「…死ぬ気がないなんてあんたにはわかんないでしょ。もうほっといてくれないか」
死ぬ気がない…か。確かにそうかもしれない
死ぬ気があるんだったらもうとっくにここから飛び降りている。
「…私と同じ顔してるもの…」
さよの言葉に僕は?を浮かべる
…さよと同じ顔?どういう事だ?
「どういう事?」
僕がそう聞くとさよは少し微笑みながら
こう言った
「…やっぱりなんでもないや」
とても儚げに、今にもどこかに消えてしまいそうに微笑むさよに思わず見惚れてしまう。
「…そっか。」
僕はこの言葉しか言えなかった。
さっきの表情を思い出すと胸がきゅっと苦しくなる。この胸の苦しさは何なのだろうか。
「おーい大丈夫?」
心配そうに僕を見るさよ。
…なんだろう…凄く…
「…苦しい。」
「え、急にどうしたの…?」
「あ、いやなんでもないよ。…もうそろそろ辺りが暗くなってきてるからさよは帰りなよ」
さよが来ていた時はまだ明るかった。
だいぶ時間がたったのだと気づく
「あ、そう言えばそうだね。じゃ一緒に帰ろ」
「…一人で帰りなよ」
「えぇ嫌なの?」
「い、いやじゃないけど…」
…さよは僕のことをからかっているのか?
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