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みー
8
Codeレイ
46
すると、パチンッという音がした途端─
「…アモンっ…ルカス、呼んで来てっこれ、産まれそう…破水しちゃった…」
破水してからすぐに陣痛が来て、あまりの痛さに主は気を失ってしまった。 アモンが掛け布団を剥ぐと、そこは水浸しになっていた。
アモンは急いでルカスに伝えに行った。
自分には何も出来ない事が悔しい。ルカスさんみたいに医者でもないし、フェネスさんみたいに知識が豊富な訳じゃない。ボスキさんやハウレスさんみたいに強くないし、それから…
アモンの頭の中でぐるぐると思考が巡る。
アモンは3階執事室に着くなりドアを叩いた。
ドンドンドンッ
「なになに!?あ、ローズ君か…」
「早くルカスさんを!◯◯さんが…」
ラムリは主の名前が出た途端、部屋から飛び出しルカスを探し出した。すぐにルカスは主の元に行き、容態を確認した。
主は破水していて、陣痛の痛みで意識がない。直ぐに産まれそうではあるが、何かがおかしい。すぐにミヤジも呼び、手術が出来る環境を作った。
「ルカスさん!助かるっすよね!?」
アモンは怖さと不安が募り、嫌な予感を払拭したいがために、ルカスに聞いた。
「胎児機能不全、胎児仮死といって赤ちゃんの心音が低下していて、赤ちゃんがとても苦しい状態にあるんだ。一刻も早く出さないと…」
ルカスは手を動かしながらアモンに説明した。ルカスは主の体にメスを入れ、早く赤ちゃんを出そうとした。
(原因はこれか…)
へその緒が赤ちゃんの首に巻き付かれており、血流が滞っていたため胎児仮死の状態になっていたのだ。
すぐに赤ちゃんの気道を確保し、人工呼吸などの処置をした。すると、数十分で自発呼吸をし始めた。
幸い赤ちゃんの方は、酸素不足の時間は短かったため後遺症もなく済みそうだった。 ミヤジに赤ちゃんの方を任せていると、ルカスはすぐさまミヤジを呼んだ。
「ミヤジ!主様の出血が…」
なかなか出血が止まらず、ラムリ、フェネス、バスティン、ハナマル、テディを呼ぶようアモンに頼んだ。
すぐに皆は来てくれ、輸血要員として待機させた。ハナマルはたくさんのガーゼに主の血が付いている状況と主の様子を見るやいなや口を開いた。
「おいおい…◯◯は助かるのか?」
「ルカス様…」
フェネスとバスティンとテディは何も言葉を発さなかったが、 皆心配そうに主の様子を見守った。
ミヤジは順番にラムリ達の腕に針を刺し、ゆっくりと血を抜いていく。
そうしてようやく手術は終わりをむかえていた。
「これで手術は終わったよ!皆お疲れ様。」
ルカスの額には汗が滲んでいた。予想外の出産だったが、赤ちゃんの状態も安定していて、主は麻酔から目が覚めるまで様子見という事になった。
「ルカスさん、◯◯さんの事を助けてくれてありがとうございますっす。このまま、お別れになるかと思ったら怖かったっす…」
そう言って半泣き状態のアモンにミヤジは、赤ちゃんを差し出した。
「可愛い赤ちゃんだよ、ほら男の子だ。」
アモンは初めて見る自分の赤ちゃんを見て、何とも言えない気持ちになった。主への感謝と父親になったという実感、周りの協力があってこその出産、色々な感情が混ざり合いアモンは涙をボロボロと流し始めた。
「ふふ…ミヤジが泣かせちゃったのかな?」
「ルカス!全く…一時はどうなるかと思ったが、ちゃんと無事に産まれてきてくれたよ。
後は…主様が目を覚ますのを待つだけだね。」
そう言ってミヤジは、麻酔で眠っている主へ視線を向けた。 腕の中でスヤスヤと眠る小さな命を抱いて─
ルカスとミヤジは手術に使った道具等を片付け、輸血要員として来た執事達も自室に戻って行った。
アモンだけが、主の側から離れようとはしなかった。アモンは応えるはずのない主に声をかけた。
「◯◯さん、産まれたっすよ…俺らの可愛い赤ちゃん。頑張ったっすね…早く、笑顔を見せて下さいっす…」
予想外の事は起きたが、無事に産まれてきてくれた。アモンは主の手を握り締め、ひたすら目が覚めるのを待った。
しばらくして─
アモンは気疲れしてしまったのか、主の手を握り締めながら寝てしまっていた。
「…っん、ついつい寝ちゃってたっすね…」
アモンが目を擦りながら起きると、主の手がピクッと動いた。
「◯◯さん!」
アモンの問いかけに反応したのか、主は目を覚ました。
「…アモン?ずっと、側に居てくれてたの?」
アモンは頷き、ルカスとミヤジが赤ちゃんをみてくれているから2人を呼んで来ると言って、足早に2人の元へ行った。
(…やっと会えるんだ…)
主は自身の子供を早く抱きたくて仕方がなかった。アモンとルカスとミヤジはすぐに来てくれて、待望の赤ちゃんに対面した。
その赤ちゃんはフルーレが作ってくれたお洋服を身に着けて登場した。
「…産まれてきてくれてありがとう。」
主は起き上がる事が出来なかったが、泣きながら赤ちゃんを優しく抱きしめた。やっと会えた、アモンとの子供。大好きな人との大切な宝物。主と赤ちゃんがいる、その空間は愛情に溢れたものだった。
主は、ルカスとミヤジから出産の経緯を聞いた。胎児機能不全だった事、主の出血が止まらず危機的状態だった事。
そして、これからの産後ケアの事などをアモンと一緒に聞いていた。聞いている中で主は、これからどうするべきなのかを考えていた。
主の出産後、お祝いの品を持って執事達が階ごとに来てくれた。
1階の執事達からは、木彫りの小鳥と出産祝いの豪華な食事と食後のベリアンがブレンドしたノンカフェインの紅茶だった。
2階の執事達からは、もう既に貰ったベビーベットに、更に手作りメリーを付け加えたものだった。
3階の執事達からは、お花の刺繍が施されたタオルとカエルのぬいぐるみと美味しいと評判の店のパウンドケーキだった。
地下の執事達からは、沢山の赤ちゃんのお洋服と綺麗な絵が描かれている絵本と収納も出来るオルゴールだった。
別邸1階の執事達からは、美味しいと評判の店のストロベリータルトと手作りの和菓子と手作りのおもちゃだった。
別邸2階の執事達からは、主とアモンと赤ちゃんが描かれた絵と手作りピッツァだった。
どれも皆の個性が溢れていて、主へのプレゼントだったり、子供へのプレゼントだったりと沢山のお祝いを主は受け取った。
「ねぇアモン、私今すごく幸せだよ♡この子のためのものだったり、私のためにってわざわざ手作りしてくれたり… 本当に…ここの執事達は、私の大切な執事達だよ。」
アモンはベビーベットで寝ている我が子と主を見て、心からの感謝を伝えた。
「◯◯さん、本当にお疲れ様でした。たくさん、頑張ったっすね…俺らの子供を産んでくれてありがとうございますっす。」
主はアモンを抱きしめ、お互いに頑張った事を褒め称え合った。すると、お腹が空いたのか泣き始めた。
「あ…オムツはさっき替えたから、お腹空いたのかな?」
そう言って主は赤ちゃんを胸に抱き、母乳を与えた。最初に口に咥えられた時は、かなりの痛みがあるが、次第に痛みよりも母性が溢れるような感覚になっていく。
アモンはフルーレが作った服を絶賛した。これなら他の執事達が居ても授乳出来る事に、改めてフルーレのセンスが凄いものだと思ったのだった。
主が授乳を終えると、ミヤジとハナマルが子供を預かってくれた。産後すぐの体で無理をするのは良くないという事で、度々みてくれている。
そして主は、これからどうするべきなのかをずっと考えていた事と、これからの話をし始めた。
「アモン、私…あの子が産まれてからずっと考えてたの。 これからの事どうするべきなのかって…私が居た世界とこっちの世界、あの子のためにどっちに残れば良いのかなって… 」
アモンは2人とも手離したくないと強く思う反面、天使が居るこっちの世界では、主が居た世界の方がよっぽど安全なのは火を見るより明らかだった。
それでも─
「…っ、俺は◯◯さんも子供の事も手離したくないっす!俺のわがままなのは、分かってるっす…でも、ずっと一緒に居るって…約束したじゃないっすか…」
アモンは心の内を口にしたが、既に主の心はもう決まって居るようにも思えた。
コメント
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みーさん、第14話読みました…!! 出産シーン、本当にドキドキしながら読んだよ…破水から緊迫した展開で、ルカスやミヤジたちが総出で助けるところ、そしてアモンの「何も出来ない」って悔しさがすごく伝わってきて胸が締め付けられた😢 でも無事に赤ちゃんが産まれて、皆からのお祝い品の数々もすごく温かくて…「私の大切な執事達」って主様の言葉にじーんと来たよ🥺 最後の「どっちの世界に残るか」っていう選択、アモンの「手離したくない」って気持ちと主様の決意…続きがすごく気になる…!✨