〘 👑seed 〙
ギラギラと光り、俺を照らしつける太陽。
それを背に、歩き続ける自分。
重苦しい気持ちに覆われながら、小学校へと続く道を進む。
1歩1歩確実に進んでいるが、やはりどうしても進めている足が鉛(なまり)のように重たい。
それは自分が学校を拒否しているからだろうか。
自分が、、学校を嫌と思っているからだろうか。
👑「……でも、、📢兄より、はッ…」
言葉が詰まるように口からでなくなる。
📢兄が、虐めにあっていて、自分より重いことを知っているから。
📢兄の方が辛いから。俺はまだまだ元気でいれてるし、笑顔でもいれてるから。
👑「なんなんや……もッ、」(泣き目)
必死に涙が溢れないよう、手の平で目を抑える。
弱虫な、こんな自分が嫌い。大嫌い。
👑(もういやや……なんでこんな事ばかり思ってしまうんッ、?)
どんなに、自分は辛くない。そう言ったって、思ったって、辛いものは辛いし、痛いもの、苦しいものは痛いし苦しい。
溢れそうな涙をごぼれないようにしていると、いつの間にか学校についていて、泣きたい衝動も収まっていた。
👑「おは、よ…」
MOB1「……なぁMOB2〜w」
MOB2「なに〜?w」
👑「…………、」
このクラス、6年生になってから約半年が経っているが、クラスに一向に馴染めず、それを面白がったヤツ。
このクラスのリーダー的存在なやつが、俺を« 無視しよう »« 除け者にしよう»などと同級生に言い、無視されたり、このクラスに居ない存在にしたりなどしている。
ただ、先生の前ではしない。先生が居る時とかは嫌がりながらも俺の相手をする。
そうでもしないと、先生から叱られるからだろう。
先生が居ない時は、呆気なく俺を見捨て、除け者にし、無視をする。
だから、先生が居る時が1番学校内では気が楽。
けど、だからといって俺は、クラスメイトからこんな事をされているのを兄弟には伝わって欲しくない。
伝わってしまえば、迷惑をかけるから。🌸兄達が心配してくるから。
👑(これ以上……🌸兄達には負担をかけよんようにせんと……ッ)
1と2時間目の授業が終わり、20分の長い休憩に入った。
俺は、この時間が1番大嫌い。
それは、先生は職員室に降りて居ないから無視や除け者にされる。
それに加えて、鉛筆や消しゴムを隠されたり、ノートなどに落書きされたりなど、嫌なことをされるから。
👑「M、MOB1くん、、鉛筆、返してや、…!」
MOB1「え~?なに〜?w👑くん聞こえないよぉ?w」
MOB1くんが俺の鉛筆を取り、俺が届かないような高さに鉛筆を片手で持ち上げた。
そして、俺がどんなに« 返して »と言ってもMOB1くんは絶対に聞こえとるのに、聞こえていないふりをしている。
見ている人も見ている人で、だ。俺を助けようとせず、ただただクスクスと笑っているだけ。
俺がいつも通り、困っている時、教室の入口から、怒りを交えた声が聞こえた。
先生だ。
先生は、虐められている俺を見つけると、«大丈夫?»などと優しい声をかけながらこちらに近づいてきた。
«大丈夫»と答えると、先生は俺以外の子を廊下に集めて、叱っていた。
帰ってきた頃には、殆どの子が泣いていたり泣き目になっていたりなどした。
そして、虐めの主犯であるリーダー的な存在である子は泣いていなかったが、強く俺を睨んでいた。
叱られた後は、とりあえず居心地が悪かった。 辺りを見渡せば、目尻に沢山の涙を溜めている子も居るし、目元が赤くなっている子。泣いてる子も数人……まだ居た。
そんな居心地の悪い教室で、4時間授業を受け続けたが、なんとなく、嫌だった。
せっかく先生が虐めの主犯やその仲間達をようやく叱ってくれて嬉しかった。先制が叱ってくれれば気分は晴れる!………そう思っていたのに、気分は快晴の空にどんよりとした雲がかかったように暗くて、辛かった。
授業中も、思うように先生の言葉も耳を通らないし、授業の内容も聞き流すだけで、頭に入らなかった。
そんなこんなで、やっと今日の全ての授業が終わり、下校の時間になった。
今日も、俺から誰かに帰る約束もしていないし、誰も俺とは帰らない。
ただ少し、今日はいつもとは違う。
同級生に放課後呼ばれなかった。多分、先生に怒られて迂闊に動けなくなったのだろう。
一安心はしていたが、俺はこんな居心地の悪い教室から早く抜け出したくて、 ランドセルを背負って教室を出ようとした。
その時だった。背後から、何か鋭い物で俺の背中を刺すようにゾクッ、とした嫌悪感がしたのは。抱いてしまったのは。
👑(気のせい……よな、。)
そう思いたかった。そう………思ってしまいたかった。
どうしてだろう。どうしてこんなにも、……☂️ちゃんが義母から襲われる前の時の嫌悪感と似ているんだろう。
まるで………。まるで、何か嫌なことが起こる前の、予兆みたいやん───
俺はトボトボと、重い足を前に前に出しながら、まだまだ明るい空の下を歩いていた。
家に到着し、玄関の扉を開く。
いつもは大きな声で言える«ただいま»も、今日は小さな声でしか言えなかった。
でも、その後は大体同じだった。流れるように自室に向かい、ランドセルを置いてから手を洗い、宿題をする。
けど、ここからは違った。
ガチャリ、と音がして🌸兄達が帰ってきた。
🌸兄は自室に居る俺を見つけると、すぐに駆け寄ってきた。
🌸「👑ッ!大丈夫だったのか…!!?」
🌸「ごめんな👑、。学校で嫌なことされてるの気づけなくてッ」
👑「大丈夫だよ🌸兄!気にせんで!」
📢「そうだったのか……👑、?」
👑「まぁ……うん」(笑
🌸兄だけは既に、先生からの情報を受け取っているのか。
俺の事を心配しながら、気づけなかった自分が不甲斐なさを感じたのだろう………謝ってきてくれた。
📢兄の質問も苦笑しながら返答した。
その後、📢兄も俺に謝って、«次からは相談しろ»なんて言ってきた。
…………相談して欲しいのは📢兄達のほうなんやけどな、
勿論、📢兄に言われた後、🎮兄や☂️ちゃんも俺を心配し、気遣ってくれた。
でもな。きっと辛いのは、俺やない。みんななんよ……。俺なんかに構わんでもええのに、。
少しモヤッとした気持ちと、久しぶりに構って貰えた嬉しさを抱えながら、いつもより早く、俺は眠りについた。
次の日、俺は少し浮かれながらも学校に行っていた。昨日までのどんよりとした気持ちが嘘みたいだった。
多分それだけ、兄弟達みんなに久しぶりに«行ってらっしゃい»って言われたのが嬉しかったのかな。
ただ、そんな気持ちは学校についてしまえば、壊れる。
壊れる……より、崩れてしまう。そう言う方が、正しいだろうか……。
愉快な気持ちは、辛い気持ちへと変貌していった。
きっと、分かりきっていることだから。みんなに、同級生に無視され除け者にされる事を。
そんな空気が俺の体にはひしひしと伝わってきたから。
でも少しでも俺は、希望を持ちたかった。
俺が«おはよう»と言ったら«おはよう»と笑顔で返してくれる同級生を。
改心し、優しくなったクラスメイトを。
けど現実は、そんな “ 甘くない ” 。
👑「お、おはよ、…!」
MOB1「それでさぁ~!w」
MOB2「うんうん!w」
👑「ッ………」
クラスメイトは、先生に怒られたって改心することはなく、相変わらず俺を無視し続けていた。
むしろ前より、酷くなっていたように感じた。
希望を持ちながら楽しみにしていた俺の気持ちは、一気にどん底に叩き落とされた。
そんな気持ちのまま、今日も今日とての大嫌いな20分の休憩時間がきた。
先生は他の先生に呼び出されて、教室を後にしていた。 そのせいで、不安が積もるばかりだった。
MOB1「なぁ👑。」
どうして俺の予感。予兆は、こうもあたるのだろうか。
MOB1「お前っていっつも馬鹿だよなw」
👑「………」
MOB2「天然キャラも無理w」
MOB3「もうちょいハッキリしろよw」
先生が居なくなり、俺とクラスメイトになった瞬間、次々と俺の悪口を言われる。
けどどれも、不思議と心に響かないし、届かない。痛くも痒くもなかった。
どんなに悪口を言っても無表情な俺に、クラスメイトはイラついたのだろう。舌打ちをしながらまた、口を開いた。
MOB1「あ、ていうか👑って義兄居るんだろ?w」
そう言われた時、何も湧かなかった心から違和感を感じる。 顔を少し顰めてしまうのが、自分ながらに分かる。
それを見たクラスメイトはそれを利用する。
MOB2「確か、🍵って言うんだろ?w」
MOB1「そーそー!w」
どこからそんな情報引き出してきた?と思える程に、俺の義兄。彼奴の悪口を次々と言うクラスメイト。
違和感を感じていた胸にどんどんとモヤがかかっていくような感覚。
どうして、どうして関わりもない義兄がこんなに悪く言われるだけで、モヤがかかるの、? 辛く感じるの……?
そう感じているうちに、攻撃にでたのは、クラスメイトの奴らの方だった。
MOB1「なぁ👑。」
👑「………ッ、」
MOB1「🍵ってやつ。早く死ねばいいのにねぇ?w」
*ボゴッ*
👑「お゙ぇ”ッ”」
お腹に大きな衝撃が走る。
それと同時に咄嗟に口を手で抑える。特に出てきはしなかったが、少し戻ってきていたが為に、口内には苦い後味が漂っていた。
殴られたことが初めてで、慣れていない苦痛に身が強ばり、俺は座りこんでいた。
だが、そんな苦痛より、クラスメイトに «🍵ってやつ死ねばいいのにね»なんて言われたことに俺は謎に、心底腹が立っていた。
一度も感じたことのない謎の感情がふつふつと湧き上がってくるようなそんな感じもした。
MOB1「なぁ、👑___」
次にクラスメイトが口を開こうとした時、俺の体は既に、そいつを殴りにかかろうとしていた────
11話 関係ないのに_𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
16件
めちゃめちゃこれすきです! フォロ失ですー!! 続きたのしみすぎます
一気読みさせて頂きました!!これから🍵くん達がどうなるのか、あとついでにMOB達はどうなるのか(殴られるのか退学になるのか)がとても気になります!!これからも活動頑張ってください!!