主が暴走するとこうなりますかわいいです(末期症状)
コメント
5件
めっちゃ心臓バクバクしたわ…
ifのifストーリーなので実際はこんなことしてません