💙「俺、男同士とか考えられんないし、」
真夜中の午前零時 , 聖夜のクリスマス。
辺りが静寂に包まれ、彼の円な瞳と重なり合えば、衝動に駆られ唇を奪うと同時に、彼に思いを告げた。だが、帰ってきた答えに俺はただ、泣くことしかできなかった。あの頃の無力な自分を今でも夢に見る。何年も思い続けた恋心を一瞬にして砕け散るとは、なんて儚いものなんだろう、と 。
〈 side 💜 〉
🧡 「今年のクリスマスは皆 予定あるん?」
冠番組の収録日。その日は、朝からロケ撮影があったため、一足遅く楽屋へと向かった。
締りのない顔つきの頬をぱちん、と叩き起こせば、騒がしい楽屋の扉を開けると、開口一番の康二の言葉にぴく、と反応すると同時に、眠たそうに欠伸をしながらうたた寝をしている彼へと横目で視線を向ける。
各々のメンバーが、仕事仕事、と何の夢もない大人な回答を繰り広げる。もちろん、俺もそのひとり。聖夜のクリスマスに過ごす大切な子も居なければ、残せる財産すらもそのうち無くなりそうだ。
🩷「お前ら、ほんっと夢ねぇな〜?」
🧡「そーゆう、さっくんはどうなんよ〜」
そーだそーだ、と他のメンツが加勢するなか、楽屋の隅でいつの間にか寝息を立てぐっすりと眠りについている子羊の姿が。
🖤「わー、しょっぴーかわいい〜 ♡」
ひょこ、と俺の背後から大男が現れると、すかさず横を通り抜け、何の躊躇もなく軽々と持ち上げ姫抱きをする始末。こうしてみるとたしかに美男美女だ。翔太も満更でも無さそうに頬を緩ませている姿に何処か胸の奥がザワつく。
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