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僕の名前はドイツ 会社では働き者として知られ、上司としても信頼していた。最初の頃は順調だったが、最近は金が尽きそうで困っていた。
「そろそろ副業しようかな......」 思わず口にした独り言に、隣の席から声が飛んできた。
「あら、ドイツ。最近、少し痩せてない?」
声の主はフランス。会社で最も美しい女と呼ばれる彼女は、いつも僕のことを気にかけてくれる。
「全然、大丈夫ですよ、フランス」
「悩みとかあったら気軽に相談して」 少し迷った末に、僕は打ち明けた。
「.....最近、金が尽きそうで困っているんです」
フランスは静かにうなづいた。
「だから副業探しに力を入れすぎているんですね」
そして彼女はふと思い出したように言った。
「ねえ、だいぶ前にイギリスが探偵事務所を作ったって知ってる?」
「え!?そうなんですか!」
イギリスといえば、会社の階級で最も高い地位を持つ人物。その彼が密かに探偵事務所を開いていたなんて。
「......入ってみようかな?」
「でも採用率はほぼゼロよ。あいつ、直感で選ぶから」
それでも胸の奥が高鳴った。
「でも僕はすごくワクワクしているんです!探偵は子供の頃から夢でした!」
フランスは驚いたように目を見開いた。
「そうなの!?」
「よく働く人が事務所に入ったら、イギリスさんも喜ぶと思います!」
その日の退勤はいつもより早かった。 フランスの応援を背に、僕は面接の準備を整え、事務所へと向かった。
面接室に入った瞬間、空気が張り詰めた。 「君がドイツ君だね。うちの事務所に来てくれてありがとう」 イギリスは紅茶を入れ、穏やかな笑みを浮かべていた。だが質問が始まると、空気は一変した。
「ところで、なぜここには入ろうしたの?」
「事情があって...お金を稼げないと生活ができないからです」
「悪いが、君をここには入らせない」
「な、何でですか!?」
「目的は稼ぐことだろう。そんなものならほかでもできる。探偵事務所を甘く見る人間は、ここには必要ない」
絶望が胸を締め付けられた。だが諦めるわけにはいかなかった。
「.....さっきの発言はごめんなさい。でも、昔から探偵になることは夢だったです。事件を解決するのは得意です。大学でも学びました。どうかお願いします!」
強く握りしめた拳に、イギリスはしばし沈黙した。そして条件を突きつける。
「試しにこれを解いてみろ」
渡された資料には、ロンドン郊外の古い下宿屋で起きた連続怪死事件の記録が記されていた。 死因は不明。人々はそれを呪いと呼んでいた。
「その呪いを解くために、君一人で解決してくれないか?」
突然の難題に心が揺れたが、すぐに答えた。
「責任をもって解決します」
イギリスは口元をわずかに緩めた。
「良い度胸だ。...あ、それと期限は三日以内だ。事務所は忙しいからな」
「わかりました」
事務所を出ると冷たい夜風が頬を撫でた。
これから自分はどうなるかー不安と期待が入れ混じる中、僕の探偵の第一歩が始まった。