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しかし冒頭で述べた創作物──とりわけ子ども向け学習漫画において、線が細く色白の若者として表現されることの多い義経に対して、弁慶はいかつい体格で描かれています。
そうです。両者のビジュアルイメージは固定されているといっても過言ではないのです。
見た目による圧倒的な決めつけ──この二人が並ぶと義経×弁慶ではなく、弁慶×義経というカップリングがおのずと成立してしまうのです。
それは何故か。
人々はこのカップリングを通じて求めているのです。
「主従逆転」という禁断のキーワードを。
いつもは従者に命令し、時に死地にまで追いやる主君が、夜は従者の腕のなかであられもない姿で攻められるのです。
そこには「背徳感」というオマケもつきます。
さらに奥州行きでは「背徳感」に加えて「死」という要素も見え隠れします。
BL学界においては、シチュエーションを重視しますので、この舞台装置は百点満点と言わざるをえません。
いやがうえにも主従の恋のつぼみが膨らんでいきます。
ところでこの時代、裏切りも日常茶飯事です。
長い逃避行のあいだ、弁慶は義経の身柄を確保して敵方へ引き渡すことも容易だったはず。
何故そうしなかったのか。
忠義といわれていますが、彼らの結びつきはそんな言葉でくくられるものではなかったのではないか。
それが最新の日本史BL学の見解です。
破竹の勢いで平家を滅ぼした、いわば時代の寵児。
にもかかわらず、すべてを失った義経。
弁慶からすると義経を守ってやれるのは今や自分だけという状況に酔いしれることができます。
すなわち「執着」。
義経にしても、自分がどんなに落ちぶれても弁慶が離れていくことはないという圧倒的な自信があるのです。
これを、難しいことばで「共依存」と呼びます。
「執着」「共依存」BL学における重要なキーワードが2つも出てきましたね。
弁慶×義経のカップリングについては、今回でてきたキーワードを重視して勉強してください。
これはあらゆる検定の中で最難関といわれる日本史BL検定を攻略するため、人物の概要とキーワードに基づいて解説する対策講座です。
テーマに沿って掘り下げることで、おのずとそのカップリングの萌えポイントを押さえることができ、理解が深まるでしょう。
次回は、BL学的見地から読み解く新選組のお話です。
予習してきてくださいね。