テラーノベル
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『……まず、優先順位としては私は、光を一度解放したい』
「……そうだね、でも、あっちが先の方が良いと思う」
不安そうに話す奴の姿を見ると、何だか信じたくなってしまう。
奴にはそんな信憑性があるのだろう
「そもそも、光を……盗んだのも、アレが原因だし」
『……』
何故、コイツは私に頼んでいるのだろうか
今更ながらに疑問が湧いた、そんな考えを見透かした様に奴は答える
「君の父親が、俺の兄を殺しから、きっと、君は強い人なんだろうなって」
「だから任せた」
「……死にかけだからか、ちょっとだけ死者の繋がりとか分かるんだよね」
『……そうか』
少しだけ奴は笑ってから、上を見渡す
「大丈夫、まだ」
『……』
「とりあえず、手取り早く説明するね」
そう言って、奴は私の頭に手を翳す
「《記憶転移魔術》」
場面が変わり、視界が低くなる感覚と共に目の前には私の首を切ろうとした者が居た
腹立たしい腹立たしい、実に腹立たしい
「おい」
「何だよ!話しか」
乾いた音と共に頬に痛みが走る
(『なにを!』)
声を出した、だが出ない
あぁ……なるほどコレは記憶なのだろう
「全く……本当に血が繋がっているのか疑ってしまうよ」
「……」
打たれた、少年が顔を上げる
兄は居なかった
仕事に行ったのだろう
少年は安堵の息を吐く
「……ん……?」
空が……緑?
なんだあれっ、この街はゴーストが多いけど……
「んん?」
目を細め、良く見る
「……蛇?」
蛇であった
蛇が空を覆い尽くしていた
「っ!?」
それに気付いた瞬間、数多の蛇が落ちてくる
そして地面に激突する瞬間、蛇はふわりと浮かび街の人間を襲い始めた
「なにあれ……」
「子供は!子供は何処だ!?」
そんな時、誰かの叫び声が聞こえた
「早く避難させr
声が途切れた
蛇の大群が叫んでいた人間を食い殺したのだ
逃げようとしたが遅かった、壁一面に蛇がうにょうにょと少年を殺気のこもった目で見つめていた
「ぅあ、あ、」
腰が抜けた、怖い……怖い!!!
助けて!助けて!
視界が真っ赤に染まった……蛇の血で
「ゔっ」
血が目に染みて痛い、あまり衛生的に良くないが目を擦って血を拭う
「!!」
兄だ、大嫌いな
「チィっ!」
盛大な舌打ちと共に少年の体が宙に浮き、兄に抱き抱えられていた
「蛇……?まさか……」
兄の独り言だろう、だが少年はそれを理解しながらも聞いた
「何が?」
「……」
片手で剣を持ちながら兄は蛇を斬り殺している
「……魔神殺しの……いや、これじゃあ分からんな」
少し黙った後、言った
「実験に、兎や鼠を使う理由を知っているか?」
「……?」
質問の意図が分からない
何を言っているんだ、コイツは?
「こうなるからだ」
……?
「この国は見えない場所で沢山の人を殺してる」
「…何でアンタが知ってるんだよ」
「……」
答えなかった
だが実験に人間を使った結果、こうなったのだろう
「最近な、この国は”死んでも良い人間”が居なくなってな、だから……老人や病人を対象にし始めた」
「だけど使った病人の中の一人が手を出してはいけなくてな、病人の愛人がブチギレて数年前に、この国を滅ぼすとか言ってたらしい」
「その愛人、ヘビの魔法使いはとんでもないヤツでな」
「最近出世して、結構な機密情報を知れる様になったが……ははっ、面白い」
「何で笑うの」
「笑うしかねぇよ」
「……」
いつも違い口がかなり悪い、相当イライラしているのだろう、少年はこれ以上、何も話さなかった。
そしてしばらくして落ち着いた頃、顔を上げると街は人の血で染まっていていた、目がチカチカして目を瞑る
「……」
隣に居る、兄を見る
念話か分からないが魔法で何か話している
「……了解」
「……?」
「神の行使をしましょう」
「!!」
神、それは上位互換、この世界の設立者であり、最強の存在と言われている
そんな神を利用する?どうやって?
……いや、そんなの関係無い、そもそも神を利用するのは禁忌と言われている
なのに何故……
「では、生命の誕生を手助けした、《創魄の神 アルディウル》は?聖書によれば……」
「待待待待っ待って!」
「……あ?」
「っ、駄目だろ……そんな事ォ”ッ!!!」
痛い、痛い、また打たれた
「アレに勝てる奴は神くらいしか居ないんだよ!、だから呼び起こす!テメェは黙ってろ!」
「ッ!」
何も言えなかった……いや、言わなかった
兄が居なくなり、隅に隠れて居ると程なくして眩い閃光と共に嫌な気配が消えた
『、、、、、』
「でも、結局は神を使った時に残った残骸が一塊になって、瘴気を撒き散らした」
「そして、その瘴気を消す為に……カクを盗んだ」
『……』
「盗んだ時にかなりの死者が出たらしいよ、まるでカクが怒り狂ってたみたいだって」
アイリーンに腕の焼け跡を見る
「あぁ、君はイポス族だからカクが気付いて消化するのを辞めたのかな?」
「まぁ良いや、じゃあね」
『……は?』
顔を顰めていたアイリーンが奴を見る
瞬間、白いモヤの様な何かが奴を、飲み込んだ。
白いモヤが無くなる頃には、奴の姿はもうなかった。
『これが神に食われると言う事なのか?』
分からない、だが今は、手っ取り早く根本を叩かなければならない
『……まぁ』
『やるしかないよな』
私は聖霊様の力を借りて魔法……いや、魔力を変異するのでは無く、原攻灯法だ
相手はかなり、手強いだろう
アレは神を利用した時の攻撃が、分散して、1箇所に集まって…なら神自身かもしれない、下手したら反感を買う……かも
だが光がこのまま利用されるのはもっとまずい
やるしかない
アレがある方向を見る
瞬間、
無数の手がアイリーンの方へ伸びていた
『ッ!?』
それを皮切りに周囲から、複数の爆発音が聞こえてきた
……まずいな
魔力を込めた拳で、無数の手を殴りながら、死の予感を感じた
息が切れてきた、後どれだけ走れば着くのだろうか?
アイリーンの臭いが少しずつ濃くなってきているが……
「アレは……」
建物だ
「!!」
あそこから、アイリーンの臭いが、流れて来ている!
「ア……」
アイリーンの名を呼ぼうとした、だが黒い塊が邪魔をした
避けなければ当たっていただろう
「……なんだ?」
建物を良く見れば、あちこちから、血飛沫が上がっている
始まったのか?まさか
「既に遺体になっているなどと、馬鹿げた事は辞めてくれ」
そう願いつつ、北の国へと、また走り出した
コメント
1件
わああ第13話「禁忌」読んだよ…!!😭💦 記憶転移魔術で過去の事件を見るシーン、めっちゃゾワゾワした…蛇の大群とか街が血で染まる描写が生々しくて鳥肌立ったよ! 兄が神を行使しようとする場面、禁忌って分かってても「待って!」って叫びたくなる気持ちめちゃ分かる…。アイリーンの過去が少しずつ明らかになってきて、ますます続きが気になりすぎるよ〜!!✨
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