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ベンダー・アドベンチャー
第一話:少女リナとの旅の始まり
プラネット・エクスプレス本社。
その一角で、ベンダーはいつものように高級そうに見えるが実は安物の酒を片手に、椅子にもたれかかっていた。
「はぁ~、働かずに飲む酒は最高だぜ」
そう言って、ボトルを一気にあおったその瞬間――
**ブォンッ!**という奇妙な音とともに、目の前の空間が歪み始めた。
「おいおい、俺の酒に何か混ざってたか?」
次の瞬間、青白く光る謎のゲートが現れ、そこから一人の少女が飛び出してきた。
「うわぁっ!」
床に転がった少女は、慌てて立ち上がる。
「えっと……あ、あの!」
少女はベンダーをまっすぐ見つめて言った。
「私の名前はリナ!14歳!
お願い、ベンダー……助けてほしいの!」
「はぁ!?誰だよお前。俺は今、人生で一番大事な“飲酒タイム”中なんだが?」
リナは必死な表情で続ける。
「私は3000年後の未来から来たの!
未来では、とある組織が世界を滅ぼそうとしているの!」
「へぇ~、それは大変だな。……で、俺に何の関係が?」
「あなたしかいないの!お願い、一緒に来て!」
ベンダーは鼻で笑った。
「嫌だね!
そんな面倒くさい世界救いなんて、俺のガラじゃねえ」
その時、ちょうど様子を見に来たフライが口を挟んだ。
「別にいいんじゃない?助けてあげなよ。
冒険って、なんかヒーローっぽいしさ」
「フライ!裏切り者!」
しかし、リナはにっこり笑って言った。
「じゃあ、決まりね!」
「は?」
次の瞬間、リナは何やら装置を操作し、ゲートがさらに大きく開いた。
「それじゃあ、行こう!」
「ちょ、待て!俺は行くなんて――」
抵抗する間もなく、ベンダーはリナに腕を引っ張られ、ゲートの中へ吸い込まれていった。
「くそっ!俺の酒がぁぁぁ!!」
こうして――
世界を救う気ゼロのロボットと、
未来を救いたい少女の、
奇妙で騒がしい旅が始まったのだった。