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サイド キノ
ルネが、モンダイジ団に戻って来てくれた。
俺は、もう二度と仲間の手を振り払ったりしない。そう、決めた。
……だけど、このままじゃいつかモンダイジ団は無くなってしまう。
家に戻ってすぐ、俺はみんなをリビングに集めた。
ルネが、マオが、先陣を切って発言する。
「今回はたまたま間に合ったからよかったけど、毎回こうもいかないでしょ」
「……同じ仲間なのに、関わりのないヤツも多くなってきた。いつか絶対、裏切りが起こってもおかしくない」
「うっ……」
ユズがユメの方をチラリとみて、目を背けた。マオの言葉に思いあたる節があるんだろう。
「……前から思ってたんすけど、この団も金銭的なトラブルに弱いっすよね」
リオも静かにそう言った。
だから、俺は、考えたんだ。どうすればいいのか。
正直、まだこれが正解かどうかわからない。でも、未来のためにできる精一杯がこれなんだ。
「だから、俺は今日を持って、モンダイジ団を解散させる!」
『?!』
驚き、目を見開いたみんなの顔を一人一人見つめて、俺は言った。
「これ以上、みんなを危険な目に合わせたくねぇんだ。だから、」
「ふっざけんじゃないわよ!」
ダァン!と拳で壁を殴りながら、アミは般若の形相で、俺の前に立った。
「だったら、危険な目に遭いながらもルネを取り返した私たちの苦労は、一体なんだったの?!」
「……あたくしも、キノには反対ですわ。だって、今生きていられるのはこの団があったからこそですもの」
ユメもそっとアミの側による。俺に向けて言った言葉は、ルネに言ったことがある言葉だった。
「私が、やっと見つけた居場所を壊すことを、キノは望むの?」
キリが、真っ直ぐ俺を見て呟く。
「悪いが、俺もモンダイジ団はもう解散させるべきだと思う」
「……キノとマオの判断に賛成だなー、俺は。これ以上やったら、いつかは死人が出るかもしれないし?」
まさか、ルネと同じ意見を俺が言う日が来るなんて、思ってもいなかったぜ。
ここまでで、3対3。ここまで意見が真っ二つになるなんて。
「……ユズは、ダイキ兄の言うことが、よく分かるよ。でも……この、モンダイジ団を無くしたくない!」
「オレは……正直、どっちの言うことも分かるけど、自分の気持ちに正直になります!」
ユズもレンもアミたちの方へ駆け寄る。
「俺も、この団がなくなるのは嫌っすけど……生命第一っすからね」
「……解散、は嫌だけど……みんなが危険な目に遭うよりは、ずっといいと、思う」
言葉を選びながら、タエとリオがコッチに来た。
5対5。後意見を言っていないのはトキだけだ。……ここまで真っ二つに分かれると、どちらを選んでも、対立が起こるだろうな。
どっちを選んでも、これはある意味一つの選択だ。どっちを選んでも、これは一つの節目で、終わりだ。
そう思いながら、俺はトキの方を向く。みんながトキに注目する中、トキは徐(おもむろ)に口を開いた。
「…………僕は」