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私はトイレから帰るとフードコートの私立幼稚園のママ友軍団に合流した、そして暫くして真希のいるクレープ屋にやってきた
「おはよう!真希ちゃん!」
「おはよう晴美ちゃん」
私はいつも元気なクレープ屋さんの真希ちゃんに笑顔で話しかける。末っ子の斗真がここのチョコバナナが大好きでしょっちゅう注文しているうちに、彼女の方から話しかけてくれて、それからとても仲良しになった
真希ちゃんは私と同じ妊娠していて産み月似ている、なのに元気に働いて偉いなぁ~と思う反面若さって凄いとも思う
私も長女の正美を妊娠していた時は、20代半ばでもっとフットワークが軽かった。真希ちゃんも私よりずいぶん年下だ
「ホットチョコレートひとつ!」
「はーい(はぁと)」
カウンター越しに彼女といつも世間話をする。真希ちゃんは突き出たお腹に黄色のクレープ屋さんのエプロンをしている。とても可愛い
「本当はダイエットしなきゃいけないんだけど、チョコレートがやめられないの」
「そんな!妊娠中なんだから、好きなものを食べてれる権利はあるはずよ」
真希ちゃんは鼻にしわを寄せて言った。本当にこの子は可愛い
「旦那はそうは見ないわ、だって妊娠前よりすごく太ったもの」
「でも旦那さん晴美ちゃんを愛しているんでしょ?どんな晴美ちゃんでもきっと大好きなはずよ。昨日の投稿見たわすっごく旦那様とラブラブね 」
ウフフ・・・「旦那の後ろ姿だけだけどね、子供を抱っこしてるあの写真?」
真希が嬉しそうに言う
「私!晴美ちゃんのインスタの大ファンなの、また素敵な画像投稿してね」
「たぶん今晩はポエムと一緒に投稿すると思うわ、楽しみにしていてね」
キャー「うんうん!」
真希ちゃんは私のインスタの熱烈なファンだ。いつも投稿を見てくれて感想をくれる大事な私のフォロワーだ、キャスターの康夫ほどではないけれど私だってこんな風に崇拝してくれるフォロワーがいるんだってことを、康夫にわからせてやりたい
母は言った
「夫婦で(自分の方が上だ)とパワーバランスを競い合う事をすると上手く行かなくなる」
と・・・・
私だって大学時代はアナウンサーになるのが夢だった・・・結局テレビ局の受付嬢止まりだったけど
「ハイ!ホットチョコレート!」
「ありがとう」
真希ちゃんは奥の4人掛けのテーブルを三つくっつけて陣取っている晴美の幼稚園のママ友軍団を見つめて言う
「今日は・・・何の集まり?」
晴美が肩をすくめる
「一人の幼稚園の先生が寿退社するの・・・それでその先生のお別れ会をするんだけど、そのリーダー決めやアルバム係を決めるの、きっと午前中は潰れるわね 」
「晴美ちゃんがリーダーになるの?」
「たぶんね・・・そうなったら色々大変だけど幼稚園のママさん達って、個性強いから私ぐらいしかまとめる人がいないのよ」
クス・・・「それインスタに載せたら?」
「それもいいかもね!良い投稿材料を提供してくれてありがとう」
ウフフ「お役に立ててうれしいわ」
「ねぇ!真希ちゃんの予定日っていつだった?」
晴美は笑顔で真希に言った
「え~と・・・晴美ちゃんは?」
「私は12月8日・・・でも男の子だから早く出てきそう斗真もそうだったから」
「そう・・・私もそれぐらいなの」
「まぁ!もしかしたら誕生日が一緒になるかもしれないわね!」
「そうしたら一緒にお誕生日お祝いしましょうね!」
「そうしましょ!」
そう楽しく真希ちゃんと会話していると、ママ友の軍団の席から熱い視線を感じた、私は言った
「ごめん・・・みんな待ってるから戻るわ!またね」
「うん! 」
:*゚..:。:.
その時真希が去って行く晴美を見つめながらボソッとひとこと呟いた
「・・・予定日・・・12月8日・・男の子だから早く生まれる・・・」