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もう、胸がぎゅってなった……「死なれたら困るんだよ」って言う隊長の不器用な優しさと、それに対する「貴方の為なら地獄にでも」ってかおるの執着が重すぎて美しい。意識戻った直後の切迫した空気と、最後の静かな狂気のギャップがたまらなかったです。続き、めっちゃ気になります🌙
体がやけにだるく、手先の関節から足先の関節までもが動かすことができない。今自分がどこにいて、何をしているのかも忘れかけて、頭の中が真っ白だった。肺で呼吸する度に血が臓器に染み込んでいくのが全身を伝って感じ取れる。心拍数はみるみる上昇していき、突然喉が締め付けられるように苦しくなった。死を覚悟して僅かに空いていた瞼を閉じようとした。
「……る、…か……ッる………」
誰かを呼びかける声。聞き慣れた低音ボイス。と同時に、心臓がリズム良く圧迫され手首で脈を測られている、気がする。思い出せそうで思い出せない声。誰だ。誰が、誰を呼びかけているんだ。
「お…、る…か、お、…る」
「かおるツ、!かおる!!」
「…っはッ、”!!」
「意識が戻ったな」
目の前には真澄隊長と応援で駆けつけた偵察部隊。普段怪我の少ない真澄隊長の手は何故か血まみれで顔にはかすり傷が数え切れないほどにあった。何があった。僕はなんで意識を失っていたんだ。
「あの…僕…」
「俺を庇って落っこちたんだよ。5階建てのマンションからな。」
嗚呼思い出した。確かこちらが動き出す時に迫り来た桃に気づかなかった隊長を庇って落っこちた。壁を蹴ってなんとか地面に着地するまでに衝撃を最小限にしようとしたがその努力も虚しく当たり所が悪く意識を失っていた。
「たく、落ちるならケガしないようにしろよな」
「迷惑かけて申し訳ありません…い”ッ、」
赤く染った腹を抑えながら起き上がろうとすると背中を強打した時の衝撃が再び訪れた。
「無理に起きようとすんじゃねえ。今医療部隊が担架を持ってくる。」
辺りを見渡して真澄隊長は再び桃が来ないか偵察していた。ポケットに入れていた血の小瓶は奇跡的に割れておらず、振って確かめてみると桃の気配はなかった。
「一時撤退だ。今なら桃が来るような気配も無さそうだしな。」
自分よりも強く、信頼できる人がいることが如何に安心できるか今理解できた。もうこんな思いはしたくない、させたくない。
「隊長」
「あ?」
隊長の手首を掴んで今にも血を吐き出しそうな痛みを堪えて。
「僕は…、死にません。絶対に。」
「何言ってるんだお前は。」
笑いと怒りを混じり合わせたようなトーンで隊長は答えた。
「死なれたら困るんだよ。お前には。」
僕は死にません。でも貴方に死んでくれと言われたら喜んで飛び降りでも首絞めでも致しますよ。そう、貴方の為なら。
fin
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