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雫
32
🎀もちたん🎀
5,424
💙「……オメガ、って……。仁人、マジで言ってるの……?」
ソファーから立ち上がった太智の声が、静まり返った楽屋で微かに震えていた。
いつもおちゃらけている彼の顔から、完全に余裕が消えている。
❤️「嘘、だよね……? 仁ちゃんずっとベータとして一緒にやってきたじゃん……っ」
舜太も持っていたペットボトルを握りしめたまま、信じられないというように目を見開いていた。
オメガバースの世界において、芸能界、特に男性アイドルグループの中に『Ω』がいるという事実は、文字通り一発でグループを破滅させかねない爆弾だ。
一度世間に知られれば、いかに人気があろうとも活動休止や解散に追い込まれるケースが後を絶たない。
💛「騙すつもりはなかったんだ……。でも、デビューが決まった時期に、急にオメガとして覚醒しちゃって……。どうしてもM!LKを諦めたくなくて、強い抑制剤で抑え込んで、みんなにはベータだって嘘をつき続けた。本当に、ごめん……!」
仁人は深く、深く頭を下げた。
床を見つめる彼の目から、ぽろぽろと大粒の涙が零れ落ちる。
これまでたった一人でこの絶望的な恐怖と孤独に耐え、リーダーとしてみんなを引っ張ってきたのだ。
その細い肩が、今は限界を迎えたように小さく震えていた。
🩷「仁人、お前が謝ることじゃねえよ!」
勇斗は耐えきれず、仁人の肩をがっしりと抱き寄せた。
そして、楽屋に残る3人のメンバーに向かって、圧倒的な優性αとしての鋭い眼光を向けた。
🩷「全部俺の責任だ。俺は少し前に仁人の属性に気づいた。だけど、仁人が命がけで守ってきたM!LKを、俺も一緒に守りたかったから、フェロモンで隠して、今日まで連れてきた。……文句があるなら、俺に言え」
勇斗の身体から、威圧的なαのオーラがピリピリと漏れ出す。
仁人を誰にも渡さない、誰にも責めさせないという、獰猛なまでの独占欲と庇護欲。
その強い気配に、最初に口を開いたのは、すべてを暴いた張本人である柔太朗だった。
🤍「勇ちゃん、だから言ったじゃん。責めてるわけじゃないって」
柔太朗は小さく溜息をつくと、腕を組み直して歩み寄り、頭を下げたままの仁人の前に立った。
🤍「仁ちゃん、顔上げてよ」
💛「……柔太朗……」
「僕が怒ってるのは、仁ちゃんがオメガだからじゃない。そんなに苦しい思いをして、いつ倒れてもおかしくない状態だったのに、僕たちを頼ってくれなかったからだよ。……僕ら、そんなに頼りないかな?」
柔太朗の声音は、冷徹な尋問の時とは打って変わって、酷く優しかった。
💙「そうだよ、仁人!」
太智が慌てて駆け寄ってきて、仁人のもう片方の肩をぽんと叩いた。
💙「オメガだろーが何だろーが、仁人は仁人でしょ! M!LKのリーダーは吉田仁人しかいないんだから! 隠されてたのはちょっと寂しいけど、そんなのこれから5人でカバーすればいいだけじゃん!」
❤️「そうだよ!」
舜太も涙目を拭いながら、力強く頷いた
❤️「勇ちゃん一人に重荷を背負わせないで、俺らにも手伝わせて。5人でM!LKなんだから誰かがしんどい時はみんなで支え合うのが普通!」
3人の温かい言葉が、仁人の凍りついていた心を優しく溶かしていく。
💛「みんな……っ、ありがとう……、本当に、ありがとう……っ」
仁人は勇斗の胸に顔を埋め、子供のように声を上げて泣いた。
ずっと張り詰めていた「完璧なリーダー」の仮面が完全に外れ、一人の男としての素顔に戻った瞬間だった。
勇斗は仁人の頭を優しく抱きしめながら、メンバーたちに向かって小さく頷いた。
🩷「みんな、ありがとな」
最悪の破滅を予想していた秘密の暴露は、5人の絆をより深く、強固なものへと変えた。
next♡ 2000
コメント
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なーーーんていい話…!!!

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