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𝗽𝗿𝗲𝘀𝗲𝗻𝘁
ライブ終わりの楽屋…
「今日のギター、すっごく良かった。」
「元貴の声こそ、俺のギターは、元貴の声に導かれてるだけだから」
2人でぽつぽつと語り合う
顔を上げて見つめ合うと、若井の瞳がまっすぐに
僕を射抜いていた。
スポットライトの熱とは違う、もっと個人的で、甘く煮詰まったような熱。
その視線に吸い寄せられるように、僕たちの間にあったわずかな距離がゼロになる。
最初は触れるだけの、羽のように軽いキス。お互いの唇の柔らかさを確かめ合うだけの、挨拶みたいなキスだった。
でも、一度触れてしまえば、もう止められない。ライブで高ぶった感情の続きを探すように、僕たちはもっと深くお互いを求め始めた。
若井の腕が僕の腰を強く抱き寄せ、身体がぴったりと密着する。彼の心臓の音が、僕の胸に直接響いてきた。
「…もっと、若井を感じたい」
僕の唇からこぼれたのは、ほとんど吐息のような、自分でも驚くほど素直な言葉だった 。
その言葉がスイッチになったかのように、若井は僕を抱き上げると、楽屋の奥にある仮眠用の簡素なベッドに優しく横たえた。
見下ろしてくる彼の瞳は、もうどうしようもないくらい愛しさに満ちていて、僕はその視線だけで全身の力が抜けてしまいそうだった。
恥ずかしさで彼の視線から逃れようとすると、若井は僕の頬を両手で包み込み、再び深く口づけてきた。
そのキスはとても優しくて、僕の羞恥心を溶かしていくようだった。彼の指が、僕の身体をゆっくりと、慈しむように滑っていく。
首筋から鎖骨へ、そして胸の突起をなぞられると、びくりと身体が跳ねた。
「あ…っ」
「ここ、可愛いね」
囁きながら、若井はそこに唇を寄せ、甘く吸い上げる。脳が痺れるような快感に、僕はシーツをぎゅっと握りしめることしかできない。
彼の愛撫は、僕の身体がどうすれば喜ぶのかを、知り尽くしているかのようだった。
そして、彼の視線が僕の下腹部へと注がれる。僕は昔から、自分のそこが少し人より大きいんじゃないかという、小さなコンプレックスを抱えていた。思わず身体を縮こませると、若井はそんな僕の気持ちを見透かしたように、優しく微笑んだ。
「元貴のここは、すごく立派で、かっこいいよ。俺は、大好きだ」
そう言って、彼はまるで宝物でも扱うかのように、その熱をその大きな手で包み込む。彼の指がゆっくりと動き始めると、僕の思考は快感の渦に飲み込まれて真っ白になった。
「あ…っ、わかい…、だめぇ…っ、んん…」
「元貴、声、聞かせて?」
彼の甘い要求に、僕はもう抗えない。
若井は僕に覆いかぶさるようにして、準備ができた僕の中に、ゆっくりと自身の熱を受け入れる。最初は少しだけ息が詰まるような圧迫感があったけれど、すぐに彼の存在が僕を内側から満たしていく、どうしようもないほどの多幸感に変わった。
「元貴、大丈夫…?痛くない?」
「ん…大丈夫…、若井だから…、すごく…気持ち、いい…」
「もとき…っ、好きっ!」
「わかい…っ、僕も…、好き…っ!」
視界が白く点滅し、身体中の血液が沸騰するような感覚。若井が僕の奥深くを強く打つと、僕の身体が大きく跳ねた。もう限界だった。
「わか、い…!、い、く…っ!」
「元貴…!一緒に…!」
若井が最後の衝動と共に僕の中で熱を解き放つのと、僕が彼の腕の中で震えながら快感の頂点に達するのは、全く同時だった。全身の力が抜けて、ぐったりと若井の胸に顔をうずめる。
遠ざかる意識の中、僕の髪を撫でる優しい手つきと、耳元で繰り返される「愛してる」という囁きだけが、確かに僕の世界を満たしていた。