〘 👑seed 〙
俺は既に、謎に湧き出る感情と苛立ちで、クラスメイトに殴りかかっていた。
ただその時___
*バンッ*
勢いよく教室のドアが開けられ、その音にびっくりして、クラスメイトに向かっていた拳は、後顔から数cmという所で止まっていた。
そして、そのドアを勢いよく開けた人はまたしてもや先生。
正直今は、来て欲しくはなかった。
傍から見れば、明らかに俺が悪く見えるだろう。
拳をクラスメイトに向けている俺と、少し怖がっているクラスメイト。
ただそんな状況だけで俺が悪い。と判断しないのが先生だった。
先生「何があったんですか。👑くん。」
👑「………」
何も……何も言えなかった。言葉が詰まったように出なくて、その場の空気が苦しかった。
先生は、俺を責めないし、しっかりと俺の前で屈んで俺と目を合わせてただ見つめてくるだけ。その目は、優しい目をしていた。
👑「……悪口、…言われたッ、から…」
出した言葉はそれだけだった。
いや、” 出た言葉 “は__だろうか。
先生はそれでもゆっくりと頷き、«保健室に行ってなさい»そう言われた。
俺は言う通りに、3時間目が始まるのにも関わらず、保健室へと向かった。
保健室の先生は俺を暖かく受け入れてくれて、既に先生から事情を伺っているようにも思えた。
保健室は暖かく、優しい雰囲気に包まれ、陽の光が窓から差し込んでいた。
昔の俺なら、こんな素敵な場所、とても安心できて、居心地が良かっただろう。
けど今の俺にとっては、不安が積もるだけで、昨日のような居心地の悪さが再発したようにしか思えなかった。
息が、呼吸がしづらくなっていく。
辛い。苦しい。そんな暗い感情が俺の心を包み込んでいく。
👑(だめ、だめッ…笑顔でっ、ッ元気で居ないと、ッ!)
独りながらに、そんな事をぐるぐるぐるぐると頭の中で回転させ、思考を働かせる。
〖どうしてあの時俺は抑えれなかった?〗
〖あの時の感情は何?〗
〖なんで殴りかかった?〗
色々な感情が自分の中で渦巻き、考えれば考えるだけどんどん分からなくしていく。
先生「👑くん。おいで。」
👑「ぅあっ、!!?……はぃっ、」
急に先生に呼ばれ、最速とも言える程に働かせていた脳から我に返る。
我に返ったと同時に、変な声が出てしまったが、先生は特に気にしてはいなかったみたいだ。
先生「みんな。」
クラスメイト「ご、ごめん👑くんっ!今まで散々無視したり除け者にしたり……、悪口言ったりしてッ!」
MOB1「許されないのは、分かってるッ、けどもしっ、…許してくれるなら、また!また仲良くして欲しいッ……」
👑「…………」
正直、今の自分からすると、少しきめがたくなっていた。
今朝、«改心してくれてるかな»なんて思っていたが、してくれていなかった。
けど……、けどもし、、、
希望を持つなら___
👑「二度と、しないでくれる、?」
クラスメイト「ッ…!!」
MOB2「もちろんっ!!二度としないッ!」
MOB3「約束するッ!!」
👑「なら……許したげる、!」
クラスメイト「ありがと👑くんッ!!」
もしこれで次、俺を無視したり除け者にしたり、悪口を言ってきたら、今度こそ許さないだろう。
けど今は、今は許しておいてあげよう。
確かにまだ心に辛い気持ち。傷ついた傷は残ってる。
だけど、やはりもう一度一から、関わっていきたい。
俺は改めて心から、そう思った。
先生「それでね👑くん。親御さんとお話したいんだけど………」
👑「ッ………」
先生「応答してくれたのが、🍵さんって言う子なの。大丈夫?」
親御さん。と聞いた時、あんな無関心な親に話したって何かなるだろうか。いやきっと……ならない。
ただ応答してくれたのが、彼奴だけ……か、。
流石にそれは重苦しい。嫌___
👑「………」
だ。とは思わなかった。
何故か不思議と、彼奴でも、“🍵兄”でもいいと思ってしまうのは、、何故だろう…。
それに、🌸兄達は違うことで忙しいのかもだし………今回は俺が我慢しないとだよね。
👑「大丈夫です。」
先生「ほんと…?ならその子に連絡して放課後話しましょうね。」
先生「今日は保健室でずっと休んでも大丈夫だけど……どうする?」
👑「……今日は、ほけ、んしつッがいい、」
先生「わかった。いいからね…?」
先生「保健室の先生には私から伝えておくから、もう行っときなさい。」
先生の一つ一つの声はとても優しくて、俺に向けられたクラスメイトの目線も、いつもは冷たいはずなのに今日は…………
今日は不思議と優しくて、心配してくれているような目線に、俺は感じた。
放課後まで俺は全て、保健室で過ごした。
そしてついに、放課後。
🍵兄が来る時が来た。
話す場所は、会議室という場所で、先生と俺、🍵兄……………とだけなるつもりが、☂️ちゃんも来てくれていた。
話によると、🍵兄から声をかけられ、«来て欲しい»なんて言われたらしい。怪しみながらもついてきた。といことらしい。
でもまぁ、☂️ちゃんが来てくれただけでも、俺の重かった心は少し、軽くなったようにも思えた。
16:30になった時、先生は、俺が今まで受けていた仕打ちや今日あったことを俺に質問を投げかけながら🍵兄に伝えていた。
俺がクラスメイトから無視されたり除け者にされたり嫌がらせを受けたりしたこと。
🍵兄や俺の悪口を言われて、クラスメイトに殴りかかったこと。
これまでのことを、洗いざらい喋った。
途中怖くなって、嫌になってきはじめて、つっかえたり、話が止まったりしてしまったけど、その度に🍵兄は何も言わなかったけど、優しく頭を撫でてくれたり腕の中で包んでくれたりした。
それが俺にとってはどうしても、«頑張ったね👑くん»なんて言われているような気がして堪らなかった。
話が後半になるにつれて、いつの間にか俺は、泣き出していた。
大粒の涙を零して、みんなの顔がぼやけて見えなくなって。けど誰も俺を責めないし、泣き止む度に慰めて、待ってくれた。
☂️ちゃんも俺の事を撫でてくれていた。
そして、俺らと先生との話が終わり、帰っている時、🍵兄は☂️ちゃんと俺。2人と手を繋ぎながら俺らに話をした。
🍵「👑くん。よく、我慢をいっぱい出来ました。」
🍵「きっとお兄ちゃんだからって。我慢できるからって。みんなに甘えれなかったんだよね。」
🍵「でも俺はね、👑くん。我慢も大事だけど、甘えるって事も大事だと思ってる。」
ほんと……?甘えてもいいの、?こんな俺が……甘えてもいいの?我慢しなくていい……、?笑顔でわざとらしく、、元気でいなくてもええの………?
👑「……………」
学校でいっぱい泣いて、枯れるまで泣いてしまった瞳からは、涙はもう……出なかった。
けど心は不思議と暖かく、暖まっていた。
🍵「よし!暗い話は終わり!」
🍵「お家まで早歩きしますかぁ〜?」
👑「そこは競走やないん!?」
🍵「だって走ることは禁止されてるんでしょ?」
👑「ぅ”……それもそうやけど……」
☂️「🍵兄に賛成~!w」
🍵「なら早歩き競走…?だ~!」
☂️/👑「いぇーい!w」
いつも独り、寂しく心苦しく帰っていた登下校道が。
今日は不思議と楽しくて明るく、最高に輝く帰り道に思えた。
初めて………ランドセルにぶら下がっている昔🌸兄達から貰った1つの鈴付きの御守りが、鳴り響いたような気がした。
〘 🎮seed 〙
今日は部活で、いつもより遅い時間帯に家から帰ってきていた。
そしてスマホの通知は一切見ていなかったため、👑の学校からの電話に気づかなかった。
もちろん。俺は大焦りだった。
«👑になんかあった!!?»
«👑は大丈夫なのか!!?»
そんな気持ちでいっぱいだったが、先程__
👑/☂️「ただいまぁ〜!!!」
元気よく玄関から2階まで聞こえるぐらいの声で帰ってきたよという挨拶が聞こえるので、大丈夫だろう。ほっとした気持ちでそう思った。
🎮「おかえり👑、☂️〜……」
🎮「👑学校から連絡来てたけどなんかあっt………」
一瞬俺は思考停止した。だって二人が彼奴に抱きついて話していたから。
でも俺を直視すると👑☂️は彼奴の元を離れて俺の方へと抱きついてきた。
👑/☂️「ただいま!」
疑問に思う点はいくつがあったが、俺は今は言わないことにした。
それに、👑の顔は、どこか吹っ切れているような顔つきでもあった。
🎮(やっぱ学校でなんかあったんだな。)
兄としてどれだけ情けないか。それを強く。痛く実感した。
🍵「あ、後で上3人の方にお話があるんですけど…、」
🎮「わかった。2人には後で伝えとく。」
🍵「ありがとうございます、!」
彼奴は☂️と👑に別れを告げて2階へと大急ぎで上がっていた。
👑は満足気だったが、少し彼奴が居なくなったのか悲しげな表情に。☂️はなにか、物足りなさそうな顔つきをしていた。
………が、俺はそれを只々視界に映し、見ていることしか出来なかった。
ひんやりとした沈黙が続く冷たい空間に立ち尽くすように、棒立ちする俺ら(🎮☂️👑)
そんな空間を割くように、ガチャりと玄関の扉を開けて入ってきったのは、やはり兄達だった。
その空気を変えれるのは、俺ではなく、兄だということ__。
12話 5男の涙_𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
11件
続き嬉しいです💕 🍵君信用されてきて嬉しい! それぞれみんなつらそー また待ってます🎃

最高です
わぁぁあ、 改名しました。 元 🥝です めためた良くて、 続き出ないかな~ と思ってたら 出てて、 え .ᐣ.ᐟ.ᐣ みたいな感じでしたぁ、 笑 🍵彡 信用されてきてるっ 続き楽しみにしてます ✨️