テラーノベル
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数日後の特産品ショップFortress。商品棚がガランとしている。チバラキVの5人が細々とした商品を段ボール箱に入れている。
恰幅のいい高級なスーツ姿の初老の男性が店のドアを開けて倫に声をかける。
男性「長谷川先生! 市役所の法律顧問を辞めると聞きましたが?」
倫「あら、市長さん。言われなくても、この店も引き払うよ」
市長「いや、待って下さい。私は何も知らなかったんですよ。おい、さっさとこっちへ来ないか!」
市長が店の外に向かって怒鳴り、腕をつかんで引きずり込む。その男は豪田。暑い最中に頭をすっぽり覆うニット帽をかぶっている。
市長「うちの馬鹿息子が勝手にやらかして、いろいろご迷惑をかけたと聞いてます。こら、おまえ、さっさと謝罪せんか!」
豪田不満そうな顔で立ったまま
「サーセン」
市長「ちゃんとやらんか!」
市長が豪田のニット帽をはぎ取る。見えた頭は僧侶のようにツルツルに剃られている。市長が息子の首根っこをつかんで無理やり頭を下げさせる。
市長「この通り、お詫びの印にこの馬鹿息子には頭を丸めさせました。この店と、ご当地戦隊はなにとぞ今まで通り続けていただきたい」
倫「そうは言っても、社団法人の設立手続きはもう始めちゃってるしねえ」
市長「では、市役所と、その団体との提携事業という形ではどうです。千原城市の地域振興という目的は同じなんですから」
倫「この店までは無理だね。そもそも採算度外視だったんだし」
市長「では、売り上げを市役所とそちらで折半という事では? 市役所側が8割、そちらが2割」
倫「はあ? 話にならないねえ。半々でないと」
市長「市役所が店舗の賃貸料を全額負担しましょう。売り上げはせめて七三という事では?」
倫「その条件で六四! 何と言われようと、これ以上は譲れないよ」
市長「ううん。仕方ない。その条件を呑みましょう」
市長たちが去った後、倫が他の4人を集めて告げる。
倫「この店の売り上げの4割が入る事になったよ。だいぶ金繰りが楽になりそうだね」
瑠美「あたしらの収入は?」
倫「今まで通り。できれば上げよう」
沙羅「あたしたちはバイトから、その団体の職員になるわけ?」
倫「そういう事」
智花「あたしは子育てがあるから、パートでやりたいんだけど」
倫「ああ、智花さんはそれでいいよ」
玲奈「じゃあ、チバラキVはもっと活動の幅が広がるんですね」
倫「市役所公認、民間団体運営のご当地戦隊だ。さあ、張り切って行くよ!」
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