<夜の森に虹>前編(超短編)
「ぼくは一人」「ぼくは一人」「大丈夫」
いつもそう呟いているのは、最近転校してきた、莉宇来。(りうら)
学校帰りにあのトンネルをくぐる。
長い前髪を耳にかけてトンネルに一歩足を入れる。
このトンネルは、まるで夜の森を駆け抜けたかのような景色だ。
タン タン タタン。タン。
「なんだこの音は」
真っ赤な夕焼けの逆で、弱く鳥肌が立つぼくがいた。
急いで逃げだし、学校に行けなくなってしまった。
今でもあの音が取りつかれたように体中に響いている。
4日後、家にインターホンが鳴った。震えた手を握り締めて返事をした。
その子は、あのトンネルの草が服についていた同級生の明雷(らいと)だった。
「こっちに来て」と言われて仕方なくいった。
連れていかれたのはあのトンネル。
タン タン タタン。 タン。
あの音。
笑顔でトンネルの中を駆け抜けている明雷に急いでついていった。
トンネルの壁に向かって走っていく、明雷を見て、
「ぶつか・・・。」
そこには光で照らされた裏道があった。
コメント
3件
はーと10個つけといた!!!
苺音 瑠乃さんとコラボして、STPR関連の小説を書くことがあるので、ぜひ見てください!
後編も出します!