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⚠︎注意事項は第1話。
⚠︎傘音_葵香🫧様との合作です。
⚠︎こちらは第7話です。先に1〜6話を見ることを推奨します。
⚠︎2、4、6話は傘音_葵香🫧様の方で見ることができます。
ワンクッション
⦅sha視点⦆
かきかき、と報告書を書き進みていく。
とりあえず一通り教えてもらったので、なんもなくやり方は分かる。
途中で手が止まる。
ふと、ゾムの言っていたことを思い出した。
sha「仲間のことを忘れへん……か、」
そう、独り言を呟いた。
また、ゾムの言っていたことを思い出す。
【……彼奴はきっと、……お前を待っとる。】
どういうことなんやろ…、
俺を、…待ってる……
……なんで、…なんで待ってるんや…、?
何のために、??なんで、俺を………。
どこかで……会った…、?
また、昔の記憶が蘇る。
いつの記憶かも分からない、遠い遠い、昔の記憶……。
「はーやーく!こっちこっち、!!」
『ちょ、もうちょっと待ってぇやぁ、!』
子供の頃の俺…、?と、顔が黒いクレヨンでぐちゃぐちゃに塗りつぶされたかのような少年が草原を走っている。
俺の後ろの遠くの方には、いっぱいの花畑が広がっているようだ。
『ほんっと、しゃおちゃんは足速いなぁ…、』
「っへへ!せやろ?━━には足の速さ負けへんからっ、!」
「ほらっ、!はよ行くぞ!」
『だから待ってやぁ、!! 』
sha「っは、……」
ついつい、昔のことを思い出し、ぼーっとしていた。
報告書は半分くらい終わっている。
大先生みたいにはなりたくないので、さっさと報告書を済ましてしまおうと、また書き始めた。
⦅ut視点⦆
自分の部屋に着き、乱暴に扉をばたん!と閉めると、 そのままベッドに向かって行って、ぐったりとベッドに倒れ込んだ。
トントンに書類をしてこいと言われ、自分の部屋に来たものの……
やっぱやりたない!!!
情報部隊なんとかかんとかみたいなしてるから、この国とか国民の情報まとめたり、他の国の情報集めたやつ書き出したり…そういうのしなきゃいけないしやらなきゃいけない。
書類やる人の中で大事な役割なんだけど……
ut「やりたないよぉ〜……。」
やっぱいややぁ……。
じゃあなんで情報部隊入ったんやって、?
そりゃそのくらいしかできることないからに決まっとるやろ!
てかやりたい仕事選べへんし!
ut「はぁ〜ぁ……」
ぇ、?なんで軍入ったんかって、?
大切な仲間だとか、家族だとか…そういう大好きな人達を守るため…やな。
そう、大切な、仲間……。
ut「しゃお……ちゃん、」
もしも、もしもまた会えるのなら……
また、子供の頃のように話したい。
いや、もう会ってるのか…、?
でも、シャオロンは俺のことは知らへんって言うたし……。
ut「あ〜……もうなんで………。」
もう、俺が会いたいシャオちゃんはこの世にいない。
そう、分かってるのに……なんで、
ut「なんで……忘れられないんやろ、」
ドッペルゲンガーやねん、きっと……そうやねん、……でも…なぁ。
大体シャオちゃんはあそこで…あの橋の上で、僕の手の中で消えた。確実に。
やから絶対違う……違うねん。
でも……もしかしたら………
ut「転生者、だったりして、…。」
あぁ、自分はなんて バカなことを考えているのだろう。
転生なんてのは夢のまた夢の話…おとぎばなしってやつだ。
ut「はぁ…ぁ〜…書類……やろう。」
ようやくベッドから起き上がり、自分の机へと向かう。
勢いよく椅子に座ると、椅子はぎこ…と音を立てた。
机の上には相当な量の書類が置かれている。
ほとんどがサボった分の書類である。
何度この光景を見たことか…そろそろ学べと自分でも言いたいところではあるが、やはり面倒くさいのでサボってしまう。
全く、こういうところだ、自分の悪いところってのは…。
憂鬱な気分で山積みになっている書類を何枚か手に取り、近くの万年筆を取る。
インクの蓋も開け、やっと始めるというところでインカムが鳴った。
やっと、本当にやっと自分から書類をやろうと思ったのにも関わらず、最悪なタイミングだ。
インカムからロボロの声がする。
rbr〔えぇっと…晩飯の時間でぇーす。 〕
〔今日はシャオロンの歓迎会ですー。 〕
〔歓迎会やからと言って、ゾムの食害はいつも通りあるんで、遅れへんようにー。 〕
〔あと今回は特別に、まだ書類終わっとらんやつは書類倍増らしいでー。〕
〔ほんじゃ、食堂まで急げー。〕
そのままロボロからの連絡が終わる。
うせやろ、食害+書類倍増とか……。
ただでさえ食害が辛いというのに、書類倍増なんてたまったものではない。
だが、今から書類をやるなんて、食害を受けるどころか、歓迎会にすら参加できない、というか丸々1週間終わるだろう。
もう仕方ない。諦めて食堂に行くしかない。自業自得だ。
最後自分の部屋から見た景色、それは、
自分の部屋の窓から見える、まだ少し明るい、青色と黄色に染まった夕焼け空だった。
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