兎赤、
ね、ハサミない?切りたいやつあるんだけど…」
え?はs、はさみ??一瞬頭がぐちゃぐちゃってなりかけた。工作かなんかをしているんだろうか。それにしては珍しいな。俺も探そうとしたが、
「あ、やっぱいいや。あったから。」「ならよかった…ん?」
赤葦は俺の後ろに向かい歩きながら言った。…俺の髪を触っている?……え?そういう?まさかとは思ったけど後ろから紙の音がする。嘘だろ?俺の全身がヒュッと冷えた。
「お、おま、俺の髪でその紙を切ろうとしてないよな?な??」「え。そうだけど何?どうしたの。」
とうとう馬鹿になっちゃったかぁ!!?。俺は今まででいっちばん目を見開いて吹いた。もう、馬鹿すぎて、引くというより、愛おしくなった…というか、笑ってしまうというか。ツボにハマってしまったせいで、たまらず、頭の中が?でいっぱいであろう赤葦をぎゅっと抱きしめた。
このとき、俺は知らなかった。抱きしめたのはこれが初めてで、あの時赤葦も笑ったということを。今、赤葦に話された。俺はまた目を見開いた。あの行動はわざとで、もっと近づきたいがためにとったって。俺はまた、その愛おしさに赤葦を抱きしめた。
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