ザァァァ____(風の吹く音)
「ここが、クールハイト学園か……。」
今ここに 1人の少年の学園生活が始まる__!
ガラガラガラ……(馬車の走る音)
少年が不安そうな顔で窓の外を見ている。
「どうかされましたか、坊ちゃん?」
馬車に同乗していた茶髪の女性が少年に話しかけた。
「あっ、!いや、その、僕、学園で上手くやって行けるかな、って思って…」
坊ちゃんと呼ばれた少年が答えた。
この少年の名前は「レイ・サンプソン」レイが向かっている先は魔界一の学園「クールハイト学園」だ。生徒数は5200人。悪魔や獣人、魔法使いなど、様々な種族が通っている。また、階級も様々で、貴族の息子や、普通の家庭の子供がいる。レイは、貴族の息子であり、魔法使いである。
「坊ちゃんなら大丈夫です!きっと素敵なお友達も沢山出来ますし、坊ちゃんの大好きな本も沢山ありますよ!だから、安心して登校してください。」
茶髪の女性が答えた。この女性は、サンプソン家に使えるメイドであり、SPである。名を「アプリコット」という。鹿の獣人で、彼女の蹴りをまともに受けると全治4週間ほどの怪我を負う。
「…うん、僕頑張るね!アプリコット!」
「はい!頑張ってください、レイ坊ちゃん!」
コンコン (扉を叩く音)
「坊ちゃん、そろそろ学園に到着致しますよ。」
馬車の窓の外から、赤茶色の髪をした男性が覗き込んで言った。
彼は、アプリコットと同じくサンプソン家に使える執事兼SPである。名を「ルビー」という。種族は悪魔だ。クールな雰囲気を纏っており、大抵の事はこなしてしまう、有能執事である。
「もう着くのか……。」
レイは複雑な顔をした。
「そんなに心配なさらなくても。既に、アプリコットにお聞きになったでしょう?きっと坊ちゃんの性格ならすぐにお友達が出来ますよ。」
「うーん、そうかなぁ」
「さぁ、そんなことを言っている間に学園に着きますよ。そろそろ降車のご準備を。」
レイは窓の外を覗いた。
「わぁっ……!」
目の前には巨大な城の様な建物が広がっていた。この建物こそが、クールハイト学園である。
ガチャリ (馬車のドアが開く)
「「行ってらっしゃいませ」」
「行ってきます!」
レイはルビーとアプリコットに見送られ、学園の門をくぐったのだった。
〜続く〜
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