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黒い封筒⁇
事務所では、マネージャーにどこへ行ったか聞いている。
だが、暗示でもかけられたか、マネージャーは分からないと言う。
断片的に覚えているのは、古びた洋館と小学生の女の子だけ。
マネーすみません、分からなくて。
岩本ー小学生の女の子を乗せたのは確か?
マネーはい、雨の中傘もささず歩いてました。阿部さんが車まで連れて来ました。
目黒ーそこから先が分からないんですね?
マネーはい。
事務所はマネージャーを病院に連れて行き催眠療法を試してみると言う。
少しでも、何か思い出すといいのだが。
岩本ー阿部は無事だと信じよう。
目黒ーん。
ラウー大丈夫だよ、きっと。
目黒ーあの日、食事の約束してたんだ。LINEに、ちょっと遅くなるって。あっ!
目黒は、自分の携帯を見る。
そこには洋館の写真が貼ってある。
目黒ーここだ。ここにいる。
岩本ーこの写真だけじゃ分からないなぁ。
渡辺ー警察にこの写真調べてもらったら?
目黒ーこれだけで何が分かるかな?
渡辺ーとりあえず、渡しておいた方がいい。
警察に、写真は見せた。
場所の特定は難しいですよと言われている。
それでも唯一の手がかりだ。
マネージャーの催眠療法は少し効果があった。
少女の名前は「由真」と言う。
両親と兄の4人暮らし。
阿部とマネージャーはお礼にお茶に誘われたが、阿部が断ったこと。
それしか思い出せない。
肝心の住所や苗字などは分からない。
だがマネージャーは、送って行く時も、自分がいた竹林の横を通り過ぎて行ったと言う。
警察は竹林の周囲から捜索し始めた。
洋館の写真1枚では捜索が難しい。
阿部の車が通ったと思われる道路は省く。
竹林から、ほぼ360度、円を書き放射状に捜索し始めた。
阿部のいる洋館には、2メートルくらいの身長の大男たちがいる。
憧れだろうか?
目黒も大きいから好きなのだろうか?
本人の意思に関係なく結婚すると言う女。
阿部ーこんなことしても、目黒は来ませんよ。
女ー分からないじゃない。あなたたちのグループは皆んな仲良しだと聞いたわ。
阿部ー仲はいいですけどね。
女は、縛られた阿部の写真を撮っている。
事務所にでも送るのだろう。
もし、事務所の誰かの目に留まれば目黒まで写真が届く。
阿部は見つけてほしくない。
だが、女は黒の封筒に入れた。
阿部がいなくなって3日が経った。
ちゃんと食べてるだろうか?
眠れているだろうか?
目黒は気になる。
阿部は、椅子に縛り付けられ写真を撮られたのは、その時だけで、今は客室にいる。
風呂もトイレも付いている。
阿部の着替えも用意してくれる。
食事も、部屋に運ばれてくる。
「あなたが死ねば、めめは来ない。だから毒なんか入ってないから食べなさい」と言われて食事もしている。
待遇がいい気がするけど、目黒に会いたいため。
阿部は、探さないでと思ってしまう。今、目黒に会えば泣いてしまうだろう。