侑目線
「侑君ー、寸法図らして〜」
寸法?なんで?
「何に使うん?」
「文化祭の服作るんよ!とびきり可愛ええの作ったるからね! 」
あ、そういうことか
「可愛ええのなんて作らんでええから!
シンプルなのがええの!」
侑はフリフリが似合うでー!
猫耳もつけたらええんちゃう?などとクラスメイトが茶化してくる。盗み聞きは良くない。
「外野うっさいで!!」
なんてツッコミを入れればどっと教室が笑い声で溢れる。
ワーキャー騒いでいる間に女子がテキパキと寸法を図っていく。メイドは確か7人程だったから7人分の服を一から作るとなると相当な時間とお金がかかるだろう。
女子も大変やな。
いくら性格公認ポンコツでもそんぐらいの事は考えてるんやで。
誰がポンコツや。
しばいたるわ。ボケが。
心の中でつまらないボケとツッコミをかましていると教室の外から嫌という程聞いている声で名を呼ばれる。
「ツム、何しとん?」
あ、これはまずい。何とか言い逃れなければ。
「あぁー、いやー..これは..」
「あ!治君やん!」
「ほんとだ!何しに来たんー?」
女子が一斉に治の方へ行く。たまにはやるやん。普段は鬱陶しいけど。
よし、今のうちに逃げちまえ。治にバレないように身体をかがめながらそろりそろりと進んでゆく。
「あ!ツム逃げんなや!」
あ、バレた。でも女子が邪魔で身動きが取れない治にはもう俺を止めることはできない。
「残念やったなー!悔しかったら捕まえてみろ..ぶッ!」
治の方を見ながら走っていたので前方に意識が行っていなかった。
「いった…」
「廊下は走ったらアカンで、侑。」
声を聞くだけで誰かわかった。一瞬で全身から汗がふきでてくる感覚、そう、北さんだ。
「ぁッ..す、すんません..」
無意識で正座になってしまう。1番ぶつかりたくない人にぶつかってしまった。
「前も見ずに走ったら危ないやろが。侑は体格もええんやから女子にぶつかっとったら怪我させるかもしれへんで。」
全くその通りなので何も言えない。
その後も淡々と正論をぶつけられ、侑はヨレヨレ状態で午後の授業をうける事になったのだった。
もし侑と北さんがぶつかったら絶対北さんが倒れるのに…身長考えずに書いてしまった😭ごめんなさい。
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