コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「hey…君可愛いね。…僕とお茶しない?」
渚がウィンクしながら甘い声をかけると、鈴は一瞬ポカンとした後、そっと後ずさった。
「…え、いや、結構です」
「ちょっ…待ってよ!そんなに警戒しないで!」
必死に追いすがる渚だったが、相手は足早に去ってしまった。
「おかしいな…今日の決め台詞、完璧だったはずなのに…」
渚は髪をかき上げて溜息をつく。
確かに顔は整っている。鏡に映る自分を見ても、悪くないはずだ。むしろ、イケてる。なのに――
「なぜか毎回引かれるんだよなぁ…」
試しに友人に相談すると、呆れた顔で即答された。
「お前、最初から飛ばしすぎなんだよ。カッコつけてるつもりかもしれないけど、キモいんだよ」
「キモい!?」
渚は衝撃を受けた。
「この顔で!?俺のこの完璧なフェイスで!?」
「顔はいいんだけどな。中身が終わってる」
「うそだろ…?」
ショックで肩を落とす渚。
しかし、めげないのが彼の長所(?)だった。
「まぁ、愛を学ぶには試行錯誤が必要だからな…!」
そう言いながら、また別の女子に声をかけに行く。
「君、瞳が綺麗だね…まるで深海のようだ…溺れてもいいかな?」
「無理です」
開始3秒で撃沈。
それでも、渚は決して諦めない。
今日もどこかで、彼の迷走は続いている。
「渚。私までナンパするのやめなさいよ。」
「…君は俺から逃げないじゃないかー。かけさせてくれよ…な。鈴ちゃんー」
「何をしているんだい。渚。この僕がモテテク教えてやってもいいぞ…!この美の化身たる僕がね!」
「お前は残念な所以上に顔が良すぎるからだろ!?俺は鈴ちゃんに聞いてるんだよ!?」
鈴は少し黙ってから
「麗は努力してるので…スキンケアとかもちゃんとしてるから。モテ要素はあるわ」
顔はいいんだけどな…この人…
一方鈴は諦めていた。