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「子どもたちのスピードが落ちたから、俺も今からゆっくりと食べ始めますよ。中西さん、この辺りの肉もいけますよ」
「お肉一個くださーい」
「お、亜優ちゃん、はい」
「ありがと」
「パパ、私はお肉とカボチャ」
「カボチャ……これならオッケー、と肉」
「わ、多い……」
「じゃあ、パパの皿に入れて。千愛、カボチャ4個目だな」
すごっ……数えてるの?
秋山さんが、子どもたちのお皿とお腹の加減まで見てくれている前で、夫は焼けている肉を私と自分のお皿に取る。
はぁ……片付けに貢献するしかないかな。
「お腹いっぱい」
「亜優、よかったね。千愛ちゃんパパがいっぱいお肉、焼いてくれて。千愛ちゃんにつられてたくさん食べていたし」
「千愛ちゃん、二年生」
「そうやね。ごちそうさま?」
「うん。ごちそうさまでしたっ!」
パンッ……と音を立てて手を合わせた亜優の隣で千愛ちゃんも
「ごちそうさま……もう食べられない」
と割りばしを置いた。
そして
「あつい……」
食べ終わったら、ここにじっと座っているのは暑いだけなのだろう。
千愛ちゃんはTシャツの裾をバサバサしながら
「ママ、部屋でゲームする。亜優ちゃんと。亜優ちゃん、行こ」
と言う。
「うん!行こ」
亜優も千愛ちゃんに続いて立った時
「ママ、クーラーつけてやって。で、千愛が汗のままクーラーに入ると風邪引くから着替えさせて」
と秋山さんが風子さんに言った。
何という細やかな目線だろうか……
「あ、パパ、ムッフィーちゃんのTシャツ、亜優ちゃんにあげてもいい?」
「千愛、優しいな。いいぞ。優しい千愛が、亜優ちゃんに着替えを出してあげればいい」
「え?」
亜優にも?
「サイズアウトした服を亜優ちゃんにと、千愛が言ったんですよ」
「千愛ちゃん、優しい……小さい子に優しいですよね。朝の登校時に公園まで行くと、同じように来られたお母さんが小さい弟とか妹を連れて来られていて。そしたら千愛ちゃんは必ず先に手を振っていますね」
「友達も多いようで、さすが千愛って感じです。子どもが中に入ったので、大人の暑気払いはここから開始ってことで、乾杯しましょうか」
改めて網の上にお肉と野菜を並べた秋山さんに
「次もビールでいいですか?ロング缶もありますよ」
夫が言ったのは、私と秋山さんの会話を終わらせたかったのか?
とも思うけど、やっとだよ。
缶ビール1本でここまで頑張って焼いてくれた秋山さんに、じゃんじゃん飲んで食べてもらって!