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不幸すぎる(´・ω・`)
「っぅう”、あ”っ、いたい”ッ、ぁぁあ”…!」
「…」
今日も、弱々しく叫ぶ彼の体には花が咲く。命を吸い取る、奇妙な花が。
裂けた皮膚からは葉が茂り、綺麗な蕾や花をつけていた。
……もうすぐ死ぬ証だ。
「……助け、めい、っ”!」
「…ごめんね、ほんっとにごめん……僕、なんも助けられない……苦しいの、分かってるのに…」
「ぁあ”っ……ぅう”…」
…助けて、という言葉を聞く度、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
苦しんで死ぬのを見届けるくらいなら。
最期まで迷惑かけるくらいなら。
一緒に、死んでやる。
「ッ”う”…ふぅ”……」
「……ほんとに、僕と死ぬんだね?やり残したことない……?」
「…うん……早く…しにた、ッい”っ……」
防波堤の、灯台の横。海が綺麗だ。
夜の三日月に照らされ、きらきらと輝いている。
君と、ここで死ねるんだね。クロ。
「…じゃあ、さよなら」
「……ん…また……来世、で…な…」
辛そうな顔でにこり、とクロが微笑む。
あの時見せてくれたような、ふわりとした笑みがまた、蘇ってくれた。
(これが、僕の最後の記憶なんだ……嬉しいなあ)
バシャッ……
─最後の記憶、のはずだったのに。
なんで、生きてるの……?
「……え…?なんで、っくろ……!」
どこ。どこにいるの。
必死で探しても、彼の姿は見つからない。
……来世で会うって約束したのに。約束破ったんだ。
「……君、ここで何してるの!?……びしょ濡れだ、早く私ん家に……!」
嫌だ。絶対行かない。嫌だよ。僕は今死ぬんだ。クロと同じの死に方で。
「クロ、くろ、!どこ……!いや、まだ、だめ!!死ぬの!!離して…!」
「ダメだよ!入水自殺なんて……!」
「いや、いや!!嫌だ!!!」
「さおりさん、ありがとう、ございました…」
「……落ち着いた?…なわけないか……ここにいていいんだよ?帰るの?」
「心配かけるから……」
なんで助けたの。なんで生かしたの。沙織さんも。クロも。
「さよなら。」
「なんかあったら頼ってね。これ連絡先……」
「……はい」
「ばいばい…」
家に帰っても、何もする気が起きなくて、そのまま2日経った。
……結局、死ぬんだ。クロの葬式もできずに。
警察の人から連絡は来てない。
沙織さんと、僕しか知らないから。
沙織さんには教えるなって言っちゃったし。
「……死ねる」
こんなに色のない世界初めてだった。
…君がいなきゃ、全部台無しなんだよ。
だから、一緒に死のうって言った。
それなのに。それなのに…
「なんで……僕だけ、こんな苦しんで……」
……あー、もう死ぬんだ。体に力入らない。
どうせ死ぬなら君とが良かったよ。馬鹿。
でも、最期ぐらいは恨みっこなしだよね。
……くろ。
「あいしてる……」
あとがき
不穏ですね^^
奇病書くつもりがまさかの超不幸展開
草