瑞華が後宮を去って3日が経った。どうやら瑞華は捉え、島に流したのだが、その一族は東方へ逃亡を続けているらしい。いつ貴方の命が狙われるかわからない、と沐宇様は俺とずっと一緒にいてくれる。
政務もこの部屋で行われ、他の妃も危険のため宮の中で過ごし、宮中の庭に出ることも禁じられている。当然武官は稽古を止め、後宮全体の護衛につき、門も閉じられた。
後宮全体が異例の警護体制をとり、皆が緊迫する中。俺も決して怖くないとは言い切れないが、幸せでもあった。起きてから寝るまで。四六時中沐宇様と一緒。彼とずっと話しているがその話は尽きないほど話していて楽しい。彼の希望でこの部屋には護衛がついておらず、廊下とこの宮の周りに数え切れない程の者が付いてくれている。ありがたいことだ。
「dnqさん?」
「はい、どうしました?」
「いえ、少し頬が緩んだり強張ったりと色々と表情が変わっていたので何か考えているのかな…と」
「っ…、す、少しですが…。」
「何か案がありましたら話してくれませんか?」
政務の手を止め、俺の隣で優しく手を握ってくれる沐宇様。
「私達の食事はとても豪華なものですが…、この際、四六時中緊迫した中で護衛についている武官の方にもう少し食事を手配していただけないでしょうか…
妃の方たちも運動ができない分、容姿を保つのが大変な場合もあると思うので、油の多いものを少し減らし、武官の方に…というのはどうでしょうか」
「…なるほど。確かにそうですね。
dnqさんは私と武道を行ったりしますが…他の妃は行いませんし、現在屋外の運動も禁止されていますしね。
いい案だと思います、客観的な視点で物事を考えられるのは凄く素敵なことです。その案、少し行ってみましょうか?」
「…!ありがとうございます」
「ふふ、やはり皆のことを考える后の仕事に適材ですね。偉いです、dnqさん。」
優しく褒めてくれた彼は、俺を抱きしめて頭を撫でてくれた。
「…そろそろ夕餉の時間でしょうし、案を伝えてきますね」
「…!私も行きます」
「dnqさん…!貴方は…、
そうですね、一緒にいたほうが安全ですね。」
俺等は一緒に立ち上がって厨房へ向かった。
コメント
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昨日は見れなくてごめん! もう神!武官のために、、とかいって武官にこれから 女神とか言われるパターンでしょ!?最高すぎ!