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五年生の夏、陸上記録会
私は陸上記録会に出場する種目に第一希望の高跳びで選ばれた。
そして、さくやくんも高跳びの選手で選ばれた。
狙い通りだ。
私はさくやくんはきっと高跳びを選ぶだ第一希望を高跳びにしていたのだ。
(やったあ!計画通り!!)
毎日、放課後に練習は続いた。
高跳びという競技は思っていたよりもずっと楽しかった。
棒を飛び越える瞬間の爽快感が心地良い。
最初はさくやくん目的で選んだ高跳びだったが、高跳び自体のことも段々と好きになっていった。
ともか「やったあ!自己ベスト更新!」
私も昔からダンスを5年間習い続けてきたため、体のしなやかさだけは長けている。
さくやくんが自己ベストを更新する度にみせた笑顔から私は目を離すことができなかった。
私とさくやくんはどんどん自己ベストを更新していった。
先生「この調子なら、皆入賞するね」
先生のその言葉にさくやくんも私も嬉しさを隠しきれなかった。
記録会当日。
他の学校の生徒がうじゃうじゃいる。
大会など初めてだ。
ずっと胸に熱い気持ちを抱えて練習してきたからこそ、緊張して足が震える。
段々跳んでいく毎に人が減り、棒が高くなっていく。
更に緊張で足が震える。
きっと陽キャであれば他校の生徒とでも仲よくできる。ならば、私は他校の生徒に話しかけて仲良くならなければいけない。
それに緊張もほぐれるだろう。
私は他校の生徒に話しかける。
ともか「緊張するなぁ、もう人少なくなってきたし…」
他校の生徒「緊張するよね!どこの学校なの?」
と他校の子が言う。
会話のラリーを繋げていくうちに段々と親しくなっていく。
震えていた心が段々暖かくなっていく。
これなら、跳べる。
私の番になった。
さくやくんの跳んでいる姿が脳裏でちらついた。
私は軽やかに助走し、 バーを越えた。
その瞬間、競技場全体の景色と青空が視界いっぱいに広がった。
先生「記録1m17cm。」
私は仲良くなった他校の子といっしょに戻ることにした。
彼女も私と同じ1m17cmで終わったようだ。
他校の子「うちの学校の男子、足痛めてるんだよねー、やばい(笑)」
と彼女は言う。
ともか「うちの学校の男子はね、すごいんだよ!絶対入賞できる!」
つい誇らしげにさくやくんのことを自慢してしまった。
きっとさくやくんなら、入賞するだろう。
そう思いながら私は他校の子に別れを告げて、席へと戻った。
席へ戻った時、ちょうど男子の高跳びが始まるみたいでさくやくんが向かおうとしていた。
ともか「頑張ってね!!」
さくや「うん!」
さくやくんの遠くなる背中を見つめながら私は彼なら絶対に入賞するだろうと確信していた。
応援席から男子の高跳びの様子を伺う。
遠くてよく見えないが、順調そうだ。
ともか「が、がんばれ~」
私は頬を赤らめながら叫んだ。
さくやくんは長時間戻ってこなかった。
いい加減待ちくたびれてきた。
それくらい勝ち進んでいるということは嬉しいのだけれど、何10分も観ているとさすがに飽きてくる。
しばらくすると、さくやくんが戻ってきた。
彼はやりきったような清々しい表情をしていた。
ともか「お疲れ様!」
さくや「おう!」
そんなさくやくんが誇らしかった。
帰りのバスで先生から順位が発表される。
(私は10位くらいかなあ…たくさん人が残ってたし。)
先生「ともか!さくや!おめでとう!!ともかは4位でさくやは3位だ!」
ともか「…えっ…や、やったあああ!」
さくやくんも後ろで嬉しそうにほくそ笑んでいた。
さくやくんが私に自慢気に話しかける。
さくや「俺は1m22cm跳んだよ」
ともか「すご!!私と5cmも違うじゃん!! まあ、順位は一つしか変わらないけどね!(笑)」
さくや「全然ちげえよ!(笑)」
私はさくやくんと勝利の余韻を噛み締めた。
ああ、さくやくんは本当にすごいなあ…私より上いっちゃうんだもん…すごいなあ…