夕食を終えた二人はjpの部屋に戻ってきた。
枕を整えながらjpの母親が尋ねる。
「ttyくんどっちで寝る?」
jpが上京するまで使っていたというベッドの横に、布団も敷かれている。
ttはそのふかふかの布団を選んだ。
「じゃあ布団をお借りします」
「やっぱりttyくんはおもしろいなあ。もう少し一緒に飲もうよ」
部屋の入り口で顔を赤らめながら言う父親にjpが釘を指す。
「だめだって父さん、ttお酒弱いんだから。俺らがちゃんと見とかないとだから覚えといてよ」
はいはい、と揶揄うような返事をすると、両親は笑顔で部屋を出て行った。
それぞれ寝転び、腹をさする。
「ふぁ〜!お腹いっぱい!」
「めっちゃ食ったなあ。 お前の母さんの唐揚げ美味すぎやって」
「ご馳走だったなあ…」
jpは呟くとttの方を向いた。
ttは口元に笑みを浮かべ天井を見つめていた。
「tt」
「ん?」
「ありがとう。父さんと母さんに会ってくれて」
「どうした改まって。 こちらこそありがとな。受け入れてもらえて嬉しいわ」
「うん…俺もすごく嬉しい…。tt 、こっち来て」
jpが毛布をめくると、ttが胸に飛び込んできた。
緊張と高揚感に満たされた一日。
開放的になったttは、胸に顔を埋めて猫のように甘えてきた。
「jぁpぁ♡」
「tt〜♡」
髪を撫でると嬉しそうに笑うttに優しくキスをする。
幸せの絶頂にいる気がした。
「今度は大阪に行こうよ!ttのお父さんとお母さんに挨拶しよう」
ゴロゴロと頬擦りしていたttがピタリと止まった。
「…」
「?」
「俺の…親、、、」
「うん。ttの家族にも俺を認めてほしいから… だめかな?」
「…だめ、じゃない。その気持ちはほんま嬉しい」
「やけど、、」
「?」
ttはjpの胸から離れると、目を逸らしながら小さく言った。
「…」
「俺…お前に嘘をついてた事がある」
「え?」
「俺、父親おらん。母さんも高校出てから会ってないし連絡すらとってない。実家に帰るゆうたときも、その辺のホテルとって適当に時間潰してた」
「…ぇ」
「いろんなとこで話していた家族エピソードは全部俺の嘘。ごめんな。こうやったらええなっていう俺の願望でもあったんやけど」
「俺、愛されてないから」
コメント
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読みながら平和だなー💗って思ってたのですが………??⚡️さん嘘ついてまで理想の家族を語ってたのが辛すぎます😭