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あれから暫くたった、その間この男は
料理を教えてやるとかそのくせ以外に不器用で、二人揃って不味い飯を食う羽目になったり
服がない買いに行くとか言っても俺が何も言わないから困ったように聞いてみたり
映画にいかないかとか言ってきても途中で誘った本人が寝かけてたし
俺がヴァイオリンを弾くと言っても今度聞かせてくれとか言ってきて
任務とか仕事とかには全然関係のないことばかり言っている。本当に何をしたいのかが全く読めない
まぁ、…彼を見ていてわかることは一つ
彼にこの仕事は向いてない
四季凪もこの事がわかっているのであろうか
俺がこの仕事は向いてないって言うと少し困ったかのように
小さく「そんなこと、わかってますよ…でも私はここでの生き方しかわからないので…」
そう返された
確かに目立たないことを重要視されている諜報員の世界では彼のような目立つ容姿の人は一番
望まれないのだろう。
もしも普通の家で、普通の人として生まれていたなら
彼は今よりもシアワセだったのかもしれない。
そんなもしもを考えても仕方のないこと
ガチャッと音を立てて扉が開いて彼が部屋に入ってきた
「セラフ今度任務行きますよ」
「資料です」
彼は俺に封筒に入った書類を差し出した
封筒を開いて中身の書類を確認する
「この資料間違ってない?」
「いえ私が作りましたし確認しましたからそれはないかと」
「なんで君が前衛で俺が後衛な訳?」
「潜入任務ですし貴方人と話すの苦手ぽいし」
「非常時の護衛みたいなもんですよ」
「基本的に動くのは私だけ」
そう淡々と話す
「潜入ってなんのため?」
溜息をついて彼が言う
「貴方は質問ばっかりですね」
「マフィアさんと無理にでも仲良くなるためですよ」
