あの後、一通り片付けを終え、元貴のベットで一緒に寝た。
同じベットで寝るのは元貴に迷惑かけてしまうと思って、床かリビングのソファでもいいよとは言ったけど、元貴が何も言わずに俺の服の袖を引っ張って、上目遣いで合図してくるから一緒に寝ることになった。
思っていた以上に元貴の寝顔が可愛くて、15分ぐらいずっと見ていたし、10枚くらい写真を撮ってしまった。
いつもの強気な印象はどこにもなく、下がった眉毛に長い睫毛、少し開いた口ーーどれも綺麗で可愛らしく、見惚れてしまっていた。
時刻は6時。いつもとは違うベットで寝たからか、いつもより早く起きてしまった。
隣を見ると元貴はおらず、もう起きてしまったのかと思い、起きようとすると、体の右側に何か温かいものが触れていた。そっと布団を持ち上げてみると、そこには、小さく丸まった可愛らしい元貴がぐっすりと寝ていた。よく見ると俺の服を掴んでおり、俺の胸に頭を付けている。
滉斗『……かわい、』
思わず声が漏れる。すると元貴がもぞもぞと動き出した。起こしちゃったかな。そう思っていると、
元貴『ん……いんちょ……?』
寝ぼけてまだとろとろな声の元貴が可愛くて、理性が持たず、元貴をそっと抱きしめる。
元貴『んぅ…いんちょ、くるしぃ…』
滉斗『……お前ほんと罪深すぎ』
元貴『んっ…?あったかい、いんちょお…』
んへへとふにゃっと笑い、俺の胸に顔を擦り付けてくる。……猫みたい。
滉斗『もう起きる?』
元貴『ん、起きる…』
そう言って元貴が起き上がろうとしたその時ーー
元貴『う”ぁっ』
顔を顰めて腰をさする元貴。
滉斗『あ』
俺が声を上げると、元貴は顔を赤く染めて俺を睨みつけた。
元貴『……激しすぎ……腰痛いんですけど、/』
滉斗『ごめん…』
元貴『……可愛いって言っとけば、』
滉斗『………可愛い』
そい言うと元貴は俺の目を見た後、顔をぷいっと背けてしまった。よく見ると、耳が赤くなっている。
滉斗『………耳赤いよ』
元貴『黙れ、//』
そう言って耳を両手で隠す元貴は最高に可愛かった。
元貴に抱っこと言われ、仕方なく元貴をおんぶしてリビングに連れて行き、ソファの上に座らせてあげると、ダイニングテーブルの上に一枚の紙切れが置いてあることに気づいた。
滉斗『……?』
元貴をソファの上に座らせてから紙切れを手に取ると、
“12時に一度お家に帰ってきます。若井くんはリビングで待っていてください。元貴は久しぶりに涼架を遊びに連れて行ってあげなさい。”
と大胆な字で書かれていた。元貴がいていてと言いながら俺の隣に来て、俺の持っていた紙切れを見る。
元貴『ふ〜ん…お呼び出しじゃん』
何言われんだろうねとニヤニヤする元貴。
滉斗『元貴と涼架くんには聞かれたくない話とか?』
元貴『そんなん惚気話しかないでしょ。俺お父さんの惚気話聞いたことないよ』
滉斗『自分の子供に親の惚気なんて聞かせないだろ』
元貴は確かにと言って笑っている。
元貴『涼架起こしてくるね。久しぶりに涼架の欲しい物でも買ってあげようかな〜』
滉斗『……俺が買おうか?』
元貴『えっなんで?』
驚いたように目を丸くしてそう聞く元貴。
滉斗『いや、元貴のお小遣いから出てるのかな…って思って。元貴自分の欲しい物買ってないだろ』
そう言うと元貴は口を少し開けたまま瞬きをしている。すると元貴はふにゃっと笑って俺に勢い良く抱きついてきた。
滉斗『んわっ』
元貴『ありがと、俺が買ってあげたいって思ってるから俺のお小遣いから出してるの。だから大丈夫』
そう言って俺の唇にちゅっとキスをしてくる。しかも何度も。なんだ誘ってんのか此奴。
元貴『んっ、ちゅ……っ、んね、屈んでよ…届かないじゃんか』
滉斗『んも、誘ってんのか…/』
元貴『え”っ誘ってないし……てか、今日はしないから…腰痛いし、、//』
腰を摩りながら上目遣いで俺を見つめてくる元貴。可愛すぎるだろ、
滉斗『分かってるよ。ほら、涼架くん起こさなくていいの?』
元貴『あ!!やば!!ちょっと委員長起こしてきてくんない?てか朝ご飯作ってない!!』
わーーーと俺の背中を押して、俺を涼架くんの部屋の近くまで追いやり、ガタガタと焦りながら朝ご飯を作り始める元貴。
俺は涼架くんの部屋に入り、カーテンを開けてあげる。涼架くんの部屋にはピアノがあったり、たくさんの可愛らしいクマのぬいぐるみがあった。
滉斗『涼架くん、朝だよ〜』
そう言って涼架くんの肩を優しく叩いてあげると、
涼架『ん〜!!ひろとくん!!おはよぉ』
むくっと起き上がって、俺の顔を見るなり元気良く笑って俺に抱きついてきた。
滉斗『おはよう、お兄ちゃんがご飯作ってくれてるから行こっか』
涼架『うん!!』
滉斗『おんぶしてあげるよ』
涼架『いいの?!やったぁ!!』
そう言って涼架くんをおんぶしてあげると、涼架くんは嬉しそうに笑って俺の背中にぴったりとくっ付いてくる。
滉斗『落ちないようにね〜』
涼架『はぁい!!』
何気ない会話を交わしながらリビングへ行くと、机の上には美味しそうなスクランブルエッグや丁度良い焼き色の食パンなどがあった。
涼架『おはよぅおにぃちゃん!』
元貴『おはよ。滉斗くんにおんぶしてもらったの?』
ちゃんとありがとう言った?と言いながら腰を下ろし、涼架くんと目線を合わせる。
涼架『あっ!ありがとうひろとくん!!』
滉斗『いえいえ』
元貴『えらい』
そう言って寝癖のついた涼架くんの髪を優しく撫でてあげる元貴。元貴の髪には寝癖なんて一つもなくて、サラサラで綺麗だった。
涼架『ご飯食べよぉ?』
元貴『うん』
滉斗『隣座ってもいい?』
元貴『……駄目』
滉斗『え』
元貴『嘘……隣座って、』
涼架『朝からいちゃいちゃしないで!!!』
元貴『してない!!!』
滉斗『顔赤いよ』
元貴『黙れ!!!//』
平穏な朝。俺はまだ、元貴のお父さんから話される衝撃的な言葉なんて、思いもしなかった。
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続き決まってないんだよネ😅‼️
明日なんだろうね、怖いね、、、
コメント
8件
はぁ… 見てるこっちも幸せです🥹💗
同棲しようがいいです清ぱぱ 😭😭 引越しいちばんだめですよ ? ( 圧 やばい楽しみすぎる 、 学校でも授業聞かんとこっかなぁ … w
いい方で行くと同棲しよう!的な?悪い方だと引っ越すことになった的な