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もちぷよ
46
やわしゅん狂
247
はる☻
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恐怖から逃れるように、僕は咄嗟に許しを請おうと口を開いた。
「……ご、ごめ、っ…」
パチンっ……!
乾いた破裂音が狭いキッチンに響き、僕の言葉は鈍い音と共に途中で途切れた。
激しい衝撃に視界がぐにゃりと歪む。
え……?
今、何が起きた……?
ヒリヒリと、左の頬が焼けるように熱く痛む。
その痛みで叩かれたのだとやっと理解して僕は、全身の血が引いていくのを感じながら、恐る恐る彼の顔を見上げた。
その表情を目にした瞬間、僕の心臓は凍り付いた。
そこにいたのは 恐怖にガタガタと震える僕の姿を、それはもう堪らないとでも言うような、ゾッとするほど嬉々とした狂気の表情で見下ろしている彼の姿だった。
「……っ、……」
あまりの恐怖に、指先から完全に力が抜ける。
僕の手から滑り落ちたガラスのグラスが、ガシャーンと大きな音を立てて冷たい床の上で激しく弾け飛んだ。
辺り一面に、淹れたてのお茶と鋭利なガラスの破片が無惨に散らばる。
けれどしゅんは、そんな足元の惨状には目もくれず、怯えて動けない僕との距離をじりじりとさらに詰めてきた。
その時だった。
ドタドタッ!! …ガタンっ!!!
リビングの静寂をぶち破る焦ったような激しい足音と共に、奥の部屋のドアが勢いよく蹴破るようにして開けられた。
はやちゃんが血相を変えてキッチンへと駆け寄ってくる。
『柔太朗っ!!! 大丈夫か!??』
僕の元へたどり着き、赤く腫れ上がり始めた僕の頬を見た瞬間、はやちゃんは言葉を失って目を見開いた。
だが、次の瞬間には彼の瞳に凄まじい怒りの炎が灯る。
はやちゃんはしゅんの胸ぐらを強引に掴み上げ、壁に叩きつけるようにして声を荒げた。
『おい!!てめぇ!!! 柔太朗になにしやがった!!?』
地を這うようなはやちゃんの怒号に、しゅんはハッと正気を取り戻したように僕を見た。
自分のしたことにようやく気付いたのだろう。
しゅんの顔色はみるみるうちに真っ青に変わり、頭を抱えて信じられないというように激しく首を横に振り始めた。
はやちゃんはそんな風に錯乱し始めたしゅんを力任せに突き飛ばし、僕のもとへ駆け寄る。
「はやちゃん……っ、」
『柔太朗……こっち、!』
はやちゃんは床にガラスの破片が散らばっていることなんて一切気に留めず、僕の身体を両腕で抱き上げ、連れ去るように歩き出した。
だが、しゅんの横を通り過ぎようとした、まさにその一瞬。
「じゅう、……待って、」
すがるような掠れた声と共に、僕の手首をしゅんの手がガシッと強い力で掴んできた。
「じゅう……ごめ、そんな……、俺……っ」
『てめぇ!!! 柔太朗に触んなって言ってんだろ!!』
はやちゃんは掴まれたその手を容赦なく振り払うと、僕を彼から完全に遠ざけるようにかばいながら、しゅんを殺さんばかりの目で鋭く睨みつけた。
「違う……ちゃうねん、……っ! 俺……! ちゃう、あんなん、俺じゃ……っ」
『何も違わねぇだろ!! 言い訳すんな!!』
はやちゃんの容赦のない怒声がリビングに轟く。
言い返せなくなったしゅんは、ガタガタと震えながら涙を流して床に膝をついた。
「……、……ごめんなさい、……っ」
『……帰れ。もう二度と、こいつに近づくな』
「……え、……、」
『いいから さっさと消えろ!!!!』
はやちゃんはしゅんに完全に背を向け、僕を抱きかかえたまま奥の寝室へと運んでいった。
バタン、と寝室のドアが閉められ、鍵が掛けられる。
はやちゃんは僕をそっとベッドの上に座らせ、僕の顔を見るや否や、その大きな瞳からボロボロと涙が溢れ出す。
はやちゃんは僕の身体を強く抱きしめてくれた。
『俺が……俺がすぐそはにいたのに……、ごめん、柔太朗……ごめんな……っ』
僕の背中に回されたはやちゃんの手は、見たこともないほどに激しく震えていた。
僕のためにこれほどまでに怒り、僕の痛みを自分のことのように泣いて守ってくれる、この人の圧倒的な温もりが、今の僕には言葉にできないほど心強かった。
張り詰めていた心の強張りが解けて、僕ははやちゃんの震える身体を、その背中を、そっと優しく抱きしめ返した。
「はやちゃん……ありがとね、……」
僕はまた、このヒーローに救われたのだ。
to be continued…
コメント
9件
しゅんしゅん..😭😭
やわしゅんなのに3080がちらつく、、、 しゅんちゃん鬱になったりしないかな、、 心配すぎてー滅!

コメント失礼します ここ数話でお話の雰囲気がガラッと変わったように見えて続きが気になって仕方ありません…!😭 毎日更新ありがとうございます…!