渚は、鏡の前でポーズを決めながら、自分の顔をじっくり眺めていた。
「…うん、やっぱり俺、かっこいいな」
髪をかき上げて微笑んでみる。完璧だ。これなら今日こそ成功するに違いない。
そう確信しながら、教室の女子に近づき、スマートに話しかけた。
「おはよう、美しい人。今日も君の笑顔が太陽より眩しくて、俺は目を開けていられないよ…」
「…あ、そうですか」
冷めた返事。
「え、ちょっと待って、スルー!?今の名セリフ聞こえなかった!?もう一回言うね?」
「いや、大丈夫です」
バッサリと切り捨てられた渚は、しばらくその場で呆然と立ち尽くした。
「な、なんで…?今の、完璧だったのに…」
「どんまい、元気出して。顔がいいんだから喋らなければモテそうなのにね。」
鈴が渚を励ます。
「ははは。見ていて面白いじゃないか。」
麗が面白そうに見ている
友人が肩を叩きながら呆れた顔で言う。
「お前、マジで自分のことイケメンだと思ってるだろ」
「いや、事実だろ?」
「その自信がキモいんだよ」
「えぇぇ!?自信がある男はモテるって聞いたぞ!?」
「方向性が違うんだよ」
ショックを受ける渚。しかし、すぐに立ち直るのも彼の特徴だった。
「まぁまぁ、恋愛とは試行錯誤…次こそいける気がする!」
「そうよ。渚。私をナンパしないなら何だっていいのよ。ファイト」
「口説き方をもっと美しくしたらどうだ?この僕のようにね!」
さらりと鈴は自分をナンパしたりしないように誘導している。麗もアドバイスする。
そう言って、また渚は別の女子に近づいていく。
「ねぇ、君の隣、俺の指定席にしてもいい?」
「無理です」
またしても即撃沈。
渚の迷走は、今日も止まらない。
「渚、僕レベルのイケメンじゃないとモテないんだよ。弱点があったらね。ふふ。流石は僕…!僕は世界一美しいんだ…!ははは…!」
麗は凄い量のラブレターを見せる。
「くっそ…羨ましい…。」
渚は悔しそうだ。
「ふふ。渚…私もラブレターくらいは貰っているのよ…」
鈴もドヤ顔している
「う、裏切り者〜!!!」
その後、麗は同じナンパ方法で一瞬で成功していた。
「仕草の違いが出てるわね。」
鈴が感心した様に見ている。
「モテテク教えてくれ…麗…」
「ははは。言っただろう?僕に任せろと。仕草も見た目の美しさも学んだ来たのだからな…。僕こそが美…僕こそが世界…!」
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