テラーノベル
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ガッコの白昼劇よ、永遠にー
スネ夫はいつも彼の後ろを征く! 今日も明日も虐めがいがあるアイツを……ククク。剛田武、骨川スネ夫、源しずかの為に世界平和の調教を始めよう。覚悟しろ眼鏡! 学校では英語の授業中、紙ヒコーキで頭に刺す! 暇人のからっきし三級品風情! 裏山にて待つ、差し詰めゲーム・ウォーの真骨頂……それでものび太は現実の課題に立ち向かうー
「いじめなんてかっこ悪い」
「黙れ! お前なんてずっとピーピー泣いてろ!」
「やれジャイアン様、下僕ごときが何を言う!」
「そんな人間は神様のお仕置きを受ける……まともな大人になれないんだ」
「馬鹿がうつる、体裁だっ!」
空気砲触発! ドカンっとド派手な音が二人を尻もちさせてぞろぞろと山を下る。。悪党成敗! 僕も甘すぎる、こんな性格を直したくてドラえもんと出逢えたんだ……他意は一切無い。
「ごめんなさいの一言も言えないのならヒトをやめてしまえ」
「痛ェよ~、母ちゃ~ん!!」
腹を抱えて仰け反るのび太はその敗北姿をポラロイドカメラで写真を撮った。放け、それは分かってるか弱虫軍団!? ストレス解消は胸がス―ッとしたね、グッドホルモン☆ スネ夫は必死に痛みに耐えて横ばいになりながら転げ回っている。
「立てよ親友。毎日の事だろう」
「……」
形勢逆転? どうしてくれようか。
「人の心の痛みを知ったか」
「僕等が悪かったです、でも仕方が無いんだ! 調子に乗るのが一番駄目なことくらい分かってるんだよ……!!」
涙目になって良心に語りかけて来る、さっきとは手のひらを返したように! どこまで屑なんだ、お仕置き!!
「ドラえもんに叱られろ、嫌というほど!」
「痛い痛い、ひぃっ!!」
二、三発では頑丈なスネ夫はびくともしない……もっと根本的な解決方法を伝授せねばー今日はこれを覚えろ!
「君はその程度の過小評価を下す。それが社会から見た点数」
44点の落第赤点! 不吉な数字は僕と関わった罰と罪、帰ってママに慰めろーのび太は達観した精神の篝火を消さずに闊歩しては去ってゆく……スネ夫は哭いた、嫌というまで。
「……というのが今日の二人だね」
漫画雑誌を読み耽るドラえもんは煎餅を食べながら空気砲を四次元ポケットに仕舞った。調子に乗るのはいささか不届きだな、君も強情で勝気な態度ができるまで立ち直ったね……彼を認めよう!
「で、もう一人は?」
「さあ? 八百屋の店番を歯を食いしばって立小便でも我慢してる頃合いさ」
小学生のケンカなんてその程度、第三者からの目線も必要。相変わらず平然としてるな青タヌキ。このドラ公、部外者って……
「? 何、じーっと見て。ボクの顔に何か??」
「秘密道具を貸してくれるのはありがたい。けど」
「けど?」
「僕がこんなに幸せな現実‐REAL‐をもっと喜べないのか? 親友B」
? そういう系ね。君の幸せ=ボクの愛情、“今”が悦ばしき瞬間、夢じゃ無いー総て本物。そうやってセイコウ体験を増やして大人の階段を昇って良い思い出を作ってゆくんだ……のび太君、きみはとても耀いてるよ。眩しい後光が射すほどにー
「記念に一枚。笑って~とびっきりの笑顔で、ハイチーズ!」
「エヘ。君にはいつも感謝しているよ、どらやきでも買ってこようか?」
「いいよ。お腹一杯だ」
二人は部屋内でリラックスをしていた、なんたる平和な一コマ。野比家は安泰だ……あとは安定した仕事と彼女とお嫁さんだけ、かな?
「さあ、気分が晴れやかな内に宿題を」
おk! 変わったなあ……ドラえもんは彼の背中が頼もしく見えた。親心、友情? どっちでもいい。良い感じになればイイんだ、真夏の太陽はじりじりと爽やかな昼下がりを讃美歌の如く聞かせてくれた……1階からママの呼び声。
「ドラちゃん、お客さんよ」
ボクに? 珍しいな。のび太君の邪魔に成らないように静かに階段を降りた、その先には……
「やあ。野比君の親友、お近づきのしるしに高級な「どらやき」を……一期一会は大切にね」
「君は確かっ」
スネ夫だった。何食わぬ顔をしてニコニコと笑みを浮かべている。何か用なの? その一言を聞いて瞳を輝かせた、温室育ちの立ち振る舞いの良さで懇願し始める……
「突然なんだけど、家の水道管が破裂したんだ。業者を呼ぼうにも隣町まで出かけてて今日中には仕事できないって……お風呂も入れないし茶碗も洗えないよ」
「それは大変だね!」
玄関口での軽快なトークは弾む。のび太君の知る由も無く……ノートと睨めっこする彼が関係してるのか? 空気砲の弾を浴びた腹いせかな、まさか。
「君のお腹のポケットの秘密道具を貸してくれたら二倍の工事費を払うよ、と言ったらどうする? 惨めな僕を助けてくれるかい親友」
ドラえもんは即決した。二つ返事で首を縦に振る……「もしもボックス」の出番だね!
「ありがとう! 早速家に帰らなきゃ、パパもママも親族すら心配してるんだ。骨川家の一大事さ」
「早く治ると良いね。ゴメンね、様子も見れなくて」
スネ夫はオーバーリアクションで手振り身振りを交えて頭を下げる。
「用が終わったらすぐに返す、1000%約束するよ。じゃあ急ぎの用なんで……もう一人の心友にも宜しく」
嵐のように去って行った彼はどこか物々しく思えた。気の所為かな? のび太君の歓声が聞こえた!
「終わったぞ~、さてと遊び尽くしますか。ドラえ……」
反応がない。お客さんの対応で追われてるんだろうか? ママは手料理を作ってる最中だった。
「骨川君よ。のびちゃんには用は無いって」
聞き捨て成らない台詞! あいつの事だ、演技の仮面でも被って【情の泣き落とし作戦】決行したのかも!? ドラえもんが危ないー
「あれ? いない……マズいな。また虐めの仕返しか!? 陰気臭くて執念深い男、女々しいったらありゃしない!」
何処で道草食べてる? 僕等の友情を裂くのか悪党の小童、空気砲をお見舞いせねば! 御ふざけには調教が必要ー豪邸に戻ってたらふくお菓子と美味しい御膳をご馳走するって魂胆だな。させるか! スネ夫の家はこの道を一直線、タケコプターの倍速をスピードに乗せて早占拠する気……あいつの考えそうな事だッ
「さあ着いた。ここが僕の家さ」
シャンデリアに深紅の絨毯、仄かにかほる香水‐パフューム、微かなBGMの心地よい音色。もしもボックスの出番かも?
「身体は正直だよ。な、相棒」
あれ?? 眠くなってきた。故障カナ……ドラえもんは玄関先で倒れ込んだ、スネ夫がほくそ笑む。お腹の四次元ポケットを弄り秘密道具を漁り尽くす決定的な瞬間!! 嫌な奴ー我ながら悲しい性と運命を司る漢だよ、ククク。のび太の声がする!
「そんな事させないぞ、勝負だスネ夫! 意地汚い心の穢れた持ち主なんかに“彼”の良さが分かるものか!!」
空気砲を翳し脅してくる。土下座して謝れ、野比のび太ー
「何てキチガイだ。神様が怒るぞ!」
「お前なんか高嶺の花なんだ、幸せなんて良心の有る僕にしか訪れない事実ーさもなくばッ」
ド派手な音をしてその場に倒れ込むのび太の意識は遠のいてゆく……セワシとドラミがマークしている。タイムマシンに乗ってやって来た天使の使者がご主人様のピンチに現れた、説教タイム!
「骨川さん、なんて往生際の悪い……何が何でも分かり合えない腹黒少年の奇行は見て見ぬ事なんて出来ないのよ!」
「無駄だよ。そういう系ーこの人に愛なんて似合わない。ドラミちゃん、手加減してヤっちゃいな」
どす黒い雰囲気に染まりつつある現場は2対1の意地の張り合いの戦いー人間なんて醜い動物、最大の霊長類が聞いて呆れる……ドラミの正義の鉄拳、秘密道具№777!
「じゃん剣。行けー、最初はグー……」
身体が切り刻まれる!! セワシはのび太とドラえもんをスモールライトで小さくして安全な場所へ運び出す。救出劇成功。スネ夫は一撃でその身と心がばらばらに砕かれた、断末魔も利く暇も無い!
「……」
「命まで奪わないわよ。最も、アナタなら一思いにって常套句で縋るだろうけどね」
高級住宅の危ない遊戯が心の太陽を晴れ渡るオモイに清々しき感動を生む……のび太は目を覚ました、いつもと変わらぬ自分の部屋に一人。
「ドラえもん、大丈夫なの!?」
置手紙が一つ。何々? この文字はドラミちゃん……
「電報みたいだな。やはりスネ夫の悪行だ、罪と罰を背負わせなきゃ僕の気が済まない!」
三人は未来の国で傷を癒しているに違いない、全部アイツの所為だ! ヒステリックな証拠ーやりやがったな、少年院でゲンコツ確定! 標的の変更→木偶の坊のガチンコ・リベンジ!
白日&希望へのプレリュード
「僕等の友情を踏み躙った。絶対にタダじゃ置かない、ジャイアンに強襲を掛ける!」
虐められっ子の反逆……ギャフンと言わせてやる、僕の篝火が消えない内が良い警告だぞ。もう達観した。お仕置きの秘密道具ー大喧嘩の上、これは正義の神の怒りだ! 門番の秋田犬のおさむがのんびりとドッグフードを食べている、飼い主に似て下品な犬っころ!
「スネ夫は負けを認めたぞ。次は君の謝罪のターンだ、どうする。また母ちゃんの出番か?」
ジャイアンは妹のジャイ子の漫画のアシスタントに忙しく見えた。スクリーントーン何番だ? 何処の出版社に投稿する気だ? 話のネタは尽きない……
「漫画家でも目指してるの? 君がか、ジャイ子」
ベレー帽を被ってはGペンの先にインクを滲ませた可能性の蕾が可憐な少女漫画を描いていた。何て綺麗な主人公のヒロイン♫ 才能ってものは不思議だ。
「のび太。お前の事なんてどうでもいい、愛する妹の為なら何度でも罪と罰を償ってやる」
「忘れたとは言わせないぞ! 虐められる方が根に持つんだ、御免なさいと態度で証明しろ!」
「断る。俺達は忙しいんだ、帰れ」
ジャイ子は僕の未来のお嫁さんの並行世界の別ルートを加味して口を開くー
「御年7歳……個人の資質に年齢は関係ないわよ。早い内に行動しろってね」
「そういう系……? なるへそ。見せろ、一番最初の読者になってやる」
「おーい! 論点がずれてないか? ボクだよ~」
ドラえもんがネジを外しながら駆け寄って来る。もう胸の怒りの灯火も消えかかっていた……へえ、送るだけは有るな((+_+))
「新人賞なんて画力だ。持ち込みにでも新幹線で行くぞ、俺も付き添う」
ジャイアンは兄貴面で彼女を叱咤激励しては応援する……急にそんな場面見せられたら説教の気持ちも遠のいた。ドラえもんが秘密道具のスタンバイをしていたー
「スネ夫はくたばった。ジャイアン、今なら許してあげるよ……0.1%でも謝罪する気はあるか?」
「ああ。今朝はごめん、やりすぎたー妹の前で無様な態度は取れないからな」
ジャイ子がペン入れを終わらせた! 少女漫画のタイトルは名付けて「ともだちげーむ」!
「早速郵便局に行って来よう。どけのび太」
トモダチゲーム? 僕等の事言ってるのか、実体験から生まれた作品。小学館、講談社、集英社、秋田書店etc……会社先は分からないけど、結果が楽しみだ。ドラえもんは優しく笑顔になったー
「夢を持つことは良い事だ。でも、君の兄は人の気持ちを踏みにじったんだよ、ボクの大切な親友をね」
秘密道具№9、「メガホンソウル」!
「これは架空のキャラクターに生命を吹き込むものさ。ジャイ子ちゃん、君の作ったキャラクターがお兄ちゃんを叱るんだ、判るだろう?」
ジャイ子は即座に道具を使った、ヒロインと恋敵の女の子達が実体化してゆく。奇跡の対峙、二次元からのお叱りの言葉の説教だった。
「22世紀は機械とヒトが仲良く暮らしてる近未来なのよ、争い事や戦争なんて古臭いその場しのぎの痴態。大の大人が恥ずかしいわね」
「短気は損気! 謝って握手のボディタッチから温もりを伝え合う信頼関係の再々構築→笑顔のハッピースパイラル」
ジャイアンはセワシの説得に応じている。ズバッと解決……良いキャラクターの心地よい台詞回し♪ 第三者からのジャイ子の援助の手ードラミが駆け寄り「もしもボックス」で電話応対した。
「全部この秘密道具でよくない? 夢の実現内容を言えば何でも叶うよ」
のび太の元も子もない発言……ネジの外れたドラえもんがナイスフォローを入れて倒れた。【雨降って地固まる】ジャイアンの母が店番から顔を覗き心配そうに皆に渇を入れるー
「人生いろいろ、一度や二度の失敗にへこたれるな! 少年よ、大志を抱け!!」
「……」
「もういいや。とりまこの道具貸して、「もしもこの世界に喧嘩や戦いが無くなったら」!」
目覚めた地球全土にまで行き渡るのび太の叫びが真の和平を約束した。空き地を跳ぶ蝶々、花や草木にまで想いが届く!
そしてー
「で、気は済んだの?」
「あの一言で皆言うことを聞いてくれたんだ。しばらくこのまま、これチョウダイ」
「駄目。壊しちゃ困るからね」
あの日々は二度と巡って来ない……しずかちゃんの後押しも有って無事解決☆ 子供なんて狭いエリアでのキッズ・ウォーの日々。ドラえもんはのび太の幸せそうな横顔をただ眺めていたー
「宿題の無い世界を言うんだろ? 甘え過ぎ!」
「あーあ。バレちゃった」
差し詰め激薬のスイッチ……調子に乗り過ぎ、テヘ!
「可愛く言っても駄目なものは駄目」
そんな毎日の日常ー野比家は幸せだった。新世界のハッピー・エンドは確かに僕の中で活き続ける……世の中そんなに甘くない、心を鼓舞しよう! ジャイ子の漫画は一作目、これから何百作と描く天命。人にはそれ相応の進むべき道標がある!! 君に教えられた事だった。さてと勉強勉強、宿題も片付けよう!
スネ夫、ジャイアン! 僕の洗脳を受けろー続きはまた別のお話。
約束は、オルゴールと掌の羅針盤まで
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