ごめん純粋にBL展開かもわからん
今日は撮影も配信もない。休憩ができる日だ。
最近目が痛いことがよくあった。何でなのかはわからないし、結膜炎とかかなと思って、目薬をさす程度だった。
でも今日は格段と目が痛い。
『痛った…』
その瞬間、涙が出たような気が、した。
何故わからないのか。それは、涙の感覚が途中からしないから。
その瞬間、木材でできたフローリングに、光り輝く何かが落ちる。しゃがんでそれを掴む。
ダイヤのような、宝石だった。
『何…これ…』
自分の家には宝石などない。最近は誰も家に来ていないから他の人のものでもない。
じゃあこれは…?
ぼーっとしていたところを現実に引き戻すかのように通知が鳴る。ハッとそばにあったスマホを掴む。明日の撮影についての連絡だった。撮影…できないか。途中でこうなってしまっては困る。あらかじめ連絡をしたほうが助かるだろう。
『明日の撮影、体調不良なので休ませていただきます。』
と連絡し、スマホを置く。
あれ、でもこれって調べれば何かわかるかも…
〔涙石病…誰かと片想いになるとかかる。涙が零れ、頬を伝うと宝石になる。だんだん痛みを感じない、麻痺状態になる。
治療方法はその人と両想いになる事。治療しないと死に繋がる。〕
死。重い病気…
でも、誰に恋なんてした?俺はそもそも恋愛をした事すら、ない。
治せないよ…だって、好きな人なんていないんだから。
〈…おんりー大丈夫かなぁ…〉
珍しく撮影の合間の10分休憩だというのに静かだったから、口を開く。
「確かに体調不良は心配だね…」
《俺も心配っす。》
家…見てこようかな。心配だし。
〈僕家見てきていいですか?〉
「あ、助かるよ」
【そーそー、俺達は家ちょっと遠いから…助かる‼︎何かあったら連絡して〜】
そう言われてDiscordの通話から退出する。
おんりーの家は僕の家の最寄駅から電車で一駅。大体5分で家まで行ける。
電車に乗り、降りたらマンションに向かう。いつもは慣れているけれど、こういう時は緊張する。心拍数が上がるのを感じながら、チャイムを押す。
ピーンポーン。部屋の沈黙の中に場違いのように大きい音が鳴る。さっきからずっと宝石が止まらない。
全部、美しい水色だ。
大急ぎで玄関を開けると、おらふくんがいた。
『ぁ…』
〈おんりー‼︎大丈夫⁉︎〉
『ん、大丈夫。ありがと、わざわざきてくれて。撮影の途中だったんじゃない?』
そう、予定通りなら撮影中だ。おらふくんは、心配しないで、というふうに話す。
〈ドズさんもぼんさんもmenも、おんりーの事見に行くって言ったら安心してたよ。〉
ほっとする。でも撮影の迷惑になっているのは変わらないので、申し訳ない気持ちになる。
〈部屋、入るね。〉
そう言って上がる。あ…宝石、片付けてない…
『待ってっ‼︎』
慌てて引き留めたが、もう遅い。部屋中には光り輝く宝石が散乱している。
〈なに…これ…〉
『あは…ごめん…』
〈え、盗んだの?〉
『違うよ』
じゃあ何でこんなに?そもそもおんりーは宝石に興味がない。ならばこれは…?
『あ、これ全部涙。』
彼は気にしなさそうに口を開いた。
コメント
8件
…もしかして天才か何かですか? (この作品初コメな癖に何言ってんだ)
何故にセンシティブフィルターかかった… センシティブ要素今回ねえよ
ぬぇ、もう300♥間近!? はやすんぎ