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シャツを脱いで露わになった胸元が、素肌にぴたりと密着して重なり合う。


まるでフェロモンのように匂い立つ彼の香りに、誘惑され翻弄される。


下半身が熱を孕んで、腫れぼったくも感じられるようで、


耐えられない蜜液がこぼれ出して、太腿を伝い落ちる。


下腹部の間に膝を割り込ませた彼が、グッと力ずくで横に開いて、


「もう、その気に……?」と、私の中心に手をあてがった。


下着の上からなぞる指先に、じわりとまた濡れそぼって布地越しに湿り気が沁み出してくる。


「……もうこんなに濡らして、いけませんね…」


「……あっ…ん…」


中へ入り込んだ指が、ちゅくちゅくと淫らな音を響かせて、よけいにねっとりと粘りけがあふれ出す。


片手の指で、引っ掻くように中芯を弄り、一方の手で首のタイを引き抜くと、


「これで、手首を縛ってもいいですか?」


後ろ手に合わせられた手首が、返事をする間もなく、きつく縛り上げられる。


「……せん…せ…い…」


メガネの外された瞳が、妖艶に煌いて映る。


「……あなたは、何もしなくていいので」


貪り求めるように口づけられ、舌で執拗にねぶられて唇の端を垂れそうになった唾液が、伸ばされた舌先で、じゅるりと舐め取られる。


両手首を拘束され抵抗もできなくて、羞恥だけがただただ込み上げてくる。


私の顔を挟むように壁に両手を突き、全裸に剥いた肌の上を、


首筋から、肩へ、脇へ、そうして足の付け根へと口づけで這い下りていき、


全身に、点々とキスの痕を残した。


「……ん…やぁ…んっ…」


濡れた舌が、そこへ割り入ってくる。


ぴちゃりと湿った音がして、恥ずかしさに腰から崩れ落ちそうになると、


「……開きなさい、足を」


責め句が吐かれて、


また、糸を引くように雫が垂れて、流れ落ちる。


「いじってほしいのでしょう? もっと……」


粘膜を零れ出た愛液が舐め上げられ、ゾクリと両足が震えを放つ。


舌だけじゃなく指でも奥を弄られて、内腿の狭間はざまからの漏れが止めどなくて、


「やぁ……もぅ……」


けれど手が縛られているために、腰を捩ることしかできずに、されるがままに感じてしまう。


「……立ったままでもいいですか?」


頷く間も与えず、皮膜をこじ開けるように中へ押し入った充足感に、


「……ぅんっ」


堪らずにガクガクと震える片脚の膝裏が抱え上げられると、


「奥に、もっと……んっ…いい……」


彼の艶のある声音に、皮膚がふつふつと総毛立って身悶える。


肌にこもる熱の逃がし方もわからないまま、


強く突き上げられる痛みと、身体の芯を揺さぶる快感とで、


「……あっ、ああ…んっ!」


乱れ、声を上げて、絶頂に達すると、


「……ん…っ」


同時に昇り詰めた彼が、私の身体を抱き寄せて、


「……痛かったでしょう? 思いのたけをぶつけてしまって、悪かったですね…」


そう声をかけて、「ううん…」と、首を振って答えた。


「……抱いていて、もっと、」


口にして、ひと息を吸い込むと、


「もっと責めてくれても、いいから……」


自分からキスを求めた。



……もう、わかってしまっていた。責め立てる彼は、妖しく艶っぽくて私をその気にさせる。


責めて官能を誘う彼と、責める彼に欲情をしてしまう自分と……


もう離れられないことが、私自身がわかってしまっていた──。

「責め恋」美形な医師は、サディスティックに迫る

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