シンデレラ→橙青(BL)
僕は青。この城の嫌われ者。
義理の母と姉に毎日毎日、こき使われ家族ではなく執事の様な扱いを受けているんだ。
辛くて辛くてたまらない。昔はこんなんじゃなかったのにな、、
「青っ!朝食の用意をいなさいッッ!」
「分かりました。お姉様…」
1日に1回は母か姉の怒鳴り声が響く。
自分でやれば良い事を、3階にある僕の部屋……物置部屋までわざわざ大声で伝える。
「青!!はやくしなさいっ!」
僕は急いでドタドタと階段を降りた。
降りると、お義母様とお姉様の冷たい視線が刺さる。
コソコソとキッチンへ向かい、料理を始める。
何だか、時計のカチカチとなる音が僕を急かしている様に思えた。
ーーーーーー
昔は母と父で暮らしていた。義理なんかじゃない本当のお母さん。
とっても仲が良い家族だった。
でも、お母さんが病気にかかってしまったんだ。
僕はなぜかお母さんなら大丈夫と、油断していた。
ある日朝起きると、お母さんの病状が悪化していて、お医者様からは、
「今夜が山場かもしれない」
こう言われてしまった。
突然のことで頭が真っ白になる。
だけど、僕はまだお母さんなら大丈夫、なんて呑気なことを考えてしまっていた。
そしたら、お母さんは呆気なくこの世を去った。
僕は、それはもう立ち直れないくらいに深い傷を負った。
それからしばらく経った時、お父さんが新しいお母さんを連れてきた。
僕は信じられなかった。
お母さんは1人。これはお父さんと僕の共通だと思っていたから。
それでも僕は、僕なりに受け入れようと頑張った。
新しいお母さんは2人の娘を連れており、僕の姉に当たる双子だった。
「よろしくね」
ニコリと微笑んで見せたが、返されたのは冷たい目。
初めから僕のことが嫌いだったみたい。
それが今の母と姉。
ーーーーーー
「青。私達今日は舞踏会にいってきます。あなたは行かせないから家のこと、頼んだわよ?」
朝食の途中、お義母様が言う。
どうやら、王子様がお妃を探す為の舞踏会らしい。
僕も行きたかったな、、
もし結婚出来たら、この家を出て行けて、しかも夫は王子様。
こんな素晴らしいことないよ…
夜になると、リビングが少し騒がしかった。
見に行くと、気分にのった母と姉が。
「青、後ろのチャックを閉めてください」
それでも、僕への命令は忘れない。
僕は、1人ずつドレスのチャックを閉めていった。
母は紫のドレスを、姉は黄色・ピンクのドレスを着飾っている。
ドレスの準備ができたら、今度は馬車の準備を任された。
僕は、仕方なく門へ向かった。
「お義母様、お姉様、馬車の準備が出来ました。」
その言葉を聞いた3人はケラケラと笑いながら僕の横をすり抜け、馬車へと乗っていった。
「あぁ、今日で私の婚約が決まるのよ!」
「何を言ってるんだい。私が王子様のお妃よ」
口喧嘩を始める、2人の姉。
多分無理だろうけど、チャンスがあるだけ羨ましいよ。
「行ってらっしゃい、」
顔も見たくなかったから、早めに一言告げてこの場を立ち去る。
部屋に戻るわけでもなく、僕は裏庭に行く。
ここは、落ち着くんだ。
しばらくすると、馬車が発車される音がする。
舞踏会へ出発したんだ。
僕はシクシクと涙を流した。
「僕は何かしたのですか?…なぜこんなことに、お母さん…帰ってきて、」
叶わない願い事を口にする。
叶わないと分かっていても言わないと気が済まない。
「可哀想な青。」
突然後ろから声がする。
「なにッッ!?」
驚いて後ろを振り返ると、僕の知らないお婆さんが立っていた。
なぜこんなところに?僕の名前呼んでたよね、
「わたしゃいつもお前さんをみておったよ、可哀想な子じゃ」
いつも見ていた?ここで、?
「今日開かれるあの舞踏会に行きたいんじゃろ」
「は、はい」
「わしに任せるんじゃ」
古びた口調で淡々と話を進めていくお婆さん。
任せるって、何をなの?
不思議そうな僕の顔を見てニヤリと笑うと、なぜか動物達を集め出した。
そして、持っていた棒?みたいなので動物を指す。
すると、みるみる変身していく動物達。
ネズミは馬車をひく白馬に、犬は僕の従者へと変わった。
「ま、魔法なのですか?」
「まあそんなところさ」
すごい、がもう1つ作らないといけないものがある。
「馬車はどうするのです?」
「そうだねぇ、何かないかい?」
質問を質問で返され、少し戸惑う。
思い返すが、家に使えそなものはない。
「僕、探してきます!」
僕はそう言い、家の中を探し回る。
だが、本当に何もない。
もう、何もないと正直に伝えよう、と決心してまた裏庭に向かう。
向かう途中、裏庭の近くの部屋に何かを見つけた。
コメント
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紫と黄色とピンクのドレスで吹きました、すみません() 凄すぎて、自分のふとももぶったたきました(ガチめにw
や っ ぱ 天 才 だ よ ね ! ? 最 高 す ぎ る 👀 ✨