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〇〇side
ドラマの撮影終わり。
楽屋の空気は少しだけ甘ったるいメイクの匂いが残ってる。
マネージャー「〇〇、ちょっといい?」
〇〇「なに?もう帰っていい?」
マネージャー「帰る前に報告。次クール、連ドラ決まった」
〇〇「え、早!!恋愛?」
マネージャー「うん。王道ラブストーリー」
〇〇「王道ってなに、余命とか?同級生とか?」
マネージャー「再会系」
〇〇「ふーん…相手誰?」
マネージャーが一瞬だけ言いづらそうに目を逸らす。
〇〇「え、なにその顔」
マネージャー「……松村北斗」
沈黙。
〇〇「は?」
マネージャー「主演、ダブル。相手役」
〇〇「無理」
即答
〇〇「いや、ほんとに無理。なんで?」
マネージャー「話題性」
〇〇「最悪じゃん!!」
マネージャー「不仲コンビ再共演、って煽れる笑」
〇〇「いや、煽るな」
〇〇「絶対気まずいでしょ」
マネージャー「脚本読んだ?」
〇〇「まだ」
マネージャー「幼なじみ。ずっと両想いなのにすれ違う話」
〇〇「……は?」
マネージャー「キスシーンあり」
〇〇「は???」
マネージャー「多分濃い」
〇〇「断る」
マネージャー「でも監督、知ってる人」
〇〇「誰」
マネージャー「初映画で主演やったときの」
〇〇「……」
くぅーーークヤシイ( ; ; )あの人か。
初主演映画で、何も分からなかった自分に
何度も向き合ってくれた人。
〇〇「……あの監督なの?」
マネージャー「そう」
〇〇「北斗も?」
マネージャー「北斗も昔お世話になってる」
〇〇「……」
最悪な偶然。
〇〇「向こうは?」
マネージャー「まだ正式返事前。でも前向き」
〇〇「……」
胸が少しだけざわつく。
〇〇「どうせ嫌々でしょ笑」
マネージャー「さぁ」
〇〇「どう思う?」
マネージャー「作品としては絶対跳ねる」
〇〇「それは分かる」
マネージャー「やる?」
〇〇「……監督のため」
マネージャー「うん」
〇〇「北斗のためじゃないから!!」
マネージャー「分かってる」
〇〇「あと、番宣ではちゃんと不仲やるから」
マネージャー「いつも通りね」
〇〇「嫌いって顔する」
マネージャー「それ多分自然」
〇〇「うるさい」
北斗side
SixTONESの楽屋。
ジェシー「北斗今日静かだね」
北斗「いつも」
樹「嘘つけ」
そこへマネージャー。
マネージャー「北斗、話ある」
北斗「はい」
他のメンバーがニヤニヤしながら見る。
慎太郎「なんか匂う」
きょも「匂うね」
北斗は廊下へ出る。
マネージャー「次クール、ドラマ決まった」
北斗「ありがとうございます」
マネージャー「恋愛もの」
北斗「……へぇ」
マネージャー「相手役、姫野〇〇」
一瞬だけ、時間が止まった。
北斗「……誰ですか」
マネージャー「白々しい」
北斗「断ります」
マネージャー「即答w」
北斗「無理です」
マネージャー「でも監督」
北斗「……」
マネージャー「昔映画でお世話になった人」
北斗「……」
あの人か。
芝居を叩き直してくれた人。
北斗「内容は」
マネージャー「幼なじみの再会ラブ」
北斗「……」
マネージャー「キスシーン多め」
北斗「…やります!」
マネージャー「早」
北斗「監督のためです」
マネージャー「ほんと?」
北斗「ほんとです」
マネージャー「〇〇も前向き」
北斗「……」
胸の奥が熱くなる。
北斗「嫌々でしょうけどw」
マネージャー「世間は不仲だと思ってるからね」
北斗「そうですね」
北斗はポケットに手を入れる。
北斗「でも番宣は?」
マネージャー「いつも通り不仲で」
北斗「分かりました」
マネージャー「大丈夫?」
北斗「何がですか」
マネージャー「感情」
北斗「仕事です」
マネージャー「……好きなのバレないようにね」
北斗「は?」
マネージャー「メンバーにはバレてるくせに笑」
北斗「は?」
楽屋に戻ると。
樹「で?〇〇?」
北斗「違う」
ジェシー「顔赤い!!」
北斗「照明」
きょも「決まりだね」
慎太郎「おめでとう」
北斗「違うって」
でも。
嬉しかった。
ずっともう一度、ちゃんと向き合って芝居がしたいと思っていた。
嫌われてると思ってる。
でも。
あの目で見られると、演技じゃなくなる。
北斗(今回は、役のせいにできる)
幼なじみで、両想い。
それなら。
触れても不自然じゃない。
北斗(仕事だ)
そう言い聞かせる。
でも心の奥では。
北斗(今度こそ、距離縮められるかな)
そして後日、お互い仕事の合間に監督との顔合わせ。
監督「二人とも久しぶり!!」
〇〇「お久しぶりです!」
北斗「ご無沙汰してます」
監督「やっと一緒に撮れる」
〇〇「……はい」
北斗「よろしくお願いします」
監督「不仲なんだっけ?」
〇〇「別に」
北斗「噂です」
監督「笑笑、まぁいい演技期待してる」
ーーーーー
〇〇side
監督が笑いながら去っていく。
〇〇「笑笑、まぁいい演技期待してる」
その言葉が少しだけ重い。
横を見ると北斗。
普段は普通に話すし、
番組で一緒になれば軽く雑談もする。
〇〇(でもドラマは初めてなんだよね)
長期間一緒。
毎日顔を合わせる。
しかも恋愛もの。
〇〇(よりによって両想い役)
なんで。
監督がわざとやってる気がする。
〇〇(北斗、芝居ガチ勢だしな)
スイッチ入ると空気変わるタイプ。
〇〇(感情重めの芝居されたらやりづらそう)
でも同時に思う。
〇〇(ちゃんとやったら絶対いい作品になる)
そこは信頼してる。
話してる時の北斗は普通。
でも芝居になると目が変わる。
〇〇(そこに引っ張られないようにしよ)
あくまで仕事。
必要以上に感情を乗せない。
〇〇(距離は今まで通り)
それでいい。
不仲コンビだけど好きでも嫌いでもない。
ただの共演者。
それ以上は考えない。でも、気まずいなこれは。んー、風磨たちに相談しよっかなー。きまじー笑
北斗side
監督が去ったあと。
北斗(やっとか)
話すのは普通に話す。
笑うこともある。
でも。
北斗(ドラマは初めて)
長時間一緒。
毎日顔を見る。
役は両想い。
北斗(きついな)
〇〇は多分、何も思ってない。
普通に「よろしく」って言える。
それが羨ましい。
北斗(俺だけだ)
意識してるの。
普段話してるからこそ、余計に危ない。
距離が自然に近い。
そのまま役に入ったら。
北斗(混ざる)
絶対混ざる。
〇〇の前では平然とする。
今まで通り。
北斗「よろしくお願いします」
声は普通だったはず。
でも内心は。
北斗(好きな人とラブストーリーとか罰ゲーム)
嬉しいくせに。
苦しい。
北斗(絶対出すな)
感情。
〇〇にバレたら終わる。
今の関係すら壊れる。
北斗(今まで通りでいい)
話せる距離。
笑える距離。
それ以上は望まない。
……望めない。