❦第三話❦
「あいつっ…」
『明日から楽しみだなぁ!』
王子の言葉を思い出した私は廊下にしゃがみ込んだ。
明日から毎日毎日あの王子に会わなくてはいけない。これほど最悪なことはあるだろうか。
「あのクソ王子…」
私がそう呟くと…
「フッ」
後ろから小さな笑い声がした。
「おっと失礼。」
私が振り向くとそこには騎士のような人がいた。
「だ、誰?」
「私はクリスチアン王子の護衛のアベルと申します。」
「殿下の?」
「はい、あなたの言うクソ王子の護衛です。」
「あっ…」
まずい、やはり聞かれていた。このことをあの王子に伝えられたら、たまったものじゃない。
「大丈夫ですよ。殿下には言いませんから。」
「ありがとうございます…。」
「その代わりと言ってはなんですが、一つお願いをしてもよろしいでしょうか?」
お願い?一体何かしら。酷いものじゃないといいけれど。
「明日から私をあなた様の専属の護衛としていただけませんか?」
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