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アウラウラ
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琉姫
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テスト当日
灯はいつもより早い時間に家を出た。1限目が自習の時間とはいえ苦手教科が2つもあるとなると不安でしかない。
電車通学の人は登校中にも勉強できるんだろうな…、いや、そんなこと考えないで早く学校に行こう。
そう思って灯はいつもより早い足取りで学校へと向かった。
「あっ!あかりんおっはよーっ!」
「おはようみは」
「いやーっついにこの日が来ちゃったねえ。しかも2限目から情報とか寝かせに来てるよね⁉︎」
「わかりみが深すぎる…」
「とりあえず前みたいに一緒に確認し合わない?あっ、私ノートまとめてるからそれでいい?」「全然いいよ」
そういえばこの前のテストもみはの分かりやすすぎるノートに助けられたな…。あの時の家庭科はほんとに助かった。
相変わらずみはのノートはわかりやすかった。
ポイントも書いてあるし、情報は大丈夫そ…
「…ん?」「どしたんあかりん」
「これってデジタル画像の計算ある感じ…?」
おそるおそる聞く。
「あぁ〜これ意味わかんないよね。私もここ結構やばいんだけど、答えは選択式らしいからいけるかなって感じ」
そういって美英は困ったように笑った。
(いやまさか計算があったとは…えっと…)
『画素数が横160ピクセル、縦120ピクセルで、赤緑青各色8階調のデジタル画像のファイルサイズが何バイトになるか計算しなさい。』⁉︎まてまてまてまてこんなの知らない)
「あっかりーん、だいじょぶそ?なんか絶望してない?」
「エエット、計算ガアルトハ思ッテナクテ…」
「おおう本当に絶望してる…。あいや、とにかく情報は全部選択なんだから大丈夫だよ!ね!」
「うん、まぁ、当たるように頑張るよ…」
「そろそろ5分前だし、お互い頑張ろうね!」
計算問題の配点がどれくらいかは分からないけど平均超えを狙って頑張ろう…。
生徒たちが出席番号順の席に座り始める。
ペンケースから必要なものを慌てて取り出す人。ギリギリまで教科書を見る人。何もせずに座っている人。
やっぱりこの時間は変に緊張するなぁ。
そういえば今日は朝からアカリを見てないな。
まぁ、美術館にいるんだろうけど。
ちらりと教室の窓を見る。
(…やっぱりいないな)
そういえば、アカリは私の「本当の自分」を探すために来たとか言ってたっけ。
じゃあ、今の私みたいな何もかもに無関心な人間にはアカリみたいな存在がいるのかな…。
なんて、テスト前に何考えるんだろ。
教室に先生が分厚い封筒を持って入る。
前の席の人に問題用紙を配っていく。
あぁ、この地獄みたいな50分がそろそろ始まっちゃうのか。
チャイムが鳴る。
一斉に、紙を開く乾いた音とシャーペンの無機質な音が響く。
カサッ。 ペラリ。 カサッ。
ガサッ。 パラ。
(えっうそ。みんなもう次のページ行ってるの…?)
いや大丈夫。ちゃんと最初は順調だし…。
灯は周りを気にしながらテストに取り組んだ。
「いやーっ、初日から疲れた〜。家帰ったらソッコーで寝るわ」
「まぁ明日は副教科が多いし今日より楽かもね…。それに学校がいつもより早く終わるのは嬉しいな」
「おぉ〜あかりん前向きだねぇ」
なんだかんだテストは大変だったけどこの前よりは自信がある。
ロッカーに今日持って来た教科書を戻す。
いつも間にか教室は灯と美英の2人だけになっていた。
「あっ。今日さ、友達にカフェで一緒に勉強しない?って誘われたんだけど一緒に来る?あかりんも大歓迎って言ってたよ」
「カフェ?んー、嬉しいけどまた今度にしよっかな。誘ってくれてありがと」
「そっかぁ。ま、明日も頑張ろうね!じゃ、また明日〜」
美英は軽くなったスクバを肩にかけて教室を出る。
カフェで勉強。たしかに今の高校生って外で集まって勉強するんだっけ。
「あーかりっ!」
「あっ、アカリ…」
教室に1人になったからか、堂々と出てきた。
「テストお疲れ様っ。それよりいいの?あのミハナチャンって子がせっかく誘ってくれたのに」
「え、まぁ、たしかに行ってみたいけど…。うちのお母さんはそういうの許してくれなさそうだし。こういう話をすると『他の人に迷惑なんじゃない?』とか『今の高校生はそんな感じなのね』とか、すごく現実的な人だから…。」
「んー。まぁ確かに灯のお母さんはそんな感じだもんねぇ。きっとイマドキのノリってのを知らないんだよ!」
イマドキのノリ…。私はすっかり乗り遅れてるんだろうな。
「ま、そろそろ私は戻るね。家に帰ったら今日こそ美術館においでよ!」
「いや、勉強しないとだし」
「じゃあ美術館で勉強すればいいじゃーん」
「机もなければ椅子もなかったけど…」
「うぅ…。しかたない、まぁ美術館に来たくなったらいつでもおいで。あっ、私に会いたくなったらでもいいからね⭐︎」
そういってアカリはウインクをして窓にするりと入っていく。
(さて、私もそろそろ帰らなきゃ)
カバンを背負い、灯は教室のドアを開ける。
それにしても、私ったらみはの誘いをずっと断ってるな。最初の方はお母さんに言っていいか聞いたけど、返事がいつも同じだからいつの間にか断るのが当たり前になってるな…。
いつもごめんね、みは…。
今回のテストの点がよかったらもう一度交渉してみようかな。「イマドキ」ってやつに触れておいて損はないだろうし…。
あっ、。これがアカリの言う「本当の自分」を見つけるってやつなのかな。まぁ、もしもの話だけど。
そんなことを考えながら灯は教室を後にする。