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──翌朝目を覚ますと、ベッドに横たわっていた。


「あっ…れ?」


ぼんやりと目をこすると、


「ん…起きたんですか?」


私の傍らで、彼が瞼を開いた。


「私……いつの間に、ベッドに?」


半ば呆然と口にすると、


「ああ、昨夜酔いと快感とで昏倒してしまったんで、ベッドまで抱いて運んで来たんです」


そう事も無げに返されて、一気にボッと顔が真っ赤になった。


「……酔いと快感で、昏倒って……、」彼と初めて食事をしたいつかの時のような失態を、また仕出かしたことに、声を失っていると、


「何も恥ずかしがることなどは。それほど感じてくれたのなら、私も嬉しいので」


寝乱れた髪が手の平でさらりと撫でられて、よけいに赤面する。


うつむいて何も言えないでいる私の唇に、彼が指の先で触れて、


「……そんな顔をしていると、朝からその気になってしまう」


チュッとわざと音を立てて唇に吸い付いた。


「ダメ…朝からなんて……」


自分が裸なことにそこで初めて気づいて、ぎゅっと腕を巻き付けて身体の半分を覆い隠した。


「まだするとは言ってませんが、」


ふっと彼が笑い、


「……してほしいんですか?」


頬が両手で挟まれ仰のかされる。


「……意地悪……」


羞恥に涙目になる私の目尻に唇を寄せて、


両方の手を頬から首筋に滑らせると、そのまま肩から腕へすーっと撫で下ろしていき、


「キスぐらいは、許してくれるでしょう?」


私の手に指を絡めて、組み合わせるように握った。


握られた両手から彼の体温が伝わってくる。


「……ん…」


目の前で睫毛が伏せられて、唇に柔らかく口づけられると、


身体がその先を期待して、熱く高ぶってきてしまう。


「……や、ん…」


抱えられた腕の中から身を捩って抜け出そうとするけれど、


さらにきつく背中が抱き締められ、


「……逃がさない」


もうじんわりと濡れてきている脚の狭間に、片足をぐっと押し込まれた。


「…い…やっ…」


「キスだけですから」


言い聞かせるように口にして、舌先を口内に割り込ませる。


キスだけなのに、我慢し切れなくてシーツに漏れて沁み出してしまうのを感じる。


勘づいた彼に、「……キスの先も、お望みですか?」尋ねられて、


頭を横にふるふると振りたくった。


昨日の夜の気怠さもまだ身体に残ったままなのに、朝からこれ以上をされたらどうにかなってしまいそうで……。


「……気持ちが、顔に表れやすいですね」


そっと口づけて身体を離すと、


「しませんよ。あなたが嫌なら」


彼は喉の奥でくくっと笑った。


「……意地悪……」


それしか言えない私に、



「意地悪がしたくなるのです。


あなたが、可愛いので」



臆面もなく言って、またふっと微笑を浮かべる彼に、私は真っ赤になるしかなかった……。

「責め恋」美形な医師は、サディスティックに迫る

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